スマホを台所で落としたんです。
あっと思う間もなく、シンクへばちゃん。
非常事態になると出来事がスローモーションになるそうですが、水中を(1秒かそこらなのに)ゆらり揺れながら、スマホがゆっくりと沈んでいくのが確かに見えました。
パニックにならず、さっと拾い上げられたのは、知覚を遅くして行動をスピードアップする本能?に助けられたのでしょうか。
後は振ったり、拭ったり。腕が攣りそうになりましたw
幸い電源は入りました。
大げさに言えばこんな人生の瀬戸際でも、水に浸かるのはsubmerge…
語源は、と気になったのには我ながら呆れます。
今回は、submerge, emerge, merge, immersion等を
<沈んでばかりいられない>
さて単語DNAはMEZGO[メズゴ]で「浸す、浸ける、水没する/させる」という意味です。後半の綴りや発音が今では変化しているようです。
MEZGO[メズゴ] → sub(下に) + merge (v.) → submerge 「サブマージ」水に浸す。浸ける、水没する」
繰り返しますが、後半の綴りと発音が変化していますね。
That treasure was submerged for 400 years off the coast.
(その宝物は400年間沖合に沈んでいた)
MEZGO→sub(下に)+ →submerge (サブマージ) 水に浸す/浸ける、水没する
ex(外へ)+(MEZGO→)merge→emerge(イマージ) 出現する、現れる。
これイメージ(英語では image「イミッジ」)とは別物。念の為。またex-のxも消えていますね。
名詞 emergency 緊急事態
形容詞 emergent 緊急の
どちらも「(沈んでたものが)外に現れ出てくる」が元の意味なんですね。急な出来事がどこからともなく出現する感じでしょうか。
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emergencyと言えば、あなたは「ER」って何のことかピンときますか?
これはNHKで放送した洋物TVドラマ。
「ジュラシック・パーク」のマイケル・クライトンと、スティーブン・スピルバーグの共同制作で大ヒット作。
シカゴの総合病院を舞台に、医療現場の救急医療や人間関係を描き10 年間続いたそうです。エミー賞23部門、通算124ノミネート。よく聞くゴールデン・グローブ賞等も受賞したらしいです。
ERはemergency roomの略でしょうね。
ex(外へ)+(MEZGO→)merge→emerge(イマージ) 出現する、現れる
さてDNAのMEZGOに戻ります。
in(中へ) + (MEZGO→ merge) → immersion(イマ―ジョン)「中に浸すこと」
MEZGOが結局 -sionの語尾に変化していますね。
Having Snatched my cell phone out of the water,I found myself immersed in sweat.
(水中からスマホをさっと取りだすと、自分が汗でぐっしょりなのが分かった。)
英語で数学等他教科を教える授業をイマージョンクラスと呼ぶこともあるみたい。英語の中に生徒がどっぷり浸かっているイメージでしょうか。
in(中へ) + (MEZGO → merge) → immersion「イマ―ジョン」「中に浸すこと」
MEZGO → merge「マージ」 一つになる、合流・合併・結婚する
「マージンが発生する」とかのmargin「縁(ヘリ、ふち、余白)」は全く別。念の為。
The two companies merged last year.
(二つの会社が昨年合併した。)
40年以上前、米国の道路で「Merge」という標識を見ました。
どういう意味なのか、あなたは何か想像つきますか?水とは関係ありません。
「合流注意」の標識です。ただ命令文なので「合流しろ!」が文字通りの意味。何だかあなたは違和感がありませんか?私は見た時「あれっ?」と思いました。
だって前方が合流の状況で、わざわざ「合流しろ」と言うんですよ。変じゃありませんか?何か文化の違いがあるのかも。それはいずれまたの記事で
MEZGO→ merge「マージ」 一つになる、合流・合併・結婚する
幸い汚水でなかったので、手をザンぶり突っ込むことに躊躇しなかったのが幸いしたのでしょうか?
「救助」してから、今のところ異常は見られません。
スマホの水没は意外に多いらしいです。皆さんもスマホは水面の上で扱わない方が良いようです。
Until next time,
Jiro
追記:
ややマニアックな発音のポイントです。
「イマ―ジョン」の「ジョン」の部分をあなたは正しく発音できますか?これは破裂する音(=破裂音)でなく摩擦の音(=摩擦音)です。
日本語で言うと「シュ(摩擦音)」の濁音で「ジュ――――」の子音の部分をいくらでも伸ばせます。ところが「チュ(破裂音)」の濁音ではありません。「チュ」の濁音は発音は一瞬で終わり、伸ばせません。伸ばせるか伸ばせないかで発音の正しさが分かるんですね。
immersionの-sionと同じ発音はpleasure「プレジャー(喜び)」やtreasure「トレジャー(宝)」等にも。
(「チュ」の濁音はjust「ジヤスト(ちょうど)」、joy「ジョイ(喜び)」等多数。普通はこっち)
<Jiro’ quiz>
一番自然なのは?
The two companies (1.emerged 2.submerged 3.merged) together.
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正解は 3 「合併した」 (1. 出現 2. 水没 はちょっと不自然ですよね)
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知ってる内容を英語ルートで理解。
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Dear Friends,
Something scary happened to me! I dropped my cellphone in the kitchen sink – oops! Was I scared? Yes, but I stayed calm. I quickly picked it up from the water and dried it with a towel. Good news – it still works!
While this was happening, I had an interesting thought. I noticed two English words: “emergency” and “submerge.” They look similar, don’t they? Why is that?
I did some research and found something amazing. These words come from a very old word (about 9,000 years old!). This old word was “MEZGO,” which meant “to sink.”
Let me show you some words that come from MEZGO:
・”emerge” means “to come out” (like coming out of water)
・”submerge” means “to go under” (like going under water)
・”immersion” means “to put into” (we use this word when we learn languages by using them a lot)
・”merge” means “to join together” (like when two roads become one)
By the way, “handy” is what some people call a cellphone. Remember – keep your phone handy, that is, away from water!
Take care (of your phone),
Jiro
私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員