突然ですが、あなたは行水(ぎょうずい)したことありますか?実は私の夏の日課。
朝から30度超えも珍しくないこの頃。大きな桶に水を汲んでおくだけで、日向なら夕方にはぬるま湯以上に。それをじゃぶじゃぶと浴びる….
戸外で服を脱ぐのも、子供の悪さのような解放感。男性、しかも老人なら周囲の眼にも、神経質にならずにすみますw。
今日も夕方の「行水」の時(「水を浴びる」はbathe(ベイず)かな)と思った途端、例の如く語源が気になりだしちゃいました。そこでさっさと切り上げ調べたら意外なコトが…
さて私の記事では定期的に、単語DNAについてお話しています。簡単に説明しますと、(よく読んでくれるあなたには重なる部分があるかも)大多数の英単語には基本のDNA的な要素があり、語源説明に大変便利なツールなんです。
しかもですよ。このDNAは英語ばかりか、ヨーロッパ~インドに跨る地域の言語の祖先。約9000年前の姿なんだそうです。だから英語以外に例えばドイツ語やフランス語等に英語と共通DNAがよく見つかるんですね。
さて「行水」に戻ると、bathe(ベイず)「水を浴びる」の単語DNAはBETH(べす)「暖かな」です。
このBETH(べす)がこの単語の何千年も前の姿。それが徐々に綴りや発音、また意味も変わりつつ現代のbatheにたどり着いたみたい。
意味の変化だけ見ると「暖かさ」→「水浴び」の変化。これって昔も「浴びる」のは温水だったということを物語っているんでしょうか。冷えた水は普通行水する気にはなりませんねw。
BETH(暖かい)→ (温まる→)bathe 入浴する
batheの名詞形はbath(バす)このDNAも、勿論BETHです。
BETH(暖かい)→ (温まるもの→)bath 入浴、風呂
さてドイツ語を少し見てみましょう。同じDNAを持つドイツ語があります。Bad(バートゥ)です。これは英単語の…?そうですさっきのbathです。bathとBad、似てますね。
またドイツには「バーデン」という地名があちこちに。バーデン地方、バーデン―バーデン市等。綴りはBaden 。「温泉町に」の意味だそうです。
話を英単語に戻すと、
bathe(ベイず)「水を浴びる」や bath(バす)「風呂」と同じDNAを持つ単語が,
bake(ベイク)「(パン等を)焼く」なんです。
最近の酷暑を思うと笑えません?言わば、焼かれるような暑さの中での行水ということでしょうかw
ただ、少しマニアックにですがBETH(暖かい)が直接bakeを生んだのではありません。BHEG(ブヘグ「窯等で焼く」)という別のDNAを経由し、bakeにたどり着いたみたい。
bakeの-keの「ク」がBHEGのGから出てきたものだとすれば納得できますよね。
BETH(暖かい)→ BHEG(窯などで)焼く→ bake (ベイク)
またドイツ語でbakeはbacken(バクン)という。やはり同じ由来。-ckenの部分は、DNAの-Gの部分の変形です。
BETH(暖かい)→ BHEG(窯などで)焼く→ bake (ベイク)
BETH(暖かい)→ BHEG(窯などで)焼く→ ドイツ語 backen(バクン)
さてもう一度英単語に戻ります。bakeの関連語であるbaker(ベイカー)「パンを焼く人」、bakery(ベイカリー)「パン屋」なども勿論同じ由来です。
BETH(暖かい)→ BHEG(窯などで)焼く→ bake、baker、 bakery
<私が行水する3つの理由?>
この記事の発端に戻ると「行水」は実は非常に理にかなってるようです。3点上げます。
① 行水は太陽熱の有効利用。太陽の光は見える光より見えない光が大半。その見えない光(赤外線)の熱利用はほとんど進んでないらしいです。途方もない熱量が宇宙空間に捨てられ続けている…もったいないw。
② 行水は低コスト。費用は水道料金位。
③行水は暑さを楽しみに変える。これは私の強調したい点。「暑さ」って普通はストレス。でも行水好きになると、暑いほど(夕方には暖かい湯ができるぞ、しめしめ)と思うわけで、これって気持ちがかなり違うと思うんですよね。
ストレスが減れば英語の学習も捗る…は少しこじつけかも?w
あなたも焼けるような酷暑を行水等で乗り切り、元気に過ごせると良いですね。
See you next time,
Jiro
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私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員