世界遺産で、古代インカ帝国の遺跡マチュピチュや砂漠に描かれた巨大な絵、ナスカの地上絵。
いまだ謎の多い遺跡が残り、不思議な魅力をもつ南米 ペルー。一度は行ってみたいと思う人もいるでしょう。
でも、ちょっと待って。
魅惑の国 ペルーには危険も潜んでいるんです。
「腕時計は左手にするな!」と言われた、その理由とは?
<腕時計は左手にするな!>
「車に乗る時は、腕時計は左手につけたらいけないんだよ。」と言ったのは現地のガイドさん。
「え?なんで?」と聞くと
ガイドさん:「こっちは暑いから車の窓(左ハンドルなので左側の窓)開けてるでしょ。信号待ちで車を止めてたら、その間に車の窓の外から腕時計を盗られるんだよ。
だから運転する時は右手に時計をする。歩きでも指輪とか高級品はしない方がいいよ。盗られるから。」
私:「え?でも、すぐ抜けないし、そんなすぐ盗られないでしょ?」
ガイドさん:「荒い奴は手を切って行くからね」と手首を切るジェスチャー( ゚Д゚)
私:「………。それはウソでしょ~」
真意の程は分かりませんが、ガイドさんは本当だから気を付けてと真剣な表情。怖いので腕時計やアクセサリーは外して観光。
それが良かったのか、滞在中特に怖い目や危険な目にあう事はありませんでした。
<それって危ない薬では??>
ガイドブックなどでもそんなに取り上げられていませんが、私は治安以上に被害を受けやすいと思うのが、標高。
ペルーの観光の中心になるのは、インカ帝国の首都で文化の中心地でもあったクスコ。現在でも人口30万人の中規模都市。
アンデス山脈の中にあるこの町は、標高が3400m!富士山の9合目と同じくらいの所に街が作られているなんて!
18世紀までは首都のリマよりも発展していたといい、中心部には、スペイン植民地時代に建築された立派な教会や大聖堂、修道院などが今も残っています。
クスコの市街地は世界遺産にも登録されているくらい美しい街並みが残るところなのです。
こんなに標高の高い所に街を造るなんて、どれだけ大変だったでしょう。ですが、その標高の高さを忘れるくらい、街も立派だし、子供たちは中心の広場でサッカーをして走り回ったりといたって普通。
ただ、旅行者が同じようにふるまえるかというと、そうはいかない。
私はスイスの登山鉄道などでも、富士山と同じくらいの所にはよく行っていたので、標高が高い所も慣れていると思っていた。
標高が高い所での注意点は以下の通り
・ゆっくり歩く ・大声をあげない ・お酒はまわりが早いので少な目に ・山に行く前日はゆっくり休む
大体これを気を付けていれば大丈夫だった。…が、今回は標高の高い所で1泊する。滞在時間が長くなると、だんだん酸欠状態が進んでいくらしい。
夕方近くになると、頭がぼーっとしてフワフワした感覚になった。添乗員として行っていたのですが、お客様の中には頭痛や吐き気をもよおす人も。
すると、それを見た現地のガイドさんが取り出した物…。
何だと思いますか?
酸素ボンベ? 高山病の薬?
ではありません。
葉っぱでした。
「葉っぱ?何をするの?」と思っていると
おもむろにその葉っぱを口に入れ、くちゃくちゃと噛みだしました。そして、それを口から出すと、なんとそのまま具合の悪い人のおでこにペタっと貼ったのです!
(な、何した?!ペルーだし、何かのおまじない??)
具合の悪いお客様は嫌がる事もできずにされるがまま、おでこに葉っぱをつけてうなだれています。
ちょっと笑ってしまいそうなシュールな光景。
「あの葉っぱは何?」
と聞くと、驚きの答えが!
ガイドさん:「コカの葉っぱだよ。」
私:「コカ??」
ガイドさん:「そう。コカインの原料になってる葉っぱだよ(^^)」と笑顔。
私:「え~!!(‘Д’) コカインって、この葉っぱからできてるの?! それ、使って大丈夫なの?! 今、口に入れてたよね?」
ガイドさん:「葉っぱは薬なんだよ。噛んだ方がエキスが出て効くからね。ホテルにもコカ茶があるから、飲むといいよ。楽になるから。」
確かに薬と毒は紙一重。けれど、コカインの原料になっている物を飲んでもいいのだろうかとちょっと後ろめたい気分になる。
そうこうしているうちに、バスはホテルへ。
先ほどコカの葉っぱをおでこに付けられた方は、少し頭がすっきりしたとの事。コカの葉が効いたのか??
