3年ぶりの日本で、久しぶりに日本のタクシーに乗りました。
以前私が日本に住んでいた頃には、ほとんどご縁のなかった日本のタクシー。この意味は、いつもちゃんと終電に間に合っていたから・・・ではなく、当時私は、タクシーに乗れるようなお金は持ってなかったの(笑)
さて、日本のタクシーで、改めて凄いな、と思ったのは、自動ドアであること、そして、ドライバーさん達がほんとに礼儀正しく、制服を着て、自動ドアをシャキッ!と開けて、きちっと私を目的地まで送り届けてくださる事!
ニューヨークのイエローキャブは、もちろん普通の車ですから、乗客が自分でドアを開け閉めします。以前、日本にしばらくいて、ニューヨークに戻ってきた時、ついつい、タクシーを降りた後、ドアを閉めずに車から離れたら、運転手さんに怒鳴られたことがありました(笑)日本にしばらくいると、客席のドアは自動で閉まるもの!と思い込んでいたから。
ニューヨークのタクシー
そんなニューヨークのタクシー。少し前のお話にはなりますが、ドライバーさん達は、思いっきり、アロハとかヨレT(よれたTシャツ)とかの私服。バングラディッシュやイスラエルからなどの移民が多く、片言の英語だったりもします。まぁマンハッタン内は、京都のように碁盤の目になっていて、縦(南北)の道がアベニュー、横(東西)の道がストリートで呼ばれいて、分かりやすいので、自動車免許さえ持っていれば、仕事は得易かったのでしょう。
日本は運転のプロフェッショナル
日本のタクシーは、ニューヨークのイエローキャブとは全く違うと思いました。その場しのぎのアルバイト的感覚の仕事ではなくて、ほんと運転のプロフェッショナル!、というのがちゃんとわかります。
だから、乗っていてとても気持ちが良かった。そして、真っ白なシートカバーが、印象的でした。ニューヨークだと、真っ白なシートカバーはあっという間に汚れてしまうでしょうから、あり得ません。
日本の道幅狭くて大変では?
今回、日本の道路について気になったことを、何人かの運転手さんに、お尋ねしてみました。
質問1:日本は、道が狭くて子供やお年寄りが多い中、運転するのは大変ではないか。
ニューヨークでは、道路が広く、車も大きいのに慣れていて、また歩行者は幅広く作られたサイドウォークを歩くのが普通、という感覚でした。なので、日本で、大きな道から、ちょっと裏へ入ると、曲りくねった細い道を、子供たちやお年寄りが歩く中、おまけにそこはバスも通ったりして、縫うように運転していくのは、ものすごい技のように見えました。
タクシーの運転手さん達によると、大きな道(国道)は、いつもトラックなどで渋滞しているので、裏道を通らざるを得ないのだとか。戦後の日本の復興があまりに早かったために、インフラ政策が間に合わなかったと言うことなのかなぁ、と改めて感じました。
歩道橋はどう思う?
質問2:歩道橋をどう思うか。
なぜこんな事が気になるかというと、まずアメリカには歩道橋は無いんです。6車線あるような道路でも、横断歩道だけです。そこで歩行者が渡りきれなくて、途中で車にはねられたりしても、その場所は、ずっと横断歩道です。
歩行者が階段を登らねばならない、という努力を強いられるのが、アメリカ人は好きでは無いようです。アメリカでは、子供が子供たちだけで道路を歩くと言う習慣がなかったり、また極端に腰が曲がったおばあさんと言うのもなかなか見られない、というのもあるかもしれませんね。
そんな中で生活しているからか、今回タクシーに乗っていて気になったのは、日本の歩道橋の多さ。
確かに、歩行者の事故は減るのかもしれないけれど、スーツケースなど重い荷物を持ったり、年配だったり、腰痛や膝痛があったり、乳母車の人たちにとっては、大変な難関ではないかと。
運転手さんのお話では、場所によっては、踏切のある場合等、歩道橋ではなく、歩行者用トンネルを掘って、スロープを作ったりして、歩行者の負担を減らそうとしたりしているところもあるようですが、トンネルだと、ホームレスが溜まったり、風紀上よろしくなかったりするらしいですね。
また別の運転手さんの話によると、香港では、歩道橋を作るときに、必ずエレベーターを設置しなきゃいけないそうですね。そうしてくれれば、年配だったり、腰痛や膝痛があったり、乳母車の人たちにとっては、どんなにか使いやすくなることでしょう。
日本ではお年寄りの人口がとても多くなってきていると聞いていたので、これから先、歩道橋のあり方は、人びとはどう思っているのかなぁ。
そんなことを思いながらタクシーに乗ってました。
タクシーのお話から、道路のお話になりましたが、今回お伝えしたかったのは、最初にお伝えした、日本のタクシーは凄い!素晴らしい!ということ。
ダイスキ、ニッポン!
ではまた来週♫
Kayo
P.S.
ニューヨークはだんだんと秋の気配が感じられます。10月ももう半ば、ハロウィンはすぐそこです。街はかぼちゃの飾り付けでだんだん楽しくなってきます。日本は、10月11日から外国人の入国規制が取れたそうで、やっと往復しやすくなってきましたね。ニューヨークも、早く以前の活気が戻ってくると良いなぁ。今回は、日本に、すっごくたくさんのエネルギーをもらって帰ってきました!ありがとう、ニッポン!
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。