アメリカ人社会で生活をしていたときの失敗を思い出すと、昔のことでも顔が赤くなることがあります。
特に仕事がうまくいかなかったということではなく、友人との会話が微妙に嚙み合わなかったときのことなどを、夢に見たりします。
母国語以外で生活したり働いたりした経験のある人は、英語に限らず、そういった赤っ恥の経験を、夢で見たりする人は多いです。
英語を学習する中で、この英語のフレーズには別の意味があったことを見つけると、タイムマシーンで、その会話の現場に戻った感覚で、「そうだったんだ!」と納得する経験があります。
Swatchは、“Do you want to help me?”とアメリカ人の友人にいわれたときに、とんでもない反応をして、赤っ恥をかいたことがあります。
<want to は、~したいじゃない>
今でも思い出すと、「いや、そういう意味で言ったんじゃない!」と言い訳したくなる出来事です。
アメリカ人のカウンターパートと、日米のイベントの企画を立てる話をしているときに言われたフレーズです。
“Do you want to help me?”
と聞かれたのでした。
咄嗟に、「私を手伝いたいと、望んでいますか」と、日本語が浮かびました。
「私の手伝いたい気持ち」を聞くなんて変な感じだと思いつつ、仕事仲間だからそういう言い方もあるのだろうなと考え、少し皮肉を込めて即答しました。
“No, I don’t want to, but I should do?”
(やりたいとは思わないけど、やるべきだろうね)
友人の顔が真っ赤になり、
“I asked , you wanna help me!”
声を荒げたのでした。
え?何か悪いことをいった?という感じで、言われたことを考えてみると、
(私を助けたいかどうか、頼んでいるんだけど)という感じで理解しました。
私も、友人がそんな反応をすることに対して、疑問があったので、二人の会話について話してみて、
want to=したいという意味ではなく、カジュアルに人に頼みごとをする表現であることが分かったのです。
“Do you want to help me?”と仲間が言ったフレーズは、
「少し手伝ってくれないかな」という依頼だったのです。
「お前は私の仕事を手伝いたいと強く思っている」だろという意味ではなく、ストレートに
「手伝ってくれ」と頼んでいることが理解できたのです。
思い返してみれば、want toを使った表現で、私がそんなことは考えていないのに、私に「やりたいだろう?」と言われたことをたくさん思い出しました。
つまり、Swatchは、そういった「頼みごとに」に対して、あまり良い反応はしてこなかったことが、走馬灯のように思い出され、「やっちまった!」と赤面したのです。
<want toを使った3つの会話パターン>
それでは、I wanna=I want toを使った3つの会話パターンを説明しましょう。
(1)相手に何かをカジュアルにお願い・依頼するパターン
(2)相手に何かを提案するパターン
(3)自分がすすんでやりたいと提案するパターン
(1)相手に何かをカジュアルにお願い・依頼するパターン
want to=なにかしてくれませんかという意味で使います。
基本的なパターンは、依頼するフレーズですので、疑問形にします。
“Do you want to open the door?”
(その扉をあけてくれませんか)
(あなたはその扉を開けたいと思いますか)ではありません。
~してくださいと相手にカジュアルに頼んでいるだけなのです。
この表現のパターンを覚えると非常に便利です。今まで、日本人が使っていることを聞いたことがありません。一気にネイティヴレベルの英語表現ができます。親密感が伝わります。
Swatchも、前述した会話体験で思ったのですが、want toの表現を会話で相手が使ったということは、相手がかなり私に親密感を感じていてくれたということです。
相手の親近感に対して、そっけない返答をしてしまった自分を思うと、再び赤面です。
そういったやり取りで、さらに友人との仲が深まったという実感はありました。
是非使ってみてください!
(2)相手に何かを提案するパターン
2つ目の会話パターンは、何かを提案するときのパターンです。友人同士ですと、外出をしたり、食事に言ったりといった行動が考えられますね。
食事に相手を誘うときに、Do you want toを使ってみましょう。
“Do you want to go to the restaurant in Ginza? ”
(銀座のあのレストランいかない)
「あなたは銀座のあのレストランに行きたいと思いますか」ではありません。
相手に、いきつけの銀座のレストラン(the restaurant in Ginza)に行かないかと提案しているのです。
(3)自分がすすんでやりたいと提案するパターン
3つ目の会話パターンは、非常に役に立つパターンです。
自分から進んで、相手に対して何かを手助けしたり、支援したりすることを提案するパターンです。
言ってみれば、日本人のお節介好きを表現できる、とっておきの表現になります。
“Do you want me to~?”