ガイドさんが言ってた通り、ホテルに入ると、ロビーにウォーターサーバーのような銀色のタンクが。コカ茶が入っているそうで、ホテルの人も「高山病がよくなるから、どんどん飲んだ方がいいですよ。」と勧める。
海外でフリードリンクを提供してくれる所はまずない。それだけ、必要な物だという事だろう。
ガイドさんに何度も「これ飲んでも大丈夫だよね?ドラッグじゃないよね?」と確認してから恐る恐るコカ茶をカップに入れて飲んでみる。
味は…
ハーブティーのような感じ。少しスッとする感じはあるものの特に強い味や香りがあるわけではない。普通に飲めるお茶。
酸欠でボーっとしてる中、コカ茶を飲むと何となくスッキリする感じ。食欲もなかったが、胃もスッキリして夕食も少しは食べられるようになる。
<寝ると死ぬ?!>
コカ茶で何とか持ちこたえていたものの、きつかったのが寝る時。
寝れば楽になると思い、早めにベッドに入ったものの…
息苦しくて寝れない‼((+_+))
眠ると呼吸が浅くなるためか、眠りかけると途中で苦しくなって目が覚めるのだ。
「寝てしまったら窒息死してしまうんじゃない?」と思えるほど苦しい。
何回か、眠りかけては苦しくなって目が覚めるというのを繰り返して、とうとう起き上がって対策を取ることにした。
同じコースに行った他の添乗員が、寝る時のアドバイスをレポートに書いていたのを思い出したのだ。
対策はこちら。
①身体にオイルを塗る:身体からでる水分にも酸素が含まれているため、オイルを塗って水分(酸素)が出るのを防ぐ
→ベビーオイルを持参して塗ってみたが、効果のほどは不明…。
②枕を高くして寝る:気道を確保して呼吸を楽にする
→外国の映画で出てくるように、クッションをたくさん置いて半ば座るような恰好で寝てみた。
すると、横になっている時より、ずっと呼吸が楽にできたのです‼この体勢のお陰で、窒息死することなく眠る事ができました。
私はそれ以来、日本でも気分が悪い時や、咳が出る時など苦しい時にもこの寝かたで寝るようにしています。眠るのが楽になりますよ。
ちょっと怖くなるような事ばかり案内してしまいましたが、怖いだけではもちろんありません。
霧がかかって神秘的なマチュピチュは、ジブリの世界を思い起こさせるような幻想的な場所。何か言い表せないパワーを感じました。
クスコからマチュピチュの観光に行くのですが、マチュピチュは山の頂上にあるように見えて、標高は2450m。それでも標高は高いのですが、クスコからだと1000m近くも低くなるので生き返ったように呼吸も楽になり、元気に観光できました。
また、動物園でしか見た事のないアルパカやリャマも、ペルーでは羊のように普通に放牧されています。そうかと思えば車の天井にたくさんの羊が縛られて移動してたり…。
ペルーのカラフルな民族衣装も、観光用に観光地で着ている物かと思いきや、普通にヒラヒラスカートの民族衣装を着て農作業をしている人たちがいるのです!帽子は地域ごとに形や高さが違い、伝統がありそうです。
日本はもちろん、ヨーロッパや北米、東南アジアでさえもなかなか見れない光景のオンパレードにカルチャーショックを受けるかもしれません。
不思議で魅力的な国、ペルー。
日本からだとアメリカとリマで乗り換えて、丸24時間位かかりました。が、日本にはない世界を見たい方、体験したい方にはお勧めの国です。
中学生時代から英語を話せるようになる事に憧れ、外国語短大へ進学。その後イギリスへ留学するも英語が話せず落ちこぼれの生徒に。英会話のトレーニング(カランメソッド)を受け英会話が上達。帰国後、夢だったツアーコンダクターになる。渡航国約35カ国 年間200日以上を海外で過ごす。その後オーストラリアにワーキングホリデーで渡り、オーストラリアにあるハミルトン島のリゾート会社に就職。その後日本に帰国し、京都のホテルやゲストハウスなどでの経験を経て、地元宮崎にUターン。現在は地元宮崎で、英会話教室及び、単位制、通信制の高校で英会話を教えている。
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