KYとか一頃流行ったようですが、あなたは空気を読める方だと思いますか?
自慢ではありませんが(w) 私はあまり読めない方です。
こないだも、場をわきまえずダジャレを言い、空気読めない人ね、と後で溜息つかれました。
この空気を読む力、正直何だか羨ましくって、よく考えるんです。
空気を読む力って、要するに人と人の間の雰囲気を敏感に感じ取る力と言える気が。人間同士の関係をスムーズにうまく処理していく能力、考えてみればすご過ぎる力ですよねえ。
<皆人間関係が得意?>
ところがですよ。お互いの関係をスムーズに処理できる力が、人の「関係力」と言うとすると、人間は全動物の中で一番「関係力」に富む生物のようなんです。
大きな話になりますが、複雑な今の世界なら、この関係力が働かない面を見つける方が難しそう。
例えば、商売や貿易は同じルールを守りあう関係力。これを人間は大きなスケールで、ほぼ誰とでも普通に行えます。見知らぬ敵との商売も珍しくありませんよね。
他の例えば、サル達が縄張り争い中にバナナ交換…なんて普通考えられそうもありません。
歴史学のハラリ教授も「組織的に大規模に協力」できるのが人の最大の特徴でもあり、最大の強みと言ってます。
他の種にはないこの特性のおかげで、ヒトは今地球上で絶対的に君臨しているとも。
つまり人間って、人間というだけで、すごい関係力を基本持っていると言えるのでは。
<広い世界と特殊な辺境?>
こういう大規模協力が高度な力なら、空気を読むなんて、数段上の超能力のようなものでは。人間誰もができなくても、当然の気がするんです。
しかも、空気を読むとか読まないとかは日本だけ。その証拠に空気が読めないKYに当たる英単語はなく、英語に訳すなら、長~く特別に説明しなければなりません。
英語は気分を読んでもらえるかではなく、自分から表してナンボ。そしてそれがきっと世界標準。KYなんて気にしてたら、むしろマイナスかも。
日本よりはるかに広い世界では、思うことを率直に言う方が大事。私の知り合いでも、学生時代はKYで苦労しましたが、今IT力を屈指して立派に活躍している方がいます。
あなたもKYがいかにちっぽけな物差しか知りましょう。そして人間本来の関係力に自信を持ち、KYと無縁な広い世界、とりあえず英語圏に目を向けましょう。
そうすれば Everything will be OK!
See you later!
Jiro
追伸:
KY:In Japan, you are expected to be able to constantly control your (verbal) behavior while monitoring that of those around you. Conspicuously failing to do so, they may censor you, saying, “You are KY”, which is an acronym made from the Japanese phrase meaning “not being able to read the air (atmosphere).”
(拙文でKYを説明してみました)
◯Sapiens. A Brief History of Humankind. Y.Harari.2015. H.C. Pub. (p171, p192)
https://www.amazon.co.jp/dp/0099590085
◯邦訳 サピエンス全史 河出書房新社 (2017/3/27)
https://www.amazon.co.jp/dp/4309862934
私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員