イギリスで新首相の座に就いたのは,「アジア人初」と言われたリシ・スナク元財務相。
両親はともにインド系で、東アフリカからイギリスに移り住んだそうです。スナク氏は、イギリスで生まれ育った「南アジア系」イギリス人初の首相となる。宗教はヒンドゥー教だ。
米国の名門スタンフォード大学で経営学修士(MBA)課程の学生の時に,妻となるアクシャタ・ムルティ女史と出会った。インドの大富豪の娘だそうだ。首相自身も英国で富豪である。
日本人の好きな話題には事欠かない首相となりそうだ。
就任演説もクリアーなブリティッシュ英語で,分かりやすかった。
就任演説のなかで,「プーチン大統領のウクライナ侵攻が,世界中でエネルギーとサプライチェーンを不安定にした。」というくだりに,著名なアメリカ人が「教養が高い」とコメントしていた。
どこら辺が,教養が高いのだろうか?説明を聞いてみて,イギリス英語って分かりやすいと感じた!
<イギリス英語って,割合,日本人に合ってるんじゃない?>
” Putin’s war in Ukraine has destabilized energy markets and supply chains the world over”
の”the world over”「世界中」は,通常アメリカ人だったら“around the world”を使うらしく,
”the world over”を使うと,「教養があり,壮大な感じに聞こえる」のだそうだ。
日本人だったら,「ん?世界中,,,,,,,? “around the world” は,直訳すれば「世界のあちらこちら,,,,,,,」だったら,the world over を直訳すれば,「世界中!」とピント来るはず。
イギリス英語は,実は日本人には分かりやすいのではないかと考えています。
私の英語の個人レッスンを受けにくる生徒さんは,最初は何も意識せずイギリス風の発音(イギリス・アクセント)で英語を話しています。日本人の発音はもともとイギリス風なのです。
アメリカン・アクセントで,Rの音をしっかりと発音している人はいません。
だから,一からRの発音の仕方を教え,アメリカン・アクセントを練習しなければならないのです。でも,ご本人はRの発音ができようができまいが,発音にはあまり興味がない!
英語が話せればいいのですから,正しいRの発音がど~のこ~のということは,あまり考えていないのです。Rの発音をうまく教えることができても,Rの発音ができるとは限らないのです。
ここは,本当に大事なところなのですが,学校や教師は,正しいアメリカンの発音を身に着けるためという理由を言えば,授業が成り立つのです。それは生徒が期待していることではないですね。
だったらもっと楽に,自然に発音できる方法を考えればいいことになります。
繰り返しますが,私のところへ英語を習いに来る人は,イギリス風の発音をするのです。Rの発音も,口の中で響くアメリカ英語のRではなく,「あ~」と音が消えてしまうような感じの発音です。
それで,イギリス英語は,十分通じるのです。であれば,イギリス英語は割合,日本人の発音に合っているのではないかと思う訳です。
<30%はイギリス英語を習いたい>
イギリス英語って,日本人にとって少し敷居が高い感じがします。気取っている感じですかね。
あなたはどう感じますか?
Swatchは,国の機関でイギリス情報の専門官でしたので,イギリス英語には思い入れがあります。イギリス大使館にも良く調整にでかけて,アメリカ英語を話すわけにもいかず,イギリス風の英語を話していました。
イギリス英語をどう感じるかと言えば,「なんと皮肉っぽい言語だ」(笑)と思う反面,「情報を正確に提供しやすい言語」だと感じています。それは植民地政策で磨かれてきたからです。
ハリーポッターを映画館で観た時は,感動しましたし,オードリ・ヘップバーン主演の「My fair Lady」を参考に,英語の教え方を取り入れたこともありました。
「007」シリーズで,ショーン・コネリーの少しセクシーなセリフを覚えたりしたこともあります。言ってみれば,イギリス英語は,その背景にある文化が魅力的でした。
ある語学学校のアンケートでは,アメリカ英語かイギリス英語のどちらをマスターしたいかを聞いたところ,70%はアメリカ英語と答え,30%はイギリス英語と答えたそうです。
30%もイギリス英語派がいるのは,驚きですが,その理由は,もっと驚きです。「きれいな英語が話したい」,「伝統的な英語が話したい」,「正統な英語を勉強したい」というイギリス英語の美しさや文化・伝統に興味がある回答が多数あったからです。
一方,アメリカ英語を選んだ理由に,「イギリス英語を知らないから」,「アメリカ英語に慣れているから」という回答が多数あったということです。
これって,勘違いだと思いませんか。英語を学習しようとしている人が,「アメリカ英語に慣れている」でしょうか?私のところに来る英語初心者のRの発音は,全員イギリス風です。(笑)
戦前,英語と言えば,イギリス英語だったことをご存知ですか。50年以上前に中学生だったSwatchも教室で,I was born in Tokyo「私は,東京で生まれました」を,「アイ・ウオズ・ボーン」
とイギリス風に習いました。アメリカでは,「アイ・ワズ・ボRン」ですね。
日本人の心の片隅に,イギリス英語は,「伝統的な,学問的な,きれいな英語」という感じが残っているのではないでしょうか。
