こんにちは
NYのKayoです。
ニューヨークの街角から、スカイブルーのテスラが姿を消しました。
というのも、revel /レベル という、BEV / Battery Electric Vehicle(電気自動車) のライドシェアサービスが、2025年9月に静かに営業を終了したのです。
ほんの1ヵ月前まで、あの鮮やかなスカイブルーのテスラが、街を明るくしていました。どこを見ても、かわいいスカイブルーの色であちこち走り回っていましたから、よく目についたものです。
2018年電動スクーターからスタート
revel は、2018年に、1人乗りの電動スクーター、モペットのレンタル・サービスから始まりました。その当時、その記事を書きましたので、覚えておいでの読者の方もおられましょうか。
かわいいスカイブルーのヘルメットが街角を走り回る風景に加えて、2021年には同じスカイブルーのテスラが登場しました。
その後、モペット・レンタルが、事故が続いたことにより、2023年にあえなく終了・・・。
でもその間、ニューヨークの街は少しだけ未来を先取りしていたように思います。
ドライバーにも乗客にも優しかった revel / レベル
ウーバーやリフトと違って、revel /レベル のドライバーは社員として雇用されていたそうです。福利厚生がしっかりしていると、どのドライバーも口を揃えて言っていました。
制服ではなく、Tシャツやパーカー姿で気さくに話しかけてくるドライバーたち。彼らがこの仕事を大切にしていたのが伝わってきました。
正直に言えば、私は電気自動車そのものには賛成していません。CO₂を減らすことが本当に地球のためなのか、私は少し懐疑的です。
それでもこのサービスは、けっこう気に入っていました。料金は良心的でイエローキャブより安い位で、ドライバーの感じも良く、予約もアプリひとつで簡単、登録してあるクレジットカードで決済なので、乗車中の現金の受け渡しは一切なし。
頭では使いすぎてはダメ、と思いつつ、便利で心地よいものにはつい手が伸びてしまう・・・まるで「甘いものは太っちゃう」と思いながらも、ついついアイスクリームを食べてしまうように(笑)。
ただ、ここで言うのもなんですけれども、テスラという車そのものの乗り心地は、決して快適ではありませんでした。(笑)。ブレーキを踏むたびに体が前につんのめり、まるでゴーカートのよう。
でも、天井が全面ガラスで、マンハッタンの空を見上げながら走るとき、そして夜には摩天楼の光の輝きが、そのカー・ルーフから見えるとき、やっぱり少しだけ誇らしい気分になったのです。
最新テクノロジーに包まれて走る瞬間は、未来を生きているような錯覚がありました。私の大好きなSF映画の、近未来の登場人物のように!
持続が難しかった経営
それでも、彼らにとっての理想を貫くのは簡単ではなかったようです。
テスラ車の維持費、充電設備の整備、車両保険、社員雇用のコスト。利益はなかなか出ず、電気自動車の普及を支えるには、あまりにも負担が大きすぎたのですね。2025年9月、revel /レベル はライドシェア事業をやめ、今後は充電インフラ事業に専念すると発表しました。
特に今年2025年に入ってからは、テスラ自体が、イーロン・マスクの強引な経営や発言に対して距離を置く人が増え、テスラの人気が落ちたとも言われていますので、
それも一因かもしれません。
でも、あのスカイブルーのテスラが街を走っていたころ、繰り返しになりますが、ニューヨークは少しカッコよかったです。環境問題への賛否を超えて、あのスカイブルーは「未来へ」の色だったのかもしれません。
最近のライドシェア
最近は Lyft / リフト と言う会社のアプリから、イエローキャブも、ライドシェア・サービスと同じような感じでピックアップしてくれるようになりました。
以前は、自分の演奏が終わったあと、夜遅くにイエローキャブを止めるのに、運が良ければすぐ来るけれど、雨の日や極寒の夜などは10分以上かかったりしましたから、それから考えれば便利です。
そして、車中でのキャッシュの受け渡しが必要ないから、今お財布の中にいくらあったかなとか、細かいの足りるかなとか、気にする必要もありません。
あ、チップが気になるかもしれませんね?
これは、後で家に着いてからアプリで、自分が好きな金額を入力すれば良いので、とっても簡単です。
そういえば昔、まだ私が旅行者だった頃、タクシーの中でチップを計算するのが、とってもめんどくさいな、と思ったものでした。当時ガイドブックに、金額の1割位をチップであげるのが普通、なんて書いてあって、でもその金額って目的地に着いてみないとわからないし、ドル建てで1割を足して、そしてそれを使い慣れないドルのキャッシュで払って、お釣りはいくらくださいって、パパッと英語で言うのって、当時はすごく大変だったような覚えがあります。(笑)
というわけで、本日は、気に入っていたカー・ライドシェアがなくなってしまったお話でした。いつもの事でも、なくなってしまうと、なんて便利だったんだろうって残念になることがあります。
毎日、つつがなく生活を送れるのが、これが幸せっていうことなんだな、って最近はしみじみ思います。年取ったのかな(大笑)
ではまた来週♫
Kayo
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。





