Hi! Jiroです。
今から50年前、アメリカに留学中、初めて小切手を使ったときのこと。
当時は安全上、最小限の現金のみ持ち歩くことにしていたので、やや大きい買い物の際は、銀行のcheck(小切手)を使うようにしていました。
冬支度ということもあり、近くにある大きなスーパーへ買い物に。ウィスコンシン州の冬は1月になるとマイナス40℃にもなり、店内の一角には、皮のブーツがずら~り。
帽子と手袋も、-40℃に耐えられそうなのを選び手押しカートに。
レジ係は中年の褐色の肌の女性。
レジ計算 ➾ 小切手サイン ➾ パスポート呈示 という一連の流れ。
(小切手なんてどうってことないな~)と思いつつ
Thank you, ma’am(マム)
と一言。
その途端
(えっ!)と女性の表情がさっと曇る。
店内が静まり返る。
あちこちでニヤニヤしだすんです。
え、何かやらかした?、まさか”Thank you, ma’am”??と狐につままれたような気分で店を後に。
それ以降、”Thank you, ma’am”については気になっていました。
<sirとma’amの差>
ma’am(マム)は女性への敬称。男性への敬称はsir(サー)。
キャンバスで、
Thank you, sir.
なんて言われ、(割と使うんだ)と感じてた矢先で、男女平等のアメリカだし、sirもma’amも同じようなものかな、と思ってたのが大元。
実は、ma’amはずっと堅苦しく、召使などが使うならピッタリだったみたいなんです。
超高級ホテルや王宮ならともかく、買い物をしたのはごく普通の気楽な雰囲気の店。
Thank you, ma’am.
は「有難うござります、奥方様」みたいに聞こえたのかも。
もしくは、場違い以上で、皮肉のように、小バカにしたと取られたのかも。
だから女性の表情は曇り、周りの人はニヤニヤしていたのかも、と後から何度も思い返しました。
<言いたい事は素直に>
当時、小切手を初めて使う外国人の私。普通に応対してくれた店員。さりげない交流だが、生きてる人間としての言葉を言いたかった…って、大袈裟すぎかもしれませんが、要するに普通の英会話したかっただけなんです。
思い返すと、もっと事実を素直に言えばずっと良かったかも。
例えば
I used check for the first time. Thank you for your help!
(初めて小切手使いました。おかげさまで!)
あるいは
That’s my first check. You’re lucky!
(それ私が初めて切った小切手。もらったあなたは、ついてマス☆)
これ、笑顔で言えばジョークになったかも。
いずれにせよ、言語的ドジも、海外での醍醐味と言えば醍醐味。
こんなエピソードが、これから海外に行かれる方の何かの役に立てば幸いです。
See you soon!
Jiro
追伸:
キャンパスで聞いたThank you, sir。実は私が嫌みかバカにされたのかも…という可能性に気づきました(汗)
言われっ放しが嫌なら、 You’re welcome, SIR.(sirを少し強めに)なら簡単に言い返せそう。ただ君子危うきに近寄らず。とにかく安全第一かも…
私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員