Hi!
火曜のJiroです。
私は50年間、自分が大笑いされた理由を勘違いしていました。
大学3年時の米留学時代、アメリカ人達の前で、私は
I am expecting a toothache.
と言い、爆笑されました。
ずっと思っていたのが、爆笑の理由は2つ
①男の私が妊娠
②歯痛を妊娠
…ということでした。
英語では男も妊娠?
ところが半世紀後、最近のことです。
読んでいたLauren Weisbergerの小説に
We are pregnant.
Father is expecting.
の表現を見つけびっくりしたのです。
Weは妻と夫を指し、2番目のfatherは主人公の実父で、今は離婚。再婚相手との子の話題。
一度や二度ではなく、彼女の他の小説でも見かけたので、一般的な表現に違いありません。
そこで調べてみると分かりました。
まだ他の意味があった
pregnant, be expectingの意味には、
①生物学的に妊娠
②赤ちゃんを授かった、ベビーが生まれる
があったのです。米国的価値観~妊娠・出産は夫婦二人で経験すべき~の表現で、1970年代頃から特によく聞かれるそうです。
pregnant, be expecting
①生物学的に妊娠
②赤ちゃんを授かった、ベビーが生まれる
だから②の意味なら、男性や夫婦も主語になれるわけです。
事実、繰り返しになりますが、最初の We are pregnant. は夫婦のセリフ。
また二番目は、fatherが(再婚相手との)赤ん坊を授かる…という文脈です。
大笑いのホントの理由
私が驚いたのは、このセリフ自体だけではありません。
私の半世紀前の米国での爆笑事件が、俄然新たな光を浴びたからです。
個人的な事件でちょっと大袈裟ですが。
今までは、男の私が“I’m expecting…”と言い出して笑われたのが主だと思ってました。
しかし男性でも主語になれるなら、それはツボではなく
通常ならexpecting a babyなのに、expecting a toothacheと来たこと、つまり「妊娠は赤ちゃんじゃなくて…歯痛!?」という意外性が笑いのツボだったに違いありません。
文法的に言えば、expecting の目的語が、普通のbabyでなく、意外なtoothacheだったということです。
もし女性が同じことを言っても、やはり笑いは起きたに違いありません。
……と、笑いの理由、笑われた理由が半世紀後に腑に落ちたのです。
思わぬご褒美
今回の謎、LaurenWeisbergerの小説を読まなければ、解けなかった謎かもしれません。
外国語を長く学んでいると、何十年も前の体験が、新しい知識によって突然意味を持つことがあります。
これは語学学習を続けていると味わえる、小さいかもしれませんが、他では味わえないご褒美、醍醐味の一つでしょう。
外国語は単語だけでなく、その言葉を使う人たちの文化や連想まで含めて学ぶものです。
あなたが英語を学び続けられるとよいと思います。
追伸:
We are pregnant. Lauren Weisberger. Revenge Wears Prada(p.133)HarperCollins Publishers.、これは大評判になったプラダを着た悪魔2の原作。映画から興味が湧き読んだもの。
原作と映画のかけ離れた差に驚いた話はまたいずれ。
Father is expecting. Last Night at Chateau Marmot (p28) Simon and Schuster. 売れない音楽家だった夫が一躍スターダムに駆け上がるが…これも面白い小説。
私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員







