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アメリカの校則はゆるいの?

World Lifeな生活
この記事は約6分で読めます。

突然ですが,みなさんが中学生や高校生だった頃を少し思い出してみてください。

みなさんの学校には,どんな校則がありましたか。
一番心に残っている校則は何ですか。

21世紀と聞くと,随分と近未来的な感覚がありましたが
すでに21世紀になって20年以上が経過しています。
これを読んでいただいている方の中には,昭和,平成,令和と3つ目の時代を経験していらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

「昭和なんて,今じゃ考えられないような校則があったよ。」
「靴下は白でワンポイントまでOK」
「下着の色も白のみ」とか・・・

なんて声が聞こえてきそうですが,

これらの校則,実はまだ多くの学校に残っているんです。

私の住む都内でも,下着の色,靴下の色を決めている中学校も多く,
生徒を一列に並ばせて,教師が一人一人の下着のチェックまですることもある,というのですから驚きです。
さらに,髪の色が少し茶色く見える場合は,「黒に染めるよう指導される」こともあるんです。

学校側は,
「協調性を育むために,人と外れた服装をしないため」などと言っているようですが,

そこまでチェックをするのは,ある意味,人権侵害にもなりかねないと思うのですが…。

そんな日本の校則ですが,これも

「みんな同じが普通」

という,日本人が持つ「独特な感覚」から来ているのだと思わざるを得ません。

では,アメリカではどうなのでしょうか。

―アメリカの校則―

校則は日本と同じように,学校によって違います。
日本人からすると,「アメリカは校則とか緩そうだなぁ」と思われるかもしれませんが,
実はそうとも限らないのです。

例えば,服装。

各学校には,Dress Code(ドレスコード)が細かく設定されており,私立の学校では日本と同じようにプリーツスカートやスラックスにジャケットといった「制服」がある学校もあり,体育の時間に着る「下着の色」まで定められていることもあります。

しかし,多くの公立学校では基本的には自由。

うちの近所にあった高校を例に見てみましょう。
(ビバリーヒルズ高校白書の撮影舞台となった高校です。残念ながら,ビバリーヒルズにはありません。このドラマが大好きだった私は,よくこの学校に潜入しておりました💦)

さて,この学校の服装ポリシーは,

「学校での優れた学習環境は,生徒が適切に身だしなみを整え,適切な行動をとることで生まれます。」

とされています。

Anything which tends to detract from this environment is unacceptable. 
(この環境を損なう傾向のあるものは受け入れることができません。)

のように明記された上で,ドレスコードは細かく設定されています。

・Shoes must be worn at all times.
(常に靴を履いていなければならない。)

「靴を常に履くこと」とは,さすがアメリカです。

・Sunglasses, hats, caps and other head coverings shall not be worn indoors.
(サングラス、帽子、キャップなど頭を覆うものは室内では着用しないこと。)
※ただし,医学的・宗教的に必要な場合は認められます。

・Caps must be worn with the bill facing forward.
(帽子は,ツバを前に向けて着用すること。)

屋内での帽子は禁止ですが,校内でかぶる場合は帽子のツバは前にしてかぶること。

そして学校で販売している学校名入りのものでなくてはなりません。

アメリカでは購買などで,学校名の入ったグッズがたくさん売られています。校内で帽子をかぶるのであれば,校名入りが必須。それら以外の帽子が見つかれば,没収され,Saturday Detention(土曜日の居残り作業)の罰が課せられます。

・Clothes shall conceal underwear at all times.
 (衣服は常に下着を隠すものでなければなりません。
See-through or fishnet fabrics, halter tops, off-the-shoulder or low-cut tops, bare midriffs and skirts or shorts shorter than mid-thigh are prohibited.
(シースルーや網の生地、ホルタートップ、オフショルダーやローカットのトップス、胸元が露出したもの、太ももの真ん中より短いスカートやショートパンツは禁止。)

まあ,過激な服装は勉強に差し支えそうですものね。
でも,結構,そういう格好をして通っている生徒もいますから,実際には大目に見られているのかもしれません。

・Tattoos are to be covered at all times.
(タトゥは常に隠しておくこと。)

さすがアメリカです。
タトゥは禁止ではないけれど,学校にいる間は見えないようにすること,というのです。

その他にも,ジェンダーや人種などを差別するようなメッセージがプリントされた服や,タバコやドラッグ,アルコールに関する内容がプリントされた服装も禁止です。

―学校は勉強をする場所だから―

服装や身だしなみに関してはこのような感じですが,日本のような眉をひそめるような校則というよりも,「勉強に悪影響が考えられるもの」を禁止する,という傾向にあるように思います。

というのも,アメリカでは,「学校は勉強するための場所」という考えが強くあります。

様々な人種のいるアメリカでは,髪の毛や肌の色が違うのは当たり前。

ですから,髪の色を禁止する校則もありません。
メイクや髪の色は,本来の「勉強」とは特に関係ありませんから。

だから,給食の配膳作業や掃除などは専門の業者がすることであって,生徒がすることではない,という考えにもなるんですね。
(これは日本の学校の良い習慣だと思うのですけど・・・)

日本では,

「前髪が眉毛についたら違反」
「茶色い髪は黒に染めること」
「パーマは禁止」
「くせ毛はストレートパーマをかけること」

最近では,「ツーブロックヘアは禁止」というなぞな校則も話題になりました。

中でも昔から不思議なのは,「パーマは禁止なのに,くせ毛はストレートパーマをかけること」という矛盾。

結局,「みんな同じでなければならない」というのが大前提なのでしょうね。

謎です。

だから,大人になってもちょっと特徴のある人に対して「いじる」ということをする人もでてくるのではないかと思うのです。
(前回参照:https://worldlife.jp/archives/3780

本来,学校というのは「勉学に励む場所」のはず。
そこを根底に考えれば,このような謎校則は生まれないと思うのです。

今回ご紹介したアメリカの学校のように,日本の学校も

A good school learning environment is created when students have an appropriate, well groomed appearance and conduct themselves properly.
学校での優れた学習環境は,生徒が適切に身だしなみを整え,適切な行動をとることで生まれます。)

を基本として,もっと「学習」に焦点を当てて考えてもいいのかもしれませんね。

最後に私自身の体験談を。

中学1年生の冬のこと。
掃除時間に雑巾で棚などを拭く作業がありました。

バケツに水を張り,汚くなった雑巾を洗い,掃除をするのです。
当然,白い長袖のシャツは濡れますので,腕まくりをします。

その時,

「こらぁ!なんで腕をまくっているんだ!すぐに袖をもとに戻せ!」

と,超大きな声で怒鳴られました。

「雑巾を洗う時に濡れるので・・・」と言ったら,

「口答えするな!」

とまた怒られるのです。

まあ,なんとも怖い女性の先生でした。

今でも,何でそんなに怒っていたのかは謎ですし,掃除の際の腕まくりがダメな理由も謎です。

その先生の価値観?だったのかもしれませんが,理由の説明できないルールはやっぱり見直すべきだと思います。

そろそろ,日本の謎校則も大きく見直す時期に来ているのではないでしょうか。

 

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