先日,高校の同級生とこっそりと飲み会をしました。
定期的に会っている友人たちです。
とあるターミナル駅で待ち合わせをしたのですが,
そこからバスで向かうか,電車で向かうか考えていました。
すると一人が
「タクシーがいい!」と言い出すではないですか。
最近はロンドンタクシーのような形の車も増えてきて
一人が「まだ乗ったことがない」というので,タクシーに乗ることに。
その時,私の頭にはふとあることが浮かんできたのです。
タクシーに乗っている今の状態は,
“in a (the) taxi”
なのに,バスに乗っていたら
“on a (the) bus”
これ,絶対にこんがらがってしまう人いるよなぁって。
これ,実は規則があるのですが,
あなたにこっそり教えましょう。
↓
−乗り物に乗っている状態は “in” or “on”?−
多くの方は中学生の頃,
“in”=「〜の中(に・で)」
“on”=「〜の上(に・で)」
のように覚えた記憶はありませんか?
「え?今でもそう覚えてるよ」という声が聞こえてきそうです。
はい,そうです。
「車の中」は 「〜の中」だから“in a (the) car” で間違いありません。
でもこの歌をご存知でしょうか。
英語の童謡(Nursery Rhyme)なのですが,メロディーなら聞いたことがあるかもしれません。
「今さら童謡なんて聞かないよ!」
なんて言わないでくださいね。
英語の童謡って,私たち英語のノンネイティブにとってはとっても良い教材なのですよ。
誰もいないところで一緒に歌ってみてください(笑)
発音,リズム,語彙,英語の口ならし,等,身に付きますよ!
話は戻りますが,この童謡 “The Wheels on the Bus”の中に次のような歌詞があるのです。
♪The children on the bus go up and down…♪(1:22頃)
(バスの中の子どもたちは上下に揺れるよ)
♪The babies on the bus go “Wha, wah, wah…♪(1:41頃)
(バスの中の赤ちゃんたちはワーワーと泣くよ)
♪The mommies on the bus say “Shush, shush, shush”… ♪ (1:56頃)
(バスの中のお母さんたちはシーシーと言うよ)
あれ?
お気づきになりました?
「バスの中」なのに “in the bus”ではなくて
“on the bus” と言っています。
これはなぜなのでしょうか。
−乗り物に乗っていることを表す “in”の秘密−
まず基本として,
“in”は「〜の中」ですよね。
だから “in a car” “in the car”で「車の中」でOKです。
「タクシーの中」も “in a (the) taxi”
“We are in the taxi now.”
(私たちは今,タクシーの中だよ。)
「バンの中」も “in a (the) ban”
“I’m in my daddy’s van.”
(私はお父さんのバンの中にいるよ。)
「トラックの中」も “in a (the) truck”
“It’s raining. Stay in the truck.”
(雨が降っているよ。トラックの中で待機してて。)
「ヘリコプターの中」も “in a (the) helicopter”
“Let’s get in the helicopter!”
(ヘリコプターに乗ろう!)
こんな感じですが,これらの例文はイメージしやすいと思います。
でも,公園の池にあるようなボートに乗っている状態でも,
“in a (the) boat”
カヤックに乗っていても
“in a (the) kayak”
なんです。
これらって 「“on”がふさわしいんじゃないの?」って思いません?
でも,ちょっとこれらの乗り物に乗っていることをイメージしてみてくださいね。
だんだんとヒントに近くなってきているのですが,なんとなくわかった方いらっしゃいますか?
では,最後にもう一つ。
このようにカヌーに乗っていても
“in a (the) canoe”
なんです。
もうお分かりになりましたでしょうか。
実は乗り物に乗っていることを表す “in”は,
「乗ったら自由に歩き回れないもの」
が基本なのです。
“in”は基本的に,狭い空間に囲まれているイメージなんですね。
これ,ちょっと
「へえ!」ってなりませんか?
「50ヘエ」くらいいただけますかね?
(古いからダメかしら…(^_^;))
−じゃあもうおわかりですね−
「中で自由に歩き回れない乗り物」が “in”ということは,
もうお分かりですよね。
バスが “on a (the) bus”なのは,基本的にバスは中で歩くことができるから。
だから,
「飛行機の中」は “on a (the) plane”
「バスの中」も “on a (the) bus”
「電車の中」も “on (the) train”
となるのです。
先程,
「公園の池にあるボートに乗っている場合も “in”」
とお伝えしました。
では,「フェリーや船(客船等)の中」の場合はどうでしょうか。
そうです。
“on a (the) ship”
“on a (the) ferry”
なんです。
大きな船は,船内で歩き回ることができます。
だから “on”なんです。
−エレベーターに乗っている,は?−
歩き回れない乗り物には “in”
歩き回れる乗り物には “on”
だったら,エレベーターはどうなんでしょう?
あなたがエレベーターに乗って階を移動しているとき,
電話がかかってきたとします。
あなたは,「今エレベーターの中だから,後でかけ直すね」と言います。
1 “I’m in the elevator, so I’ll call you back.”
2 “I’m on the elevator, so I’ll call you back.”
どちらが一般的だと思いますか。
3
2
1
はい,1番が一般的です。
「えー,エレベーターの中って歩けるじゃん!?」
と思われたかもしれませんね。
でも,「歩き回れる」ほどでもないですし,基本,エレベーターの中では歩きません。
しかも,「狭く囲まれた空間」です。
なので, “in”なのです。
−Baby in Car−
よく車の後ろに,
“BABY IN CAR”などと書かれたステッカーや揺れるアイテムがついているのを見かけます。
最近ではあおり運転等が問題になっていますので,その抑止力にもなるかもしれませんし,
「子どもが乗っているんだから周りも安全運転をしてね」
という意味で付けている人も多いと思います。
このサインの意味は
「もしも事故が起こってしまった場合,救助される際に体の小さい子どもは見つけにくいかもしれない。だから,「子どもがいます」ということを印すサイン」
でもあるんですって。
へぇ〜,ですよね。
って,もしかしてみなさんご存知でした?
そう言えば,私が最近よく見るのが
“Hamster in Car”(ハムスターが乗っています)というステッカー。
クスっと笑ってしまいました。
かわいいし,おもしろい!
でも,まずは安全が一番。
事故は起こさない,起こらないことが一番ですね。
と最後にお話はずれてしまいましたが,今回の “in” “on”のお話,参考になれば幸いです。
それでは,また来週〜♪
英語教材開発・制作者
米国留学から帰国後、幼児・児童英語教師を経て、中学・高校英語、受験英語、時事英語等多岐にわたる指導を行い英語教師経験を積む。また、ホテル勤務での実践英語経験を積んだり、カナダにて現地の子どもたちの英語教育にも携わりながら、CertTEYL(世界での児童英語講師認定コース)の認定を受ける。さらに、青山学院大学でTutoringの研究員としても活動。英語講師養成のeラーニングコースの日本での立ち上げメンバーとなる。「現場での経験を教材に活かしたい!」と、現在は英語教材開発会社にて日々教材開発に勤しむ。高校入試用のリスニングトレーニング教材(塾・学校向け)は累計10万部以上のベストセラーとなる。英語教材開発の傍ら、全国の英語教師への研修なども行う。また、土堂小学校(広島県尾道市)での英語指導や、初の民間校長として一躍時の人となった藤原校長(当時:杉並区立和田中学校)が手掛けた英語コースの指導に2年間携わるなど、英語教育に関する多様な分野で活躍。大の犬好きから、ホリスティックケア・カウンセラーなどペット関連の様々な資格を取得し、ペットライターとしても活動中。