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Newsweekとニューズウィーク 伝わる情報の差

World Lifeな生活
この記事は約4分で読めます。

正月明けに、Newsweekの日本版(デジタル)を読みました。

ティーバッグからマイクロ・ナノプラスチックがどの程度溶け出すか、調べた研究が紹介されていました。

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マイクロはミリの1/1000
ナノはマイクロの1/1000
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研究では、3種類の素材のティーバッグで紅茶をいれ、一滴中のマイクロ・ナノプラスチックの数を調べたようでです。

ティーバッグの素材によって
・12億個
・1億3500万個
・818万個
と、プラスチックの粒子が溶け出しているとのこと。発がん性の可能性など、健康リスクについても述べられていました。

数の大きさにびっくりした私は、本家の英語版も読んでみました。

するとこの研究に関する記事が2本あり、一本目は日本版と同じ内容で、実験と科学者の警告で、2本目に、いかにそのリスクを減らせるのかという内容が。

日本版にはこの2本目に対応する記事が見当たりませんでした。

① 日本デジタル版 科学者の警告
ティーバッグから有害物質が放出されている…研究者が警告【最新研究】
https://www.newsweekjapan.jp/stories/lifestyle/2025/01/531822.php

① Newsweek英語版 科学者の警告
Scientists Warn of Harmful Release From Tea Bags
https://www.newsweek.com/harmful-release-tea-bags-microplastics-nanoplastics-2005123

② Newsweek英語版 警告と回避方法
Plastic Tea Bags Update: How To Avoid Harmful Release
https://www.newsweek.com/plastic-tea-bags-update-avoid-harmful-release-2009157

日本版では、科学者は実験結果の最後に、検査方法の確立や公衆衛生対策の必要性、規制強化を訴えているようですが、発言の結びが、マイクロ・ナノプラスチックの発生源はティーバッグだけでなく色々あるので、全部を避けるのはなかなか難しい、みたいな終わり方。

何だか「諦め的」態度で終わっているような気がします・・・。

対して英語版は、警告だけに終わらず、プラス回避対策も説明しています。

3種類の素材があれば、溶け出す数的にはどの素材が一番ましか。またプラスチックフリーのティーバッグもあるし、ティーバッグを使わず茶葉から直接入れる手もある、というようなことも書いてあります。

これって記事の方針としては、日本版と英語版で、本質的な違いがあると言ってもよいのでは。

日本版がこのまま一本目の扱いだけで終わったとすると、本家の趣旨の大事な「回避対策」が伝わらないことになります。こんな大事なことを伝えないでいいのでしょうか?

本家の英語版の記事は、一本目の「警告版」と二本目の「回避策版」で、一つと考えられます。もし日本版が、最初の警告版だけなら、本家の内容とかなり離れることに。何故本家に合わせないのかと疑問になります。

こんなに本家と差があるのに、「本家の日本版」として提供されることに疑問を感じるのは私だけでしょうか?大半の読者は、日本版と英語版との、このような差に気づかない可能性がありそうです。

疑問が消えないので、日本版の編集元に電話して事情を聞きました。

すると以下のような回答

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この記事は、日本版でもデジタル版だけにのっている記事で、そして英語版の一本目だけ訳したもの。紙の日本版には1本目も2本目も出ていない。何の記事を載せるかは、日本スタッフの裁量です。
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残念ですが、言わば「何の記事を載せるかは勝手にやっていい」と事前にお墨付きをもらっているので全て問題はない、みたいな感じでした。

なんと紙の方には二本目の回避対策は勿論、一本目の、ティーバッグから溶け出すマイクロ・ナノプラスチックの研究記事自体のっていないのですね。

問い合わせをしてみて、さらに違和感が深まるかたちとなってしまいましたが、新たな事実を知ることができました。

もしあなたが、Newsweekの日本版を読んでいるなら、たまに英語版と比べてみてはいかがでしょうか。英語の勉強になるばかりか、思いがけない発見があるかもしれません。

Untile next time,
Jiro

 

追記1:
今回の編集元への問いかけ、巨大な企業だけに、一つの記事に対する一本の電話など、多分痛くも痒くもないでしょう。極小の抵抗かも。でもマイクロプラスチックと同じで、非常に小さいモノに実は効果があるかもしれませんよね。
尚、2025年2月現在、今も問題の2本目にあたる記事の掲載はありません。

追記2:
1 micrometer と1 nanometerを1μm、1nmと書きます。μ:ギリシャ文字(ミュー)。

<英語版>
日本語で内容を理解した上で今度は英語で理解してみる☆
↓ ↓ ↓
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