みなさんは運転免許を取得した時に費用はいくらくらいかかりましたか?
私はなんと、6万円もかからずに取得したのです。
でも悪いことはしていませんよ!(笑)
みなさんも見たことがあるかもしれません。
電車に乗っていると、時々目にする「合宿免許」の広告。
短期集中で教習所を卒業するため、通学タイプよりもかなり格安だそう。
それでも20万円くらいはかかるらしい。
高くても教習所でしっかりと勉強、練習して免許を取得するシステムはやっぱり安心ですよね。
さて、私が初めて自動車の運転免許を取得したのはロサンゼルス。
カリフォルニアでは自動車学校へ行かなければならない、という決まりはなく、
受験料を支払って筆記試験と実地試験をパスすれば免許証がもらえるのです。
しかも、当時はたったの10ドル。(現在は37ドル)
当時の私は、バスや自転車を駆使して移動していました。
まだあまりアメリカに慣れていない時期に、Hawthorne Blvd. や Sepulvda Blvd.などの大通りを自転車であちこち移動していたのです。
ビュンビュンと車やトラックが通る中、いやぁ、怖い怖い。
自転車を停める時も、柱や木にチェーンをしっかりと巻いて厳重に鍵をかけて…と、まあこれも怖い。
同級生たちはみんな車に乗っているのに、自分は自転車…
「ああ、早く免許取らなきゃ。」と思いながらも「ま、いっか!」と毎日自転車を走らせていました。
でも、自転車だけではやっぱりキツイのです。
移動もそうですが、アメリカではかなり多い頻度で “ID(身分証明書)”を求められるんです。
クレジットカードで買い物するときも
「IDプリーズ!」
お酒を買う時も、
「IDプリーズ!」
その度に、Student IDやパスポートなどを見せるのですが、
中には「運転免許証は?」とか聞いてくるお店も。
そう、アメリカでは一般的なIDは、「Driver’s License(運転免許証)」やSSN(社会保障番号)など。
仕事をしていない留学生は、基本的には運転免許証が一般的なのです。
「よっしゃ、こうなったら免許取るしかないぜ!」
と決意し、Driver Handbookで勉強を開始。
そしてDMV(Department of Motor Vehicles)という免許センターへいざ出陣!
そう、まずはこのDMVで筆記試験を受ける必要があるのです。
ドキドキしながら受付でビザなどの必要書類を提出すると、さっそく視力検査へ。
日本のようにCがいろいろな向きになっているものではなく、アルファベットなどが書かれたものが貼ってあり、係員から「上から3行目のアルファベットをざっと読んで!」と言われて読む、そういう感じです。
係の人が面白おかしく「お、よく見えてるじゃん!」とか言いながら難なくパス。
当時は目は良かったのです。(今はメガネ)
そして次は証明写真でした。
日本での証明写真は、笑わずに真面目な表情で撮りますよね?
だからこちらも真面目な顔をしていたわけです。
でも、係の女性があきれた顔で「なんて怖い顔しているのよ!笑って!」と。
「え、笑うの?」と戸惑いながらも笑ったのですが
緊張してるんですもの、うまく笑えない…
「ねぇ、笑うってのはこうやってするのよ。」
と笑顔のお手本を見せてくれ、ちょっとだけスマイルできました。
日本だったら「ふざけてるの?」とか言われそうですよね。
いやぁ、テストを受けるだけでも緊張するし、しかも友達が「DMVの人たちは怖いよ。」とか言うもんだから
かなり緊張していたのですが、案外みなさん明るかったので安心しました。
そして、一枚の紙が渡されました。
「なんだこれ?」
と思ってよく見るとテスト用紙。
現在ではCBT(Computer Based Test)で受けるのですが、当時はまだペーパーテスト。
「あ、そうだ。テストを受けに来たんだった。」
ここまでいろいろ初体験だったので、思わず一番大切なことを忘れそうでした(笑)
係の人が「あっちで試験受けてね。」と指さしたのは奥にあるブース。
なんだか区役所にあるような感じのブースです。
そこで立ったまま試験を受けるのです。(座ってもいいですが。)
なんとざっくりとした試験!
