“Excuse me. Excuse me!!”
ある日、ハンバーガーレストランでランチをした後、車に乗ろうとしたところで
大きな声が聞こえたのです。
「え、何だ?」
と振り返ると、そこにはさっきまでサーブしてくれていた店員さん(男性)が、息を切らしながら走ってくるではありませんか!
“Excuse me! Excuse me! (wheee, wheee…) ”
(すみません!すみません!(ハァハァ…))
そのレストランは、ファストフードのような感じはなくカジュアルさもありながら、ちゃんとしたレストラン。
家からほんの数分のところにあったので、よく利用していました。
美味しくて、ボリュームたっぷり。
そして店員さんたちはみんなフレンドリー。
とっても居心地の良いレストラン。
だからチップもはずんでしまうのです。
先日、Saraさんが(受け取る側から見るチップ($$))で書かれていたように、アメリカの飲食店で働くスタッフにとってチップはとても重要なもの。
チップ次第で稼ぎが決まるといっても過言ではありません。
だから、テーブル担当になった店員さんは、お客さんに喜んで食べてもらおうと一生懸命。
注文をとって食事をサーブした後も、必ず絶妙なタイミングで
“ Is everything okay? If you need anything, please let me know.”
(食事はすべて大丈夫?もし何かあったら言ってね。)
と言ってきます。
日本の「以上でご注文の品はお揃いでしょうか。」とは全然違うのです。
その理由、それはチップをいただくため。
だから客も、日本での飲食店のようにその辺にいるスタッフさんに
「すみません、水くださーい!」
なんて声をかけてはダメなのです。
そのテーブルの担当者はオーダーを取ってくれるその人なのです。
だから最初に自己紹介もするし、食事の進み具合も気にかけてくれるのです。
担当ではない人に声をかけてしまったら、
「あ、違うよ!」
なんて言われることもあるのです。
それだけ「お客様にどれだけ満足してもらえるか」を考えて自分の仕事に従事している彼ら。
たいていは素晴らしい笑顔で、フレンドリーに接してくれます。
中には「ムスッ」として少々怖いような人もいますし、「なんだかなぁ」と思うような人もいます。
そんな時はテーブルに「1セント」だけおいて怒って立ち去りますが、自分はまだ1回くらいしかしたことがありません。
だって、本当にみなさんフレンドリーなんですもの。
そんなアメリカでのdine out(外食)が大好きなCozyは、あの日、やっちまったのです!
そう、追いかけてきた男性の店員さんに。
“Excuse me! Excuse me! (wheee, wheee…) .
Did I do anything wrong with you? (whoop, whoop…)”
(すみません!すみません!(ハァハァ…)。私、何かしましたか?(ゼェゼェ…))
「え?どういうこと?」
そう思っていると、
「チ、チップがなかったから…(ゼェゼェ)。」
「あ!忘れてた!ごめんなさい。話に夢中で忘れてたみたい。」
そういうと、店員さんは胸に当てた手をお腹に降ろし、
“Phew.”
と、ほっぺを膨らませながら、大きく安堵の息を吐いたのです。
それは今にも駐車場に座り込みそうな感じでした。
私も何度も謝っていると、
「本当に自分が何か失礼をしたのかと思いましたよ。でも違ったようでよかったです。」
と最高の笑顔でチップを受け取り、
車で出ていく私に
“Bye Bye! See you!”
と、これまた最高の笑顔でと手を振ってくれました。
いやぁ、うっかりとは言え悪いことをしてしまいました。
でもそれだけチップが大切だということもよくわかった経験でした。
日本でもチップの習慣がつくと、感じの悪い店員さんはやる気がでるようになるの…かも!?
な~んてことを想像してしまった秋の終わりの午後でした。
英語教材開発・制作者
米国留学から帰国後、幼児・児童英語教師を経て、中学・高校英語、受験英語、時事英語等多岐にわたる指導を行い英語教師経験を積む。また、ホテル勤務での実践英語経験を積んだり、カナダにて現地の子どもたちの英語教育にも携わりながら、CertTEYL(世界での児童英語講師認定コース)の認定を受ける。さらに、青山学院大学でTutoringの研究員としても活動。英語講師養成のeラーニングコースの日本での立ち上げメンバーとなる。「現場での経験を教材に活かしたい!」と、現在は英語教材開発会社にて日々教材開発に勤しむ。高校入試用のリスニングトレーニング教材(塾・学校向け)は累計10万部以上のベストセラーとなる。英語教材開発の傍ら、全国の英語教師への研修なども行う。また、土堂小学校(広島県尾道市)での英語指導や、初の民間校長として一躍時の人となった藤原校長(当時:杉並区立和田中学校)が手掛けた英語コースの指導に2年間携わるなど、英語教育に関する多様な分野で活躍。大の犬好きから、ホリスティックケア・カウンセラーなどペット関連の様々な資格を取得し、ペットライターとしても活動中。