今回は、なんかやっぱりアメリカ人って違うな、と改めて思ったことを二つご紹介。
まずは包装紙、包み紙について。
もったいない、という気持ちは、日本人にしかないのだと言われて久しいですが、例えば、何か贈り物をいただいた時に、その包み紙を、セロテープからきれいにはがし、包装紙をきちっと畳んで、重ねて箱に入れて取っておくとか。
これは、うちのおばあちゃんが、こんなきれいな紙はもったいないからね、と言って貯めていました。まあ、だからといって、その包装紙を再度使うと言うことも滅多にないわけですが、贈り物をいただいたときには、その包装紙は、そうやってきちっと畳んで取っておくものだ、と思って育ちました。
そうやって育ったもので、アメリカに来て、大笑ですね!
クリスマス・プレゼントを開ける時、子供も大人も、アメリカ人は包装紙は思いっきり、ビリビリに破きます!そんなに包装紙が憎たらしいのかと思うぐらい(笑)、もう包み紙はビリッビリ!、品物が入っている箱もボッコボコ!にして、商品を取り出します。最初は驚きましたが、最近は慣れました(笑)
日本人は、いただいた方の、お気持ちに対してリスペクトを表すために、丁寧に封を開ける。
対してアメリカ人は、プレゼントをくださった方に、どんなに嬉しいのか、その喜びを伝えたいので、一刻でも早くこのプレゼントを見たい!、という気持ちを表すために、さっさと包装紙を破いて中を見る。
そんなところなのでしょうか。ちょっと違うアメリカ人です。
もうひとつ、先日アメリカのテレビで、家の中のリノベーションをする特集をやっていたのですが、壁や暖炉などを、家人が思いっきり、ハンマーで叩き壊すのです。
家の人たちも楽しそうにそれをやっていて、外壁の大きな部分は、ショベルカーが叩き壊したりするのを、心地良さそうに見ているアメリカ人が多いので、これも驚きました。
私はなんだか、気の毒になってしまいました。今までずっとお世話になっていた家なのに。何もそんなにボコボコにしなくても・・・、と。
たまたま、筒井康隆さんの文章にあったのを思い出しました。
しっかりと壊れないように立てたコンクリートのビルディングを壊すために、大きな、自分の腕のふた周りも3周りもある鉄の玉を、クレーン車で振り回してコンクリートにぶつけて叩き壊すと言うことが、西洋諸国の文化が入ってくることによって、日本でも普通になりました。
なんでそんなに、無駄なエネルギーや時間を使うのか、と言うのです。
日本では江戸時代の昔から、大工と言う、とても頭の良い職人たちが修練を積んでいて、しっかりと力学なども経験からわかっていて、彼らは、家を建てるときに、どうやったらきれいに壊せるかを考えて、家を建てた、というのです。
その中で出てきた例ですが、床下に、特別なおへそのようなものがあって、そこをうまく外すと、家全体が見事にゆっくりと、パタンとどちらかの面に崩れ、瓦などもそのまま、1つも割れることなく倒れるのだそうです。
なので、もちろん柱や、その他、瓦など、多くのものがそのまま再利用できるのだそう。大きな鉄の玉で壊したコンクリートのビルディングはどうか。すべてが瓦礫で、捨てられるしかありません。それを集めるにもショベルカーや、多くの人手がかかりますよね・・・。
ちょっと違うアメリカ人。
そして、また日本人の凄いところを、見つけてしまいました。
それではまた来週♫
Kayo
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。