今日は、調理で使う英語についてお話したいと思います。
クッキングの時に、「火を通す」をアメリカの日常生活で使うとなると、日本だと「火を通す」の一言で通じそうなものですが、英語にははてさて、いろいろな単語があるんです。私も最初は使い分けできず、困りました。
言葉について、普段なら、日本語の方がなにかにつけて繊細な気がしますが、調理に関しては、なぜこんなにも英単語がたくさんあるのか、不思議です。私が知っているだけですが、ご紹介しますね。
ではまずは、
=Grill(グリル)=
直火で、「下」から熱を加えて調理する。通常、グリル(焼き網)の焼き目がつきます。パンケーキも、グリルを使います。
[例]バーベキュー
=Broil (ブロイル)=
直火ではなく、オーブンの熱源を使って、「上」から熱を加えて調理する。
[例]ステーキ、焼き魚
お肉屋さんの店先で、いい感じに焼きあがっている鶏の丸焼きをよく見かけますが、この鳥の丸焼きを、チキン・ブロイラーと呼びます。
ニューヨークのアパートには、よくこんな感じのガスのブロイラーが、付いています。私は、これでよくお魚を焼きます。
=Bake(ベイク)=
もともと、下から熱せられる金属板などの上に、調理すべきものを載せ、伝導熱を利用して「焼く」という意味だそうで、近年ではオーブンの熱源を使って、熱風で長時間かけて料理します。乾燥した熱気を利用し、焼き固める。
[例]クッキーなど焼き菓子、パン
アメリカの家庭には、一般にガスなどのオーブンが常備されています。使うときにはまず余熱が必要で、15分ほど前から、オーブンを温めておきます。
=Roast (ロースト)=
炙る。
もともとは、串に刺した肉を火の前に長時間おいて、輻射熱を利用してあぶるという意味ですが、最近ではオーブンを使い、遠方からの熱風で、じっくり蒸し焼きで調理することも言うようです。
[例]ロースト・ビーフ、ロースト・ポーク
=Toast (トースト)=
きつね色に、カリッと焦げ目をつけて、焼く。
[例]食パンのトースト
=Pan fry (パンフライ)=
フライパンで炒めること。
[例]チャーハン
アメリカでは、チャーハンのことを「フライド・ライス」と呼びます。チャーハンと呼んでも、通じません(笑)
=Deep fry(ディープ・フライ)=
油で揚げること。
[例]チキン・ウィング、日本で言う手羽先の唐揚げです。アメリカでは超人気メニューで、素揚げして、バーベキュー・ソースなどを絡めてサーブすることが多いです。
=Simmer (シマー)=
=Stew(シチュー)=
=Steam(スチーム)=
蒸す 。
[例] スチーム・ベジタブル
そして、
=boil (ボイル)=
いかがでしょう?
なんだか色々あってややこしいですよね。使っているうちに慣れてくるようですが、英語のレシピブックを見ていて、最初はよくわかりませんでした(笑)。
でもだんだんと、いろいろ失敗を繰り返したりしながら、わかってきたので、やはり、習うより慣れろ、ということかもしれませんね。
P.S.
少しずつ初夏っぽくなってきたニューヨーク、と思ったら、また今週からすっかり涼しくなってしまいました、春に逆戻りです。
まさに、季節の変わり目ですね。皆様も、どうぞ体調にお気をつけて、お過ごしください。フォトは、昨日のお散歩、セントラル・パークにて。
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。