この11月3日、4年に1度のアメリカ大統領選まであと1ヵ月ちょっとになり、与党と野党ほぼ互角で一騎打ちの国民投票なので、巷ではどんどん盛り上がりを見せています。今一番楽しみなのは、共和党保守派トランプと、民主党中道派バイデンによるディベート。おっとり話すバイデンですが、ぜひともここでがんばって欲しいところです。
米国では、最高裁判事の任期は終身です。つい先日、最高裁の素晴らしい女性判事ギンズバーグが高齢のため亡くなり、そこに欠員が生じました。この方は、正義のために生涯をかけて信じる道をまっすぐ生きた女性で、訃報が公表されると、数百人を超える人びとがホワイトハウスに駆けつけたそうです。そしてトランプは、この空席をすぐに自分たちの保守派の判事で埋めようとしています。最高裁は、アメリカ国民にとってとても大事な裁判となりえ、人々の生活に多大な影響を及ぼします。死刑の有無、人工中絶の有無、同性結婚、大統領選などの不正、あらゆることでアメリカ国民の生活を左右するのです。現在、ある州ではまだ残されているオバマケア(国民健康保険のようなもの)なども、この先また保守派判事が増えれば、撤廃される可能性も出てきます。医療費が非常に高いアメリカでは、もしこの保険が無くなれば、命を失う人々が大勢出るでしょう。
ギンズバーグ本人の遺言では、大統領選が終わってから後任を決定してほしい、と言い残したそうです。しかしながらトランプは、数日後には後任の候補を発表する予定。国連での演説も、ますます中国を罵倒し、選挙戦へ向けてアメリカ国民の人気を取ろうと、必死です。
そんなこんなの攻防戦が続く中、お約束の先週のファーマーズマーケットの続き、お送りしますね。
さてこちらでは、珍しいものを見つけました。
ウオーター・バッファロー、つまり水牛の肉屋さん。何かコメントしたいのですが、ごめん、私も食べたことがありません。でも普通のバッファローは、ハンバーグ屋さんのメニューで見たことがあります。お味はビーフと似ていて、ちょっとコクのあるような感じだそうです。
キノコ屋さん、と言うわけではないみたいで、お肉屋さんなのですが、大きなクーラーボックスの中に、パック詰めされたお肉が入っています。常温で売ってるのがキノコたち、と言うわけ。ポルチーニ、ポルタベッロやオイスター・マッシュルーム(ヒラタケ)などが人気です。
ラム屋さん。ラム肉のソーセージ(ローズマリー、セージ、アップルメープルなど、とっても美味しそう)などと共に毛皮や毛糸も売っていて、なるほど、と思ったのでした。
メープルシロップ屋さん、楓(カエデ)の樹液を約40分の1まで煮詰めて、糖度を66%位まで上げたものだそうです。グレードA(そのままかけて使う)と、グレードB(お菓子など作るときに使う)があるそうで、もともとAの方が高級品で売れ筋だったのが、だんだんと素朴な楓っぽい風味の残るBの人気が上がってきて、最近は値段は変わらなくなってしまったのだとか。
ラベンダー屋さん。自家製のラベンダーで作られたローション、石鹸、エクストラクト(オイル)、ドライフラワーやもろもろ。とても良い匂いのするお店でした。以前、北海道富良野にラベンダーを見に行ったことを思い出しました。
ユニオンスクエアのテントに、所狭しと並べられたこれらは、オーガニックの野菜たち。
たくさん買い込みました。
新鮮で、おいしい。土の匂いがする。
そして、お花屋さん達。
ニューヨークでも、お花はピンからキリまでいろんな値段がありますが、これらは朝摘みなのでフレッシュな事間違いなし。
おまけで、家の近所で見つけた9月のニューヨーク、花壇の様子。
楽しんでいただければ幸いです。
じゃあ、またね
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。