みなさん,これ何て書いてあるかわかりますか?
ふふふ。
きっとほとんどの人は,
「カモレレロ」と読んだでしょう。
どうみたって「カモレレロ」,ですよね。
さて,この種明かしをする前に,今日はちょっと考えてみたいことがあります。
それは,「英語脳」について。
英語に興味のある人なら,一度は聞いたことのある言葉ではないでしょうか。
「英語脳」とは文字通り,英語で理解するということ。
つまり,聞いたり,読んだりした英語を「日本語に訳さずに理解する」というもの。
英語で会話をしていても,映画を観ていても,
一つひとつを日本語に訳して理解していたら,時間がかかって大変。
だから,よく「英語を英語で理解することが大切」と言われたりします。
でも,どうやったら「英語脳」を作れるのでしょうか。
―英語脳へのスイッチ!?―
私も普段は日本語で生活しているので,完全な日本語脳。
でも会議など。ある程度,自分から英語を発言すると5〜10分くらいで
突然,英語脳へのスイッチが入るのです。
昔,私が留学して2ヶ月が経とうとした頃,
「自分の英語力が一向に伸びない」と感じていたことがあります。
毎日,同じように勉強しているのにスランプのように英語力が伸びないのです。
それでも,英語で生活し,英語で勉強し,英語で話す,を繰り返していました。
そしてその1ヶ月後,留学開始からちょうど3ヶ月。
ある日突然,英語が聞き取れたり,話せたりするようになったのです。
それはまるでスイッチがオンになったような感じ。
その感覚は鮮明に覚えていて,今でも日本語の生活から英語での会議などに切り替える時に,同じ感覚が蘇ってくるのです。
実は,外国語を習得した人の多くがこの「突然のスイッチ」を経験すると言います。
この経験から私は,英語脳を作るには,
1.「伸びない」と感じたときこそ,学習を続けること
2.インプットしたら,すぐにアウトプットすること
3.アウトプット量を意識して増やすこと
が大切だと感じています。
日本の英語教育は,高校や大学入試という大きな関所があります。
一度は,「スピーキング」の試験も導入されそうになりましたが,
「公平な採点」「公平なシステム」等ができない,という理由から中止となりました。
ですので,現在も大昔と同じReading, Writing, Listeningの3技能の試験が中心。
そのため,どうしても「英語で話すこと」というスキルが二の次となってしまい,
インプット中心の「語彙学習」や「目で追い,意味を構文から解釈する」精読学習が中心となり,英語をアウトプットすることが決定的に少ないのです。
思い切り勉強に時間を費やせる「学生」の時期に,アウトプットのスキル,つまりSpeaking Skillを身につけるのが本当は望ましいのですけどね。
そして,大人になってから
「英語をもっと勉強しておけばよかった…。」
となる人が続出するのです。
―今からでも遅くない,英語脳の作り方―
「英語は難しい」と感じている人にとっては,「英語を話せるようになる」ことは遥か彼方のゴールのように感じがちです。
ですが,言語なんて
「語彙」「文法」「発音・発話」の3つの要素しかないと私は考えています。
ある程度の語彙知識と文法をインプットし,「発音・発話」でアウトプットする,これだけのことをすれば,ある程度は話せるようになる,と感じています。
「そこが難しいんだよ。」
と,そう言わずに,
「あ,この3つの要素か。」
「2つのインプットと1つのアウトプットだけか。」
ということを理解しておくだけでも,気持ちが違ってくると思いませんか?
「リスニングは?」そう思う方もいらっしゃると思います。
私は,リスニングだけを単体で学習するのはあまり重要視していません。
もちろん,テストなどでは,リスニング問題の「解き方」を訓練して得点に結びつける必要はあると思いますが,リスニングだけを単体で練習,というのはちょっともったいない。
私の提唱する,「英語を聞いて,意味を捉えながら発話する」というプロセスを踏めば,
英語はぜったいに聞けるようになると思うからなのです。
そこで紹介するのが,このシンプルな学習スタイル,「Cozy流,超シンプル英語習得法」でございます。
1.自分の英語のレベルに合った音声付き軽めの教材を用意する。
書店やオンライン通販で,「これなら自分にもできそう」というレベルや内容のものであれば何でもOK。ただし,音声が付いているものにしてくださいね。
よくわからないな,と思う人はNHKのテレビ・ラジオ英語講座がよいかもしれません。
英語初級者・・・テレビ/エンジョイ・シンプル・イングリッシュ
・・・ラジオ/ラジオ英会話
・・・ラジオ/英会話タイムトライアル
英語中級者・・・ラジオ/英語ものしり倶楽部
・・・ラジオ/ラジオビジネス英語
を参考にしてみてはどうでしょうか。
2.単語,文章を音声を聞いて,テキストを読みながら真似をする。(声を出す)
※その時に,その単語,文章の意味を頭に入れながら,声を出して真似をする。
それを毎日,毎日繰り返す。(その軽めの1冊を何度も何度も繰り返し,聞いて発話する。)
以上。
これならできそうだと思いませんか?
