意外な意味や繋がりを見つけながら楽しく英語を学ぶのに役立つ単語DNAの第4弾。
今日は膨らむというDNAを持つtotalとtombなどについて見ていこうと思います^^
我々皆地球上に住んでいるわけですが、今日本の人口は1億をオーバーで、世界中の総人口となると78億人位だそうですね。大変な数ですね。よく国ごとの人口を比べたりすることはありますが、動物の種類ごとだとどうなるでしょう。
Sapiensという世界的ベストセラーで見た数字が面白かったので簡単に紹介しますね。
さてまず地球上で一番数が多い、大きめの動物はというと……chicken「鶏」です。さてそのchicken「鶏」の地球上の総数はいったいどの位になるでしょう?
chicken「鶏」の地球上の総数は約250億。人の3倍以上。ものすごい数ですね。それから78億の「人」で、その後は「牛」「豚」・「羊」と続きます。総数はそれぞれ大体10億前後と推定されます。人が飼育する動物がやはり多いですね。
一方野生動物の数はと言うと、例えばゴリラは4万頭。ライオンは1万頭位です。家畜の数と比べると極端に少ないのです。
ここで試しに四万頭を四万人の市民として考えてみましょう。すると例えば私の地元静岡県でいうと、御前崎市が3万なので、それより1万ほど多い位。
次に一万頭=一万人の人間なら、今度はコンサート会場で考えてみました。一万人収容というとマンモスというより、中規模かやや小さめの会場のようです。地元ではエコパアリーナというジャスト一万人収容のスポーツ施設があります。(最近ではよくラグビー会場になるとか。)
ライオンも全世界からかき集めて来てエコパアリーナ位のスタジアムがやっと満員になる位なんです。(ただ大人しくしていてはくれないかもしれませんねw)
こんな風に考えてみると、ゴリラもライオンのような生物が、そういった市民の人口や会場の収容人数分位しか全地球上にいないとなれば、総数でも随分少ないのが実感されます。
養鶏や牧畜で飼育される動物は大変多いが、人が利用しない動物は極端に少ない….結局動物の種類による総数の差も人間の都合がもたらしたものなんだと分かりますよね。
「膨らむ」単語DNA がtotalに
さて単語DNAの話に戻りましょう。
いろいろ出てきた動物の「総数」ですが、その「総」を英語にすると、total。これには「膨らむ」という意味の単語DNAが入っています。総合計なので膨らむ感じが合っていますね。発音は「トウタル」です。
それでは今度は同じ人間の数でも、ちょっと違った種類の人間の数で1080億人、この人口は何?と言われても何の数字か分かる人はほとんどいないかもしれません。
実は、今まで地球上で死亡した人の総数、totalな数です。もちろん推定の範囲をでませんが。この数を多いなと感じる人も、何だ、少ないなと感じる人もいるでしょう。私は何だそんなものか、と感じました。
「膨らむ」単語DNA が「お墓」や「腫瘍」の中にも
亡くなった多くの人が入るお墓、英語はtombです。この単語にも「膨らむ」DNAが入っています。埋葬後の土が膨らむということだそうです。随分具体的な不気味なイメージですね。1080億全員用でなくとも、すごい数のお墓で土が膨らむとしたら、何だか不気味になりませんか。…..ちなみに漢字の「墓」という字も、「埋葬後、土が盛り上がって太陽が隠れる」という英語に似た意味が入っているそうです。
このtombですが発音は「トゥーム」です。最後のbは読みません。climb「クライム」などと似ていますね。
さて亡くなる人の中には病死もいるはずですね。現代病の一つと言われる癌ですが、「腫瘍」というと英語ではtumorとなります。この単語にもやはり膨れるDNAが入っています。これも何だか怖いイメージです.… 漢字の腫瘍の腫は「膨れる」と言う意味で英語の語源と一致しています。
このtumorの発音は「トゥーマー」みたいな音です。
バターはチーズだった?
最近、高級食パンが話題だと耳にしました。値段は張るけれど、パン好きにはたまらないとか。食パンと言えば「切っても切れない(?)」のがbutter(バター)ですね。さてこのbutter(バター)ですが、語源的には膨れるという意味のDNAが後半のterの所に入っています。そしてbutterの前半のbuの部分には「牛」のDNAが入っています。
この「牛」のDNAについては、またいつか別に触れたいテーマの一つです。
さて「牛が膨れる」とは牛乳が発酵して膨れることです。最初はチーズの意味で後にバターの意味に変化したそうです。こういう意味の変化はよく起きます。例えば「花」という平凡な語でも「花見」といったら、「桜の花を見る」ことにいつのまにか変わってますよね。
butter ・・・「牛(乳)」のDNA+「膨れる」DNA ➾ (チーズから)バター
今日は膨れるDNAのお話でした。単語同士の意外な結びつきや意味の関連性に驚きながら、楽しく英語を学んでいけたらいいですね。
See you soon!
私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員