Hi!
火曜のJiroです。
突然ですがクイズです。
次の2つはどちらが正しい英文でしょうか?
① The boy is swimming.
② The boy swimming.
・
・
・
「そんなの簡単、①に決まってる!」
そう思われたあなた、その通り。
でも、実はこの「簡単な問題」に、多くの日本人が引っかかる瞬間があるんです。
それも、英語の学び始めではなく、**「少し慣れてきた頃」**に。
「え、そんなところで?」と思いますよね。
中高で英語教師をしていた頃、この現象に何度も出会いました。
最初は正解できてた生徒が、ある時期を境に突然②を選ぶようになる——。
なぜでしょうか?
その2つの原因を探ると、私たちが英語を学ぶ上での「思わぬ落とし穴」が見えてきます。
【第1の理由:不思議な「逆転現象」】
最初はできたのに、後でできなくなる謎
現在進行形を習ったばかりの頃、ほとんどの生徒が①と正しく答えます。
ところが数ヶ月後、特に**「分詞の後置修飾」**を習った後②と答える生徒が急増します。
混乱のきっかけ:後置修飾との出会い
生徒たちはこんな文を習います:
・The boy swimming in the pool is John.
(プールで泳いでいる少年はジョンです)
・The boy sitting on the bench is Ken.
(ベンチに座っている少年はケンです)
これは「分詞の後置修飾」と呼ばれる形で、
現在分詞が名詞を後ろから説明しています。
ここで、生徒の頭の中ではこんな声が聞こえてきます。
「あれ? swimming だけでも『泳いでいる』って意味だよな…」
「じゃあ is って、いらないかも?」
この瞬間、
②のような英文が生まれやすくなります。
つまりこれは、理解が浅いからではなく、
むしろ“真面目に学んだ結果”起こる混乱なのです。
【第2の理由:イメージが見えていない】
現在形と進行形、説明できますか?
もう一つの原因は、文の意味を「イメージ」で捉えていないことです。
質問です。
次の2つの文、あなたは違いを説明できますか?
・He swims.
・He is swimming.
どちらも「彼は泳ぐ」と訳せそうですが、実は大きく違いますよね。
現在形 = 習慣・反復
He swims. は、
「彼は(習慣的に)泳ぐ」という意味です。
・He swims every day in summer.
(彼は夏には毎日泳ぐ)
進行形 = まさに今、この瞬間
一方、He is swimming. は、
「まさに今、泳いでいる最中」という意味です。
・He is swimming in the pool right now.
(彼は今まさにプールで泳いでいる)
図で見ると、
「いつものこと」と「今していること」の違いが、
感覚的に掴めるのではないでしょうか。
訳だけに頼る危険性
日本語訳だけで理解しようとすると:
・He swims. → 「彼は泳ぐ」
・He is swimming. → 「彼は泳いでいる」
「ている」が付くかどうか、
それくらいの違いに見えてしまいます。
すると、
動作の“時間のイメージ”が頭に残らなくなってしまうのです。
【解決策:大人の学び直しにも効く方法】
では、どうしたらよいのか、
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◯ステップ1:訳さず、イメージで捉える
文を見たら、
すぐに日本語に訳そうとするのではなく、
**「どんな場面か」「いつの話か」**を感じてみましょう。
例 :
Mike is swimming in the pool now.
→ マイクが今まさにプールで泳いでいる姿を想像
→ is swimming が「この瞬間」を表していることを感じる
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◯ステップ2:体で覚える(丸暗記)
少し意外かもしれませんが、
簡単な文を体で覚えることは、とても効果的です。
場面をイメージしながら、
短い文を何度も声に出して言う。
例 :
Mike is swimming in the pool now.
こうしているうちに、
be動詞+〜ing という形が、
理屈ではなく感覚として身についてきます。
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◯ステップ3:大人は「理屈 ➕ イメージ」の両輪で
大人の学習者の強みは、
「なぜそうなるのか」も理解できることです。
・文法の理由を知る
・イメージで感覚的に掴む
この両方を組み合わせると、学習効果倍増です。
The boy swimming という間違いは、決して「英語ができない」証拠ではありません。
それは、日本語と英語の構造が根本的に違うことの表れです。
・日本語 → 動詞を文末に置く
・英語 → 述語動詞をセットで組み立てる
この違いを知れば、つまずくのは自然なことだと分かります。
あなたが何歳でも、
簡単な文を何度も口にして、体で覚える。
これは最も効果的な学習方法です。
英語学習に、遅すぎることはありません。
Happy learning English!
See you again,
Jiro
※【補足】
◯動詞をセットで組む英語
日本語は、英語のbe動詞にあたる言葉を省略できる言語です。
特に話し言葉では、文末に短い動詞形をちょこんと付けるだけの時も。
「これはペンです」→「これ、ペン」
「彼は泳いでいます」→「彼、泳いでる」
「彼女は学生です」→「彼女、学生」
対照的に、英語は述語動詞をセットで組み立てる言語。
進行形: be動詞 + 〜ing形
完了形: have + 過去分詞
例:
They have built the new bridge.
(彼らは新しい橋を建てた)
日本語は「建てた」という3文字で済むのに、英語は have built という2語の単語セットが必要です。

日本語では動詞を「ポンと置く」感覚で済むため、英語でも無意識に:
❌ The boy swimming.
とポンと置いてしまう。
大切なのは**「述語動詞をセットで組み立てる」**感覚です。
私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員