この方法って,すごくいいんです。
だって,
・英語を発話する口になる。
・軽めのテキストを繰り返すことで,次第に意味が英語で理解できるようになる。
・会話表現や文法も身につく。(正しい英文を繰り返し聞いて口から出すことで,間違った文法を自分が作ってしまった場合,変だと気づくことができる。)
・英語を聞いて,発話することでリスニング力も鍛えられる。
と,その効果はまだまだたくさんあります。
実際,私の尊敬する同時通訳の神様と言われた國弘正雄先生も著書で同じことをおっしゃっています。
一度に難しい英語からではなく,NHKの基礎英語,中学の教科書など自分のレベルに合ったものから始めるといいですよ。
でも,絶対に3ヶ月以上は続けてくださいね。
突然スイッチが入るのを経験すると,それはもう快感ですよ。
―「カモレレロ」って何?―
「それで結局,〈カモレレロ〉って何なの?」
って話ですよね。
これは「日本人には読めないフォント」と話題になったもので,
英語のネイティブなら問題なく読めてしまうという謎のフォントなのです。
このフォント,Electroharmonixは,カナダ出身のRay Larabie氏が無料で公開(http://typodermicfonts.com/electroharmonix/)しているフォントで,日本語のカタカナやひらがなをモチーフにした欧文フォント。
よーく目を凝らして見てください。
「カモレレロ」
= “HELLO”と見えませんか?
厳密に言えば, “hELLO”という感じ。
でもネイティブは大文字と小文字が入り混じった英語を書くので無問題。
どうしても,日本語脳だと「カモレレロ」にしか読めません。
でも,一度これを「英語」と思って読んでみてください。
だんだんと読めてきました? “hELLO”ですよ。
では,次。
日本語脳で読まないでくださいね。
「カモン,山カムナ‘ら コア?」と読んでしまったら,まだまだ日本語脳ですよ。
英語脳になって読んでみましょう。
わかりましたか?
答えは,
“hey, what’s up?”
です。
ちょっと脳がギューーーッとなりません?(笑)
これが英語脳というわけではありませんが,
英語ネイティブには「日本語というバイアスがないので,簡単に英語として読めてしまう」
ということを考えると,
私達日本人からも「日本語のバイアス」を介さない感覚を体験するには面白い方法だな,と思ったのです。
ちょっとは体験できましたでしょうか。
少しでも多くの方に,簡単に英語脳スイッチが入ることを願って,最後のクイズ。
これはなんと読むでしょう。
「山口セレワレエチモ」と読んだ人,まだまだです(笑)
英語として,よ〜く見てくださいね。
さあ,答えは次回のメルマガにて。
英語教材開発・制作者
米国留学から帰国後、幼児・児童英語教師を経て、中学・高校英語、受験英語、時事英語等多岐にわたる指導を行い英語教師経験を積む。また、ホテル勤務での実践英語経験を積んだり、カナダにて現地の子どもたちの英語教育にも携わりながら、CertTEYL(世界での児童英語講師認定コース)の認定を受ける。さらに、青山学院大学でTutoringの研究員としても活動。英語講師養成のeラーニングコースの日本での立ち上げメンバーとなる。「現場での経験を教材に活かしたい!」と、現在は英語教材開発会社にて日々教材開発に勤しむ。高校入試用のリスニングトレーニング教材(塾・学校向け)は累計10万部以上のベストセラーとなる。英語教材開発の傍ら、全国の英語教師への研修なども行う。また、土堂小学校(広島県尾道市)での英語指導や、初の民間校長として一躍時の人となった藤原校長(当時:杉並区立和田中学校)が手掛けた英語コースの指導に2年間携わるなど、英語教育に関する多様な分野で活躍。大の犬好きから、ホリスティックケア・カウンセラーなどペット関連の様々な資格を取得し、ペットライターとしても活動中。