8月26日現在のニューヨークは、厳しいロックダウンのもと感染が治まりつつあり、アメリカ国内の感染拡大中の28州と3地域からの来訪者に対して、14日間の自主隔離を求めています。
ニューヨーク市内は未だにレストランやバーそして劇場やホールなどの屋内営業は一切認められておらず、これも6ヶ月目に入り、関係者は頭を抱えています。地下鉄も空いていてガランとしており、街角には、テナント募集の張り紙がどんどん増えていきます。
先日からの警察官に対するデモンストレーションが非常に力を持ち、デブラシオ市長は警察への支出を大幅に削減することに合意しました。それによって警察官の退職者なども増える模様。この先犯罪が起こったときに、このことにより警察官のモチベーションが下がることがないように、祈ります。ニューヨークでもこのパンデミックにより失業者の増大に伴いホームレスも増え続け、あちこちで拳銃などによる被害者等が出ている模様。ですがなかなか犯人逮捕と聞きません。
自然界と同じように、人間界も微妙なバランスが全てを保っているのだと、やっと気がつく我々です。
そんな中、とにかく人々の話題は11月3日に控えた大統領選挙です。
パンデミックはもちろんのこと、中国との貿易摩擦、人種問題、警察のあり方、メキシコとの国境壁、ロシアとの関係、いろいろ抱えているアメリカですが、高収入者にはあまり税金をかけない現職リパブリカン(共和党)のトランプと、普通にミドルクラスの人たちの味方(?)デモクラット(民主党)のジョー・バイデン、彼はオバマ大統領の時8年間副大統領を務めたので、お名前はご存知でしょう。
選挙といってもアメリカでは普通に格差があり、リッチな白人の地域ではたくさん投票のマシンがあって待たなくてもよかったり、貧しい有色人種たちが住む投票所では、寒空の中3時間並んで投票、は普通だったり。
そして今トランプは、コロナ禍に投票所へ行って並ぶのが大変な年配者などが郵送で投票できないように、ポストを減らしたり郵便局員を減らしたり郵便物が時間までに着かないような画策を企てているそう。先日の人種差別に対するデモがあった時、ホワイトハウスの周りに集まった普通のアメリカ人平和的抗議者を、自分がすぐそばの教会で聖書を掲げた記念写真を撮るために邪魔なので、自国の軍隊を使って催涙弾で退けた、どこかの国の独裁者と同じようなことをやるような人です。
彼のやる事は本当に信じられません。
で、このふたりの一騎打ちかと思いきや、なんとラッパーのカニエ・ウェストが自分のパーティー(党)を設立して、その名もバースデーパーティー、そこに今更ジョークのように参戦。
いやはや、さすがアメリカ。新曲のプロモーションかと疑う人もいるらしい。さてこの先どうなることやら。
※アメリカの大統領選挙にもし興味があれば、こんなドラマもとても面白かったのでオススメ。Netflix「ハウスオブカード/野望の階段」。ケビン・スペイシーが地方の議員から、だんだんとワシントンD.C.に乗り込んで大統領の椅子を狙って行く様子が、すごくリアリスティックに描かれています。素敵で聡明な妻の役には、フォレスト・ガンプで一躍有名になった、ロビン・ライト。6シーズン、73話☆
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。