あなたはストレスが良くない物だと考えている大多数の人の一人でしょうか。
仮の話ですが…ストレスがホントは嫌なものでなかったらどんなに気が楽になると思いませんか。いや気が楽になるどころか、人の有難い味方だったとしたらどんなに良いでしょうね。
ところがそんな夢のような話がどうやら真実らしいのです。
それを教えてくれた本に出会ったのは5年程前。大病後、学校現場でのストレスが怖く、離職決意寸前のことでした。
その本にあった意外な事実の一つ目。
ストレスで本当に悪いのは極限的ストレス。(例えばジャンケンで負ける度に銃で体を撃たれていく…溺れ死ぬまで繰り返し海に突き落とされる…)こんな「拷問」は例外中の例外。ストレス一般が悪いわけではない。
ここで多分、あなたの感じる疑問は…でも職場で、『拷問』以外のストレスで病気になる人がいる。普通のストレスもやっぱり有害だろ?…私もそう思いました。ところがです。
確かに普通のストレスも「有害」。だが悪いのは「ストレスが悪い」という考えが有害。「ストレス」が悪いのでなく「ストレスが悪い」と思い込む方が有害。
ストレスを有害と思う方が、ストレスがあることより有害なことを証明した研究は追伸で。
ストレスの存在理由
(でもたとえ考え方が有害としても、日常のストレスは消えない。いったいストレスってなぜあるの?) あなたはまた疑問を感じるでしょう。その答えも次にありました。
ストレスはなぜあるのか?:ストレスとは難しいことをやり抜けるよう、自然が我々を応援する仕組みである。
つまりストレスとはここ一番の我々の応援団。ドキドキして、呼吸や脈拍数が上がるのは酸素や栄養を送る為。No stressだと応援団が来ず、その仕組みが働かないわけです。ここ一番でエネルギー動員の仕組みが作動してこそ、結果も出やすくなる…というのです。ホント?て感じですよね。
例えば、プロスカイダイバーは熟練者ほど呼吸や脈拍数が上がる。一見直観に反するが、熟練するほど「ストレス」を味わう。ストレス=応援団なので、熟練者ほど強い応援団(=ストレス)がやって来るのは理に適う。
意外なストレス対応法
(そうか…ストレスは悪いもの、拒否や否定するものじゃないのかも…) この常識とは真逆な見方から導かれる、ストレス対応法がいよいよ次に。
ストレスを感じた時に「落ち着け」と焦ったり、ストレスを取り除こうとしない。敵として排除しようとすると応援団を敵に回すことになる。焦って陥るのが、<ストレスのせいで実力を発揮できない>状態と言える。
ドキドキや緊張は、応援団だと納得し受け入れるのが良い。ストレスは逆らわず、言わばストレスという波の力を借りる。波乗りの感じで利用する。
何度も読み返した後、私は半信半疑で学校現場でこの対応法を自分に試してみました。緊張し不安を感じると(これは悪者じゃない、味方だ。波に乗るんだ)と自分に言い聞かせたんです。
するとストレスが消える訳じゃないんです。でも不思議なことに、ストレスへの不安というか(ストレスから逃げねば)という焦りがあれ?どこかへという感じ。そして落ち着いて難しい場面も乗り切れるようになっていったんです。
ずっと気になっていた生徒に、緊張し過ぎで本番に力が出ない子がいました。そこで同じ対応法を紹介しました。
「初めて聞くことかもしれないけど…実は『上がる』のは君の中の応援団が君を応援してる証拠なんだ。だから『上がって』いいんだよ。むしろ波に乗る、波の力を借りる感じでパフォーマンスに集中したらどうかな。」
ちょっと経ってから「気持ちが楽になった」という笑顔を見せてくれました。実際に試してみたら何か実感があったんでしょうね。
あなたへのプレゼント
もしあなたが職場などでストレスを感じることがあるなら、物は試し。この対応法を試されては?
うまく行けばシメタ物ではないでしょうか。でも、もしかしたら意識的にする必要はないのかも。
というのも、本の著者は大学の学部生に、ここで私がお話した内容を教えたんですね。そしたら….
レクチャーを受けたグループは、学内の各試験を受ける際の自信が増したと報告した。また実際に結果に向上が見られた。
しかもそうした効果は大学在学中続いた。
一人一人対応法を細かく指導したとかじゃなく、レクチャーを聞いただけでということらしいです。ホントならすごいですね。
最後まで読んでくださって有難うございます。あなたにも良い効果が生じているといいですね。
See you soon!
Jiro
追伸1:アメリカで3万人に二つの質問をした。
①あなたは、最近非常に大きなストレスを感じたか?(例:離婚・配偶者と死別・事故・災害等)
②あなたは、ストレスは健康に有害と思うか。
8年後生存者を調査☞ 大きなストレスに遭い、かつストレスを有害視する人が最も死亡していた。逆に高ストレス下でもストレスを有害と思わない人はグループ全体で最も生存していた。(序文)
追伸2:オハイオ州での実験。PTSD(心的外傷後ストレス障害)になった/ならないでストレスホルモンの分泌量を比較。PTSD発症者は、ストレスホルモン分泌が少ないことが判明。PTSDの原因はストレスホルモンの分泌量不足。現在は治療にストレスホルモン投与もある。(第2章)
英書 Kelly McGonigal The Upside of Stress
https://www.amazon.co.jp/dp/B00OI5PGWU
邦訳 スタンフォードのストレスを力に変える教科書
https://www.amazon.co.jp/dp/4479307834
私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員