あなたは学生時代、「授業出たくないな…」と思ったことはありませんか?
きっとほとんどの人が、「授業出たくない」そう思った経験があると思います。私自身学生時代はよく、「授業なんか出たくないな…」と思っていました。
もし、、、授業に出なくてもいい学校があったらどうでしょう。学校で一日中ずっと遊んでいてもいい…何日授業に出なくても叱られない…。少し考えられないですよね。
ところが、そんな授業に出なくてもいい学校が実在するんです。それは、アメリカのマサチューセッツ州のSudbury Valley School。クラスも学年も教科もなく、出席義務がないし「先生」もいないんだとか。
Greenbergという方が中心になり1968年頃作られた小・中・高を足したような学校。
この学校では、全て生徒の自由と言うか、自発性にまかせるシステムみたいなんです。生徒が学びたくなった時に初めて、一人か数人でスタッフにリクエストする。するとスタッフが勉強のグループなどを相談しながら設定する。生徒からのリクエストが全て。強制は一切ないんだそうです。
ただスタッフの方から、これこれの内容をやります。誰かどうですかみたいな募集はあるようです。ただそれも、もちろん希望者のみです。
(でも完全に自由で、誰でも勉強するものだろうか?)って疑問わきますよね。あなたにお子さんがいるなら、(ウチの子ほっとかれて大丈夫?)と心配になるかも。
実際はどうなんでしょうか。
<自然に誰でも学びたくなるもの?>
実は入学したては、皆遊びまくるんだとか。ところがそのうち何か勉強したくなるらしいです。
例えば実際の例で、9歳から12歳の子が「算数教えて」とスタッフに言ってきたと。ちゃんとやるという取り決めを固く約束して、週2回のクラスを始めたら、全員超熱心。欠席ゼロで6年分の内容が5か月で終わった…なんて例が実際にあるそうです。
これもホントの例で、釣り好きな男の子がいて、入学から毎日学校の池で熱心に釣りばかり。ところが10年後(高1位の時)突然コンピュータに興味がわき、同じ熱心さで没頭。大学に行き情報を専攻し、今ではIT企業に勤めているとか。
でも楽に誰でも「卒業」できるのではないようです。高卒資格の条件は厳しそう。卒業希望者は学習した全部の内容の報告書を作り、面接とか外部の判定を受けねばならないようです。これすごく大変そうですが、遊んでるだけで高卒になるとしたらやっぱり変ですよね。
<自分で選ぶの面倒…>
(日本の学校の生徒が、これ知ったらどう反応するか)って興味ありますよね。実は私5,6年ほど前当時勤務してた高校の英語の授業で、自由な雰囲気のSudbury校を紹介したんです。日本の標準的な高校生に自由な学校を伝える….これほどワクワクしたの自分でも初めてでした。
この学校について英語の長文で学んでから、彼らにストレートに聞いたんです。
「今読んだようにものすごく自由な学校だよねえ。授業も教科も卒業するしないも自由。それに先生を生徒が選べるらしい。どう思う?」と。
私の予想は『イイな』と羨ましがる…でした。生徒の間から自由を求める暴動が起きたら、どうしようって半分本気で心配していた位。
そんな予想は完全に裏切られました。生徒の反応はほとんど
「自由は面倒」。
自分から何でも要求するのは無理で大変。与えられるモノから色々試せるのがいいと….私拍子抜けでした。
<「強制が自分の道を見えにくくする」>
でもSudbury校長のちょっと気になる言葉があるんです。
「強制的な勉強では自分がしたいことが見つからない。強制的だと、勉強イコール教師や親に認められること、になりがちだ。楽しいので何かするというイメージが、だんだん持ちにくくなる。しまいには、何かをしたいという気持ちそのものが湧かなくなってしまう…」のような内容。
今思えば生徒の自由嫌いの反応は、学校の強制に慣れ過ぎの証拠なのかも。また私当時察しきれなかったけど、多くの子はホントにしたいことが分からず苦しんでいたのかも。
あなたも今ホントにやりたいことってあるでしょうか。もし仮になかったら、これから意外な所から出てくるといいですね。 See you!
Jiro
追伸 参考にした英書2冊
(サドベリー校の保護者によるもの)
Free to Learn: Why Unleashing the Instinct to Play Will Make Our Children Happier, More Self-Reliant, and Better Students for Life (English Edition)
(サドベリー校の校長Greenberg氏によるもの)
FREE AT LAST The Sudbury Valley School
私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員