【World Life】とは?
スポンサーリンク

君のパンクレアスが食べたい

World Lifeな生活
この記事は約4分で読めます。

突飛な質問ですが、あなたはぎょっとするでしょうか、もし誰かに「君の膵臓をたべたい」って言われたら…

あなたはピンと来たでしょうか。

この「君の膵臓をたべたい」は5,6年前出た小説の題名。作者は住野よる。DISH//の北村拓海らの主演で映画化され「キミスイ」という略称ができたほど話題に。

正直私も題名が題名なので、ずっと敬遠してたんです。ところが面白そうな英語作品には目がなくって。

英訳(I want to eat your pancreas)があると知った途端に読みたくなったんです。

ただ私の興味を一番惹いたのは(pancreas/膵臓)という英単語。(「パンクレアス」か…何だか不思議な感じ)。

小説を読み終わるのもそこそこに語源を調べたら意外な事が分かったんです。

今回はDNAのKREUE (生肉)繋がりでpancreas(膵臓)、raw(生の)、cruel(残酷な)等を見てみましょう^^

<まさか「パン」?>

DNAのKREUE (クレウエ/生肉)→ 一様な肉っぽさ→ 膵臓 (pancreasパンクレアス)

ちょっと細かいですが、pancreasはpan(パン) + creas(クレアス)。panは「全て」で日本語の「パン」ではありません。念の為。creasの所にDNAがあります。「全て生肉」とは、膵臓はごろっとした肉の塊の感じだからかも。

DNAに「生肉」なんて、と不思議に思ったでしょうか。大昔なので調理法も沢山あるはずがなく、肉と言えば生が多かったのかもしれませんね。

KREUE (生肉) → 一様な肉塊 → 膵臓 (pancreasパンクレアス)

<なぜ生が残酷か>

KREUE (クレウエ/生肉)→ raw(ロー/生の)
raw(ロー/生の)で「生」の意味は肉以外にも広がります。raw data(デイタ/情報), raw passion(情熱)などと使えそう。DNAからK(ク)はよく消えるようで、rawにもK(ク)がありません。(ちなみに日本語では同じ「ロー」でもlawは「法律」。全く別の単語です。)

KREUE (生肉)→ raw(生の)

 

KREUE (クレウエ/生肉)→cruel(クルーアル/残酷な)

cruelはKREUEと発音は似ているようです。ただ「生」からなぜ「残酷」?と思うかもしれません。「生」→配慮や工夫がない天然→傷つける→「残酷」のような変化が想像できるかも。

KREUE (生肉)→ 配慮や工夫がない天然 → 傷つける → cruel(残酷な)

<生ゴムと生魚の違いって?>

KREUE(クレウエ 生肉) → crude (クルード/未加工・未処理の)
次はcrude。deの部分はラテン語の名残らしいです。

crudeって(生)の感じだが、raw(生)とどう違うの?」とあなたは思うかも。Good question!

crudeは「普通行われる処理や加工がまだ」という感じです。例えばcrude rubber (生ゴム)。普通精製して初めて伸縮自在のあの「ゴム」になるわけで…rawはraw fish(生魚) とか単純に今「生の」状態の感じかも。

KREUE(生肉) → crude (未処理の・生の)

<英語でも面白い「キミスイ」>

今回の語源調べの切っ掛けになった小説ですが、英語の読み物として非常に面白かったです。

何より題材が身近。学校での場面や出来事や「若者」の考え感じ方ということで、分かり易いし感情移入がしやすい。私は引き込まれて力が出たので、2日で読めました。

あなたがライトノベル的な英訳本を探しているならI want to eat… はピッタリかも。英語を楽しく学べるチャンスになると良いですね。

 


追伸:心に残ってる個所です。主人公の閉ざした心に響く桜良のセリフから。拙訳付で。

When you are all on your own, you don’t know who you are….
(一人だけじゃ、自分が誰か分からない。…)
The people I enjoy being with and the people I hate being with are who I am…Those connections give me shape…

(一緒にいて楽しい相手、楽しくない相手、どちらもこの私。そういう関係性が私に形を与えてくれる…)

タイトルとURLをコピーしました