突然ですがあなたは「知識は力なり」と言う言葉を聞いたことありますか?
フランシスべーコンの言葉で普通「知っていること,知識は武器になる」という意味で使われますよね。
では本当の意味を知っているでしょうか?
私は知りませんでした。というのは以前の原稿で「知識は力なり」を出した時、「知識は力なり」だけでは突然何?という感じ。文脈を知りたいから原典を見たい…と思いました。
そして原著者Francis Baconは、元々当時の西洋の共通語、ラテン語で書いたと分かったのです。
ところが原著(ラテン語)は見つからない。幸い(ラテン語からの)英訳をネット上で発見。そこでこの英訳をChatGPTにラテン語に訳し戻させ、少しでも原著(ラテン語)の雰囲気に触れたことにしようと考えたんです。
結果的には「AIはラテン語に訳し戻せる」は私の誤解でした。でも誤解のおかげで意外な副産物が…
以下太字は実際に入力したプロンプトとAIの返事(の日本語訳)
私:Translate the following into Latin as used in academic writing in the 17th century.
(次のを17世紀の学問的なラテン語に訳して)
:以下英語テキストを添付。
すると最初はぐんぐん捗っている感じ。ところが段々ゆっくりに。そしてとうとう止まってしまいました。
私:Why do you stop?
(なぜ止まるの?)
ChatGPT : すみません。なぜか分かりません。もう一度お願いします。
私:Translate the following into Latin as used in academic writing in the 17th century.
(次を17世紀の学問的なラテン語風に訳して)
:以下英語テキストを添付
すると再び止まる
ChatGPT : すみません。できません。このヘルプはできません。何か他のことで…
私 : Can you tell me why you are unable to do so?
(できない理由を言ってくれる?)
ChatGPT : ごの英文は初見で、文脈・背景が分かりません。
正確な翻訳に努力しましたが、ラテン語は複雑で含蓄に富みます。
私には細部、含みの意味や意味の広がりを完全には表せません。
これってまるで完璧主義の真面目な人がいっぱいいっぱいになってるみたいだ、と私は少し気の毒にも。
<AIのホントの願い>
そこで、気を楽にみたいな感じで、当時のラテン語風訳の要求は諦め量もウンと減らし
私 : You don’t have to be accurate.
(完璧な訳は不要。)
Translate as if you are an advanced student learning Latin, submitting your translation to your professor to be inspected.
(ラテン語の結構できる学生が教授に訳をチェックしてもらう感じでやってみて。)
Ignore subtleties or nuances of the original text.(ニュアンスとかは無視して。)
そしたら「分かりました!~~~」と(嬉しそうw)。
1章分の訳をあっという間に。さて今回の思わぬ成果です。
AIに関して、短所が指摘されることがありますよね。
例えば情報に間違い。論理に飛躍。今回の完璧を求めすぎる等。でもこれって短所というより、作業途中の躓きの場合も多いのでは。
もしそうなら、AIに学習させれば済みそう。例えば完璧主義に陥ったなら、世界最高を要求してはいない、ほどほどでいいと言ってやるとか。
今回「ラテン語の学徒として、教授に見てもらう気楽な感じで…」と頼んだのもそこがミソです。
結論:AIが「欠点」に躓いても、やり取りのうちに打開できるかも。AIだってホントは簡単に見放されずに教えてもらいたい、学習したいはず。
ChatGPTをあなたも使いながら、慣れられると良いですね。
<英語版>
知ってる内容を英語ルートで理解する。洋画で字幕を読んで英語を聞くように。
↓ ↓ ↓
英語版はこちらから☆
追記:
「知は力なり」をFrancis Baconは生涯2つの著書で使用したようです(1597と1620)。…
1.初出
Meditationes Sacrae(1597)
英語 : Knowledge itself is a power with which God knows.
ラテン語 : Scientia enim ipse est potentia qua scit Deus.
知識それ自体、神がそれによって知る力である。
普通人々は知識を持ち集めるだけ…と思っているが、その知識自体、実は全能の神の知る力の現れ…位の意味か。今の「知識は力なり」の意味とは違う感じ。
2.2回目 Novum Organum(1620)。
ラテン語 http://www.thelatinlibrary.com/bacon/bacon.liber1.shtml (2023/9/14)
ここでは現在よく知られている意味で使われている。それについてはいずれ。
参考
日本語wiki
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%A5%E8%AD%98%E3%81%AF%E5%8A%9B%E3%81%AA%E3%82%8A
私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員