あなたは「タイパ」という言葉を知っていますか?
Timeと performance からの造語。「一定時間内での成果」のような意味らしいです。
成果と労力や手間の関係が「コスパ」。成果と所要時間が「タイパ」かも。「タイパ」の例は、同じ情報をどれだけ時間をかけて知るかのような文脈で私は知りました。
例えば映画。「タイパ」を上げるために再生速度を速めて見る人が特に若者層に多いと言うのです。
必要な情報が増える一方なら、そういう手段もありかと、魅力を感じ実際にやってみたんです。
試したのは”Civil War”。地球防衛軍の超人ヒーロー達(アベンジャーズ)が嵌められ、同士討ちになるというもの。
150分の作品。最初1.5倍に早めると、もう何が何だか分からず。結局1.2倍速に落ち着きました。
計算式は150分÷1.2=125分?これが正しければ30分足らず早く終わることに。
(2時間超のビデオが2時間で見れる?!)これは良いと見る前から何だかワクワク。(すごい時間節約になりそう)
でも見終わって…何だか虚しい感じ。(1.2倍速だ)という意識が消えません。
効率の為に見ているのか、洋画を楽しむために見ているのか分からなくなっちゃいました。(実験だからしょうがないかもw)
(やっぱり時間は錬金術のようには作れないのかも)という気になりだした時です。
<意外な盗品>
思い出したのが、私の大好きな「モモ」(エンデ作)というファンタジー。
自称時間銀行員に騙され効率第一で働かされる大人達を、主人公の少女モモが時の老人Meister
Horaに導かれ救う物語。原作はドイツ語。英語から読み始め感動。
灰色の服の銀行員の正体は時間泥棒。皆の時間は彼らの葉巻の煙となり消えていたのです。
倍速再生する人も、もしや時間の倹約どころか、時間を盗まれているのでは、だから私の実験でも心底楽しめなかったのでは…なんて理由付けがぴったり。
効率を求めすぎると、楽しめることが楽しめなくなりそうです。
デートを要領よく楽しもうと、行く場所行く場所走り回る人はいません。
英語が話せるようになったはいいけれど、英語が嫌いになってたらイヤですよね。
結局「タイパ」的倍速再生は、英語ができるようになる為でも、使わない方がいいのでは。
楽しく英語を学び世界を広げるには、それなりの時間投資が必要なようです。
◯モモ英語版
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<英語版>
知ってる内容を英語ルートで理解。洋画で字幕を読んで英語を聞くように。
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私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員