2020年12月。
少し早めに年末年始の買い物をしようと車で出かけるも、
みんな同じ考えなのでしょうか、どこに行っても駐車場は混んでいます。
「密を避けるために来たのに…。」
「しかも平日だよ。」
「みんな考えることは同じなんだなぁ。」
そう思って、空いているスペースを見つけようとゆっくり車を走らせていると
「あ、あった!」と喜ぶのも束の間。
もうすでに、そのスペースにバックから駐車しようとしている車が…。
「あ~、残念。ってか早くしろよ…。」
心は、その車の向こう側に空いたスペースが気になって仕方がない。
「あ~、あっちも取られちゃった…。」
この車さえいなければ・・・
と、少々自分勝手なことを考えながら、思ったのです!
「なんでみんなバックから駐車するんだ?まっすぐ正面から停めたほうが早いのに…。」
あ、もしかしてカッコつけるため?
ほら、助手席に好きな人を乗せていると想像してみてください。
バック駐車するとき、助手席の後ろに手を回すでしょ?
それ?
そして、お互いなんだか「ドキッ!」としてキュンキュンしちゃう感じ?
あ、それは古いか…。
そういえば、アメリカのショッピングモールの駐車場って基本的にこんな感じ。
多くは斜めになっているんですよね。
だから、さっと正面から停められる。
出るときも、ちょっとバックしてサッと出られる。
ああ、やっぱり駐車場の広さの問題かな…。
駐車スペースを斜めにとると、それだけスペースが必要ですもんね。
日本にはそんな余裕はない。
逆に日本で正面から駐車すると、出るときに出づらい。
そんな理由もあるのかもしれませんね。
さて、「バックで出る」というと、こんなことがありました。
ある日、San Pedroというロサンゼルス郊外にある街へ行ったときのこと。
そこはアメリカに行って最初に住んだ街なので、よく知った場所。
買い物をしようと、あるお店の駐車場に車を停めました。
そこは小さなお店が数件集まっている小さなストリップモール(道路に面した小さなショッピングモールのような場所)で、店舗前にはL字型の駐車場があります。そしてL字以外の空いたところにも数台停められるようになっています。
買い物を済ませ、「さあ帰ろう!」と車に乗り込んだ瞬間、
自分が駐車しているL字の辺とは違う、もう一つの辺からバックで出てきた車が
「ドーン!」
そうです。ぶつかってきたのです。
まあ、軽くですが。
こんな感じです。
こちらはエンジンもかけてないどころか、ドアも閉めていない状態。
本当に乗り込んだ瞬間のことです。
ぶつけてきた車からは、怒りの形相で出てくる男性。
見た感じは、映画「ハリー・ポッター アズカバンの囚人」に出てくるシリウス・ブラック。
“What the f*** are you doing?”
を始め、なんということでしょう。
それはまあ汚いお言葉をお使いになられていること。
相手の車のバンパー部分が少し凹んでいます。
こちらの車は無傷。
「事故をした場合は、絶対に謝ってはいけない」
これはよく聞いていたことなので、とにかく相手の言い分を聞くことに。
まあ、謝る要素はないんですけどね。
するとまあ、相手の想像力の逞しいこと!
「お前の車がバックして俺の車にぶつかった!」
すごい理論です。
「弁償しろ!」
「金をだせ!」
それはそれは、アカデミー賞で助演男優賞でもとれるんじゃないか?というくらいの大迫力の演技。
でもね、残念。
わたくし、負けん気だけは強いのです。
「はぁ?こっちはエンジンもかけていなくて、乗り込んでもいないのにどうやって車が動くんだよ。」
相手も食い下がってきます。
「お前の車が動いてきたのは間違いない!」
どうやら間違いないらしい(笑)
それでは、もう一言。
「でもあなたの車は駐車エリアから出て、私の車のそばにあるよね?私の車はちゃんとエリアに入ったまま。なんで?」
「こっちの車が動いて行ってぶつかったのなら、私の車がそっちの場所に行っているはず。でもそうじゃないよね?なんで?」
「なんで?なんで?」と、チ○ちゃんに叱られる風に詰め寄ってみると、
「そんなこと知らないよ。動いてただろ?」
とちょっとトーンダウン。
(はは~ん、コイツはちょろいな)
「オッケー。じゃあ、エンジンもかけていないこの状態の車を動かしてみてよ。」
そう聞いてみると相手は、「ああ、わかったよ。こっちが悪かったよ。」とまさかの降参。
そう言いながら、自分の車のバンパーの凹んだ部分の裏に手を入れました。
裏からグッと押したら、そのバンパー、なんと!