を使います。
「私が~しましょうか」という意味になります。便利そうですね。
“Do you want me carry your suit case?”
(スーツケースをもちましょうか)
カジュアルに親近感を持って、相手に自分のしたいこと(支援、手助け)を伝えることができます。気軽に、こういった表現がしてみたいですよね。
<相手の好意に素直に応じて関係を深める>
want toを使った表現は、カジュアルであり、親近感をもって表現することができます。会話する相手もあなたのことを、好意的に受け止めてくれます。
英語で、フォーマルに依頼、提案をする場合は、Would you ? やCould you?で表現することができます。
“Would you open the door?”
(その扉を開けていただけませんか)
といったフォーマルで丁寧な表現で頼むことができます。
want toの場合は、カジュアルで親近感を表現できるので、相手にとっても非常に好意的に取られます。その良い雰囲気を壊さないように、応える場合は、感情をこめた言葉を選びましょう。
“Sure!”(もちろんです!)
“Thanks a lot!”(どうもありがとう!)
“I love to go!” (ぜひ行きたいわ)
あなたは、今までwant toを「~したい」という意味だけで使ってきたかもしれません。
今回紹介した3つの会話パターンと意味を理解すれば、いろいろな状況で「カジュアルに、親密に」相手に依頼したり、提案したりすることができます。
3つの会話パターンを使いこなして、さらに良い人間関係を築いてください。
執筆家・英語教育・生涯教育実践者
大学から防衛庁・自衛隊に入隊。10年間のサバイバル訓練から人間の生について考え、平和的な生き方を模索し離職を決断する。時を同じくして米国国費留学候補者に選考され、留学を決意。米国陸軍大学機関留学後、平和を構築するのは、戦いを挑むことではなく、平和を希求することから始まると考えなおす。多くの人との交流から、「学習することによって人は成長し、新たなことにチャレンジする機会を与えられること」を実感する。
「人生に失敗はなく、すべてのことには意味があり導かれていく」を信念として、執筆活動を継続している。防衛省関連紙の英会話連載は、1994年1月から掲載を開始し、タモリのトリビアの泉に取り上げられ話題となる。月刊誌には英会話及び米軍情報を掲載し、今年で35年になる。学びによる成長を信念として、生涯学習を実践し、在隊中に放送大学大学院入学し、「防衛省・自衛隊の援護支援態勢についてー米・英・独・仏・韓国陸軍との比較―」で修士号を取得、優秀論文として認められ、それが縁で定年退官後、大規模大学本部キャリアセンターに再就職する。
修士論文で提案した教育の多様化と個人の尊重との考えから、選抜された学生に対してのキャリア教育、アカデミック・アドバイジングを通じて、キャリアセンターに新機軸の支援態勢を作り上げ、国家公務員総合職・地方上級職、公立学校教員合格率を引き上げ高く評価される。特に学生の個性を尊重した親身のアドバイスには、学部からの要求が高く、就職セミナーの講師、英語指導力を活かした公務員志望者TOEIC セミナーなどの講師を務めるなど、大学職員の域にとどまらぬ行動力と企画力で学生支援と教員と職員の協働に新たな方向性をしめした。
生涯教育の実践者として、2020年3月まで東京大学大学院教育研究科大学経営・政策コース博士課程後期に通学し、最年長学生として就学した。博士論文「米軍大学における高等教育制度について」(仮題)を鋭意執筆中である。
ワインをこよなく愛し、コレクターでもある。無農薬・有機栽培・天日干し玄米を中心に、アワ、ヒエ、キビ、黒米、ハト麦、そばを配合した玄米食を中心にした健康管理により、痛風及び高脂質血症を克服し、さらに米軍式のフィットネストレーニング(米陸軍のフィットネストレーナの有資格者)で筋力と体形を維持している。趣味はクラッシック音楽及びバレエ鑑賞。
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