イメージとして、受験者が同じ部屋に集められて、一斉にテスト開始するのかな、と思っていた私は拍子抜け~。
いそいそと空いているブースへ行って、立ったまま受験。
ロサンゼルスでは日本語でも試験が受けられますが、やっぱりここは英語でチャレンジ!と英語で受験しました。
一応、辞書は持って入っても大丈夫。
解き終わるとまた問題用紙を提出し、そこで採点してもらいます。(現在はコンピューターで1問ずつ正解不正解がわかるシステムです。)
36問中、30問正解で合格。
私は35問正解でした。
採点してくれた人は「Oh, good job!」なんて言いつつ、私の名前が出力された紙を渡してくれました。
なんとこれは仮免許証。
今日から運転の練習ができるのです。
「やった!」と喜んだのも束の間。思い出したのです。
・・・
・・・
「あ、自分、運転したことないじゃん…。」
みなさん、友達や家族の車で練習したりするのですが、
「そんなの、何かあったら責任とれないじゃん!」と結構臆病な私。
「しっかり練習して身に付けないと!」と結構まじめな私。
「そうだ!ドライビングスクールへ行けばいいんじゃないか?」
と調べることに。
「ここがいいかな?」「あ、こっちがいいかな?」
と、でも感じの悪いスクールだったら嫌なので、直接電話をして決めることにしました。
「まだあまり英語のできない日本人留学生ですが、大丈夫でしょうか?」と。
すると、
「Oh, Cozy, don’t worry! We’ll take care of you!」と今考えると、ちょっと怪しい優しさ満載の応答だったのですが、若かった私は「よし!ここに決めた!でも値段は?」と聞いてみると、
「教習は1回75ドル。だいたい2時間程度のレッスンで、平均10回前後でみんな卒業よ。」との返答。
「ああ、まあ日本の教習所へ行くよりも全然安いな。よし、申し込もう!」とお願いすることに。
するとなんと、明日から開始というではないですか!
しかも私がスクールへ行くのではなく、教官が教習車で自宅まで来てくれるという。
いきなりの教習スタートに心の準備も何もありませんでしたが、まあ自宅ならいいか、と軽く考えていた私。
そして翌日、「ピ~ンポ~ン」となって出てみると、
「やあ、Cozyかい?カリフォルニアドライビングスクールのアゼルだよ。」
と、結構ノリノリの中東系出身を思わせる感じの中年男性が立っていました。
そしてうちのホストマザーに今後のスケジュールを説明した教官は、
「じゃあ、行こうか!」と明るく一言。
「え、もう?」そんな私の緊張をよそに、人生初の運転が「自宅」からスタートしたのです。
しかも、日本の教習所では絶対にないような教習が…。
~つづく~
英語教材開発・制作者
米国留学から帰国後、幼児・児童英語教師を経て、中学・高校英語、受験英語、時事英語等多岐にわたる指導を行い英語教師経験を積む。また、ホテル勤務での実践英語経験を積んだり、カナダにて現地の子どもたちの英語教育にも携わりながら、CertTEYL(世界での児童英語講師認定コース)の認定を受ける。さらに、青山学院大学でTutoringの研究員としても活動。英語講師養成のeラーニングコースの日本での立ち上げメンバーとなる。「現場での経験を教材に活かしたい!」と、現在は英語教材開発会社にて日々教材開発に勤しむ。高校入試用のリスニングトレーニング教材(塾・学校向け)は累計10万部以上のベストセラーとなる。英語教材開発の傍ら、全国の英語教師への研修なども行う。また、土堂小学校(広島県尾道市)での英語指導や、初の民間校長として一躍時の人となった藤原校長(当時:杉並区立和田中学校)が手掛けた英語コースの指導に2年間携わるなど、英語教育に関する多様な分野で活躍。大の犬好きから、ホリスティックケア・カウンセラーなどペット関連の様々な資格を取得し、ペットライターとしても活動中。