こんにちは
NYのKayoです。
アメリカ人は気前がいい、とよく言われます。
バーで飲んでいて「今日は誕生日なの」とぽろっと言っただけで、隣の人がお祝いに一杯おごってくれるなんてこと、私自身何度も経験しました。
知らない人の申し出なのに、なぜかうれしい。アメリカでは、そういうちょっとしたラッキーが、けっこうしばしば起こります。
多分、ちょっと宗教的な施しの文化もあるし、もう半分は「今日はいい日だから、ちょっと楽しいことしちゃおう、誰かにご馳走したい!」という、お祭り気分みたいなもの。深く考えず、軽やかに、誰かを喜ばせることを楽しむ、、、そんな感じです。
先日、レストランでこんなことがありました。席に座って「今日は何か特別な日ですか?」と聞かれたので、「今日は、誕生日で」と言っただけで、バーテンダーさんが、手作りのチョコレートスフレやタルトなど、どれでも好きなデザートを選べるメニューを持ってきてくれました。
「お店からのお祝いです!」と言われ、思わず笑顔に。常連でもなく初めて行ったレストランです。おまけに割引料金のハッピーアワー・タイム。
(夕方4時から6時のお客さんの少ない時間帯に、30-40%オフぐらいで高級レストランの味が楽しめるのです。)
しかもそのあと、突然店の従業員ほぼ全員が立ち上がって、その小さなキャンドルが揺らめくデザートと共に、ハッピーバースデーの大合唱。私たちは、ちょいと恥ずかしかったけれど、全力のお祝いを受けるのは、やっぱりいい気分ですよね。アメリカではこういう、ちょっとお祭りみたいなノリが、けっこう普通に起きるのです。
なんと、飲食の支払いを全てご馳走してくれた人もある
もう一つ、カフェバーでの思い出。
私たちが飲んでいたとき、カウンター席はほぼいっぱいでしたが、我々の左右は一席ずつ空いていました。そこへ年配のカップルが入ってみえたので、私たちは自然に一つずつ席をずらして、にこっと「どうぞ」と声をかけました。
それだけのこと。特別な会話もなく、しばらく楽しくその場を共有していただけです。ところが、私たちがそろそろ出ようと思ってお会計を頼んだら、、、なんと私たちが飲んだ分は、すでにそのご夫婦が払って帰ってしまった後だったのです。
説明も理由もありません。日本だったら「えっ、なんで?」と凄く戸惑うところですが、ここではそれで話が終わり。「いい夜だったから」と、たぶん、きっとその一言だけで十分なのでしょう。これには正直言って、感動しました。
「奢る」のではなく、ご馳走することを楽しむアメリカ人
アメリカ人の親切や気前の良さは、深い友情や利害関係とは関係なく、ただその場を楽しむため、喜びを分け合うために自然に行われます。
理由も説明も不要で、ちょっとした心遣いや笑顔だけが残る。
バーの隣の席の年配カップルのように、そっと勘定を済ませることもあれば、レストランで従業員全員が全力でお祝いしてくれることもある。
そのささやかな気持ちが、あとからじわっと心に残ります。
私も、そんな瞬間に出くわすたびについにっこり。まあ、いつか、私も誰かの勘定をそっと払って帰る側になるかもしれませんが、(なれたらいいな!)
まずはお堅いばかりでなく、少し他人にフレンドリーになりたいと思います。それで十分素敵ですし、ちょっとハッピーな、ニューヨーカーらしい気分になれそうです。
それではまた次回♫
Kayo
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。