<イギリス・アクセントは,NO.1 アメリカは第7位>
前回,お話した英語のアクセントの人気ランキングで,アメリカン・アクセントは第7位,ダントツの第1位はイギリス・アクセントでした。
世界中の人が選んだ,好きな英語のアクセントのランクではそうなっています。そして,第10位が,なんとインド・アクセントの英語でしたね。ジャパニーズ・アクセントは,11位でした。
冒頭で引用したイギリスの首相は,インド人のアクセントはありませんが,ヒンドゥー教を信じています。それを基に推測すれば,宗教に関しては,ヒンドゥー語も話せるかもしれません。
ヒンドゥー語のアクセントではなく,綺麗な標準英語(RP:Received Pronunciation)を話す首相を見て,私たち日本人も同じように綺麗なイギリス・アクセントが話せると思うかもしれません。
アクセントの順位で言えば,イギリス・アクセントは,一番人気です。イギリスの首相が,マスコミに出れば出るほど,イギリスの英語が注目されると,Swatchは考えています。
<世界はイギリス英語が主流>
You Tubeの動画で,ロシアのプーチン大統領が英語で話している動画を見ました。イギリス英語でした。非常に滑らかな発音で,流れるように英語を話していました。
一つ特徴があって,「多様性」についての発言で,”diversity”を「ダイヴァーシティー」とアメリカ英語の発音をしています。イギリス英語なら,ダイとはならず,「ディヴァ―シティ」になります。
プーチン氏の英語は,ブリティシュ・アクセントですが,政治家として,アメリカ人に分かるように,「ダイヴァーシティー」をあえて使っているという特徴があります。政治的な配慮です。
一方,ウクライナのゼレンスキー大統領は,やはりブリティシュでした。以前書きましたが,欧州やイギリスの英連邦(コモンウエルス)の国々は,イギリス英語を使っています。
世界では,イギリス英語が主流なのです。そういった事実が流れていくと,日本人の間でも,イギリス英語の人気が一気に跳ね上がる可能性があります。
アメリカ英語でRの発音を懸命に練習するより,日本人が簡単に発音できるイギリス式の方が楽です。その事実が分かれば,難しい発音練習から解放されるかもしれません。
大切なのは,英語を使ってコミュニケーションすることですからね。
英語の習得には,やはりモティベーションがないと挫折してしまします。
語学学校の教師も,生徒のモティベーションをいかに高めるか,維持させるかに気を使っています。
「イギリス英語ってかっこいい!」という感覚は,そのまま英語学習のものすごく大きなモティベーションになります。Swatchは,イギリス首相の英語が非常に好きです。
彼の話し方をまねて,イギリスの上流社会の英語をきどって話してみるのも,面白いと思っています。あなたも,「かっこいい・セクシーな」イギリス英語に挑戦してみませんか。
執筆家・英語教育・生涯教育実践者
大学から防衛庁・自衛隊に入隊。10年間のサバイバル訓練から人間の生について考え、平和的な生き方を模索し離職を決断する。時を同じくして米国国費留学候補者に選考され、留学を決意。米国陸軍大学機関留学後、平和を構築するのは、戦いを挑むことではなく、平和を希求することから始まると考えなおす。多くの人との交流から、「学習することによって人は成長し、新たなことにチャレンジする機会を与えられること」を実感する。
「人生に失敗はなく、すべてのことには意味があり導かれていく」を信念として、執筆活動を継続している。防衛省関連紙の英会話連載は、1994年1月から掲載を開始し、タモリのトリビアの泉に取り上げられ話題となる。月刊誌には英会話及び米軍情報を掲載し、今年で35年になる。学びによる成長を信念として、生涯学習を実践し、在隊中に放送大学大学院入学し、「防衛省・自衛隊の援護支援態勢についてー米・英・独・仏・韓国陸軍との比較―」で修士号を取得、優秀論文として認められ、それが縁で定年退官後、大規模大学本部キャリアセンターに再就職する。
修士論文で提案した教育の多様化と個人の尊重との考えから、選抜された学生に対してのキャリア教育、アカデミック・アドバイジングを通じて、キャリアセンターに新機軸の支援態勢を作り上げ、国家公務員総合職・地方上級職、公立学校教員合格率を引き上げ高く評価される。特に学生の個性を尊重した親身のアドバイスには、学部からの要求が高く、就職セミナーの講師、英語指導力を活かした公務員志望者TOEIC セミナーなどの講師を務めるなど、大学職員の域にとどまらぬ行動力と企画力で学生支援と教員と職員の協働に新たな方向性をしめした。
生涯教育の実践者として、2020年3月まで東京大学大学院教育研究科大学経営・政策コース博士課程後期に通学し、最年長学生として就学した。博士論文「米軍大学における高等教育制度について」(仮題)を鋭意執筆中である。
ワインをこよなく愛し、コレクターでもある。無農薬・有機栽培・天日干し玄米を中心に、アワ、ヒエ、キビ、黒米、ハト麦、そばを配合した玄米食を中心にした健康管理により、痛風及び高脂質血症を克服し、さらに米軍式のフィットネストレーニング(米陸軍のフィットネストレーナの有資格者)で筋力と体形を維持している。趣味はクラッシック音楽及びバレエ鑑賞。
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