先日華氏で62度(摂氏17℃)という、急にまるで春が来たのかも、っていう感じのお天気となり、サンドイッチを持ってCentral Park/セントラル・パークへお散歩に。いまだに、ロングのダウンジャケットを手放せなかったニューヨーカーとしては、もう本当に嬉しい春の訪れが、すぐそこっていう感じがします。
日本では、桜前線が発表された、とニュースで聞きました。もう桜のシーズンなのですね。例年、チェリーブロッサム(桜)の開花は、ニューヨークは1ヵ月ほど日本より遅れますが、春はすぐそこまで来ている感じが、元気が出そうな華やいだ気分にさせてくれます。
Central Parkの木々は、見た感じまだやっぱり冬の装いで、枯れたような年の暮れと同じような感じでしたが、プラタナスの木には、丸い実がたくさんなっていて、とても可愛らしくてフォトを撮ってみました。日本名ではプラタナスは「すずかけの木」と言うそうですね。そうか、鈴のような可愛らしい丸い実をたくさんつけることから、すずかけの木。なるほどです。
なんと、このプラタナス、花言葉は、「天才」だそうです。古代哲学者のソクラテスやプラトンが、アテネのプラタナスの木陰で議論をしたという言い伝えから。ホントかしら。
そのまんまるの可愛い実は、どんなふうになっているのかと思ってサーチしてみたところ、なんと時間が経てば、綿のような綿毛になって、風に乗って、ふわふわ飛んでいくのだそう。へぇえ、、、
そして目を移すと、芝生が、グリーンも鮮やかに結構生い茂ってきていました。
晴れ間ではなんとクロッカスと、水仙の咲いているところがありました。わっ、ここは春だ!
アメリカでのクロッカスの花言葉は、「青春の喜び」だそうです。春が来るのを待ち兼ねて、雪解けの春とともに花が咲き始める。クロッカスは、若さのエネルギーの象徴のような感じがします。
ただ、ギリシャ神話をひもとくと、紫のクロッカスには悲しい花言葉があるのだそうな。ギリシャ神話では、クロッカスという少年とスミラックスという少女が恋に落ちるのですが、神々には認めてもらえず、悲しさのあまり2人で命を断ってしまうのだそうです。それで、この紫のクロッカスの花言葉は、「愛の後悔」。
水仙の英語名は、ワイルド・ダファディル、学名はナルキッソスといいます。皆様も聞いたことのあるお話かもしれませんが、ギリシャ神話に出てくる、絶世の美貌を持つ美少年ナルキッソスは、その美しさゆえいつも高慢な態度をとっており、ニンフ(女神)エコーからの求愛を断り続けて失恋させてしまったため、復讐の女神ネメシスによって、「自分自身だけを愛する」呪いをかけられてしまいます。
ナルキッソスが、ある日水を飲もうと池に顔を近づけたとき、水面に写る自分の美しさのとりこになって叶わぬ恋をしてしまい、とうとう衰弱して死んでしまったのだそう。それで、この水仙という花は、「ナルシスト」、自己愛とかうぬぼれと言う花言葉を持つのだそうな。
別名で、水仙は日本では「雪中花」とも呼ばれ、北海道などで雪溶けの季節が終わってすぐ花を咲かせることから、1番早く春の訪れを知らせる花としても有名なのだそうです。
クロッカスと水仙がきれいな花を見せてくれたら、次はチューリップ畑が満開になります。あと数日かな。このまま暖かい日が続いてくれれば良いのですが、楽しみなところです。チューリップが咲けば、次は桜です。また今年も、セントラルパークにお花見に行かなくちゃ。今から、待ちきれません。
日本では4月が新学期ですね。職場なども、きっとプロジェクトなども刷新されるのでしょう。ニューヨークの、ちょうど秋のようなものだと思います。アメリカは、学校や仕事がほぼ9月から始まるので、なんだか思いっきり夏休みでバケーションボケした後に、ちょっとギャップが大きいような気がしています。
やっぱり、私は、桜が校庭で見事に咲く4月に入学した小学校の、あの感動は、真新しいランドセルの匂いとともに、決して忘れることはできません。
皆さんに素晴らしい春が待っていますように。新しい旅立ちをされる方々、希望に胸を膨らせておられることでしょう。ぜひ人生を、エンジョイされてください‼️
それではまた来週♫
Kayo
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。