「ペコン!」
って戻っちゃったんです。
「ペコン!」ですよ、「ペコン!」
「ほら、これで文句ないだろ!じゃあな!」
と言い、車に乗ってそそくさと出ていくシリウス。
「じゃあな!」って、柳沢慎○かよ、あんたシリウスだろ!
というか、
「ペコンってなんだよ!!」
笑っちゃいました。
でも笑ったのも束の間、
「え、チョット待って…。これで文句ないだろ?って…これ、こっちが悪かったんだっけ?」
ええそうです。このお話は、
相手が勝手にぶつかってきて、勝手に自分の車のバンパーを凹ませて、
勝手に怒って「ペコン」って元に戻して行ってしまっただけの話。
ただのペコンストーリーです。
なのに、「これで文句ないだろ!」って…。
ちょっと腑に落ちないけど、まあ「いい経験をした」と思うことにしました。
下手したら銃で撃たれてたかもしれないし。
こういう判断は本当に難しいところです。
というのも、カリフォルニアではちょっとした事故で怪我人がいない場合は、警察への連絡が不要なのです。
びっくりですよね。
ですので、通常はお互いの名前・住所・電話番号・保険会社名とポリシー番号、運転免許証や保険証、破損箇所などを携帯で写真を撮っておき、保険会社へ連絡することとなります。
相手が酔っていたり、喧嘩腰で危険を感じたりする場合は警察に連絡し、 “Police Report”を発行してもらうこともできますが、今回のような小さな事故では警察は来てくれない場合もあるのです。
今回、相手は少し喧嘩腰でしたが、すぐに折れる人だったので良かったのですが、「埒があかない」と思った時は、早めに警察に連絡したほうがよいと思います。
さて、アメリカにしては今回の駐車場はストリップモールということもあって、
ちょっと小さ目。
だから、前向き駐車で油断してバックしたため、このような事故になったのだと思います。
あ、そうです。肝心の「なぜ前向き駐車なのか」です!
まさに「土地が広い」ということもあるのですが、アメリカでは一般的に週一回くらいのペースでまとめ買いをします。
日本のように、毎日スーパーへ行く人は少数派。
だいたいみなさん一週間分の買い物を一度にします。
なので、大量の食品や生活用品などを車に積み込む必要があるのです。
確かに、アメリカのスーパーのカートは巨大ですものね。
ほら、日本にもある会員制の倉庫型店舗のお店のカート、でっかいじゃないですか!
荷物が多い場合、たいてい後ろのトランクルームに積みますよね。
後ろ向き駐車をすると、トランクルームを開けると後ろの車にぶつけてしまうし、
何よりカートを置くスペースがない。
だから前向き駐車にするのだそう。
まあ、たしかに効率的ですよね。
後は、聞いた話によると「犯罪が起こった時に逃げにくいから」だそう。
前向き駐車だと、犯人が逃げる時に一度バックして出なきゃいけない。
それは時間がかかるから」と。
う~ん、これはちょっとどうなのかな。
う~ん、そうなのかなぁ。
それもあるのかもしれないけど、やっぱり荷物を乗せるときの利便性が第一理由かな。
いつもは後ろ向き駐車している皆さんも、たまには前向き駐車してみてはいかが?
「人生、前向きに!」っていいますからね(笑)
あ、日本で後ろ向き駐車が多いのは、「出しやすいから」という理由と、「自動車学校では前向き駐車を習わないから」という意見があるそうですよ。
英語教材開発・制作者
米国留学から帰国後、幼児・児童英語教師を経て、中学・高校英語、受験英語、時事英語等多岐にわたる指導を行い英語教師経験を積む。また、ホテル勤務での実践英語経験を積んだり、カナダにて現地の子どもたちの英語教育にも携わりながら、CertTEYL(世界での児童英語講師認定コース)の認定を受ける。さらに、青山学院大学でTutoringの研究員としても活動。英語講師養成のeラーニングコースの日本での立ち上げメンバーとなる。「現場での経験を教材に活かしたい!」と、現在は英語教材開発会社にて日々教材開発に勤しむ。高校入試用のリスニングトレーニング教材(塾・学校向け)は累計10万部以上のベストセラーとなる。英語教材開発の傍ら、全国の英語教師への研修なども行う。また、土堂小学校(広島県尾道市)での英語指導や、初の民間校長として一躍時の人となった藤原校長(当時:杉並区立和田中学校)が手掛けた英語コースの指導に2年間携わるなど、英語教育に関する多様な分野で活躍。大の犬好きから、ホリスティックケア・カウンセラーなどペット関連の様々な資格を取得し、ペットライターとしても活動中。