Hi!
火曜のJiroです。
「三日月」は英語で crescent / クレッセント
ちょっと不思議に思いませんか?
「月」は、moon なのに、なぜ「三日月」はcrescent という moon と全く関係のなさそうな単語になっているのか。
日本語の「三日月」には「月」があるのに、crescent には moon がない。
考えてみれば不思議ですよね・・・。
実はあったんです!昔は。
大昔は crescent と一緒に、月を表す moon とは別の単語が一緒に使われていたんです。
言わば、crescent “moon”とでもいうような。
その意味は「成長して大きくなっていく月」そこから 省エネで ”moon” を意味する単語が省かれ、
crescent だけが、三日月の意味で使われるようになっていったんですね。
それでは、なぜ、crescent が「成長して大きくなる」という意味なのか。
なぜ crescentは「大きくなっていく月」なのか
実は単語DNAで言うと、crescentには「cre-」というDNAがあって、これが「大きく成長する」と言う意味なのです。
crescent は、真っ暗闇から、細い月が大きくなってできた「三日月」なんです。
大昔の人は「やっと三日月になった」というような喜びをこの語にこめていたのかもしれません。
この crescent をフランス語で言うと croissant 。
そうです、あの「クロワッサン」そう言えば三日月の形してますよね。
「大きく成長する」が「創造する」?
そして、この crescent と繋がりがあるのが、create / クリエイト(創造する)です。
「大きく成長する」と「創造する」と繋がりがあるわけです。
でもここでまた、ちょっと不思議じゃないですか。
「大きく成長する」と「創造する」って繋がっているのかなあと。
「大きく成長する」は、ただ大きさが増えるという分かり易いイメージなのに、「創造する」だと全く新しいことを生み出すようなちょっと飛躍したイメージですよね。
create が「大きく成長する」という意味のDNAを持っていますが、どうして「大きく成長する」と「創造する」という意味が結びついたのでしょう。
実は、こういうちょっとした意味の飛躍は、英語ではごく普通に起きているのです。
分かり易い例は、いろいろな「熟語」です。
例えばput onという有名な熟語があります。「着る」とか「(明かり)をつける」とか言う意味。
これ、put on 「上に(ぴったり)置く」という元の意味が少し飛躍してできているんですね。
「体の上に置く」から飛躍して、「着る」とか「はめる」になる。
put(置く)+ on(体にぴったり)→「着る、(手袋を)はめる、(パンツ等を)はく」
「明かり等をつける」という意味もありますが、これは「電線がくっつくように置く」から。
put(置く)+ on(電線をぴったり上に)→「明かりや電気をつける」
こういう風に、具体的な一つの意味が、すっと飛んで別の意味に広がるっていうのは他にもいろいろあります。
この様に「大きく成長する」と「創造する」との結びつきが、英語に見られるのですが、これってちょっと意味深ですよね。
なぜって、毎日の生活で目にする「成長」という自然な出来事が、そのまま「創造」という人間らしい営みに結びついているから。
こうした発見も、語源を辿ることで見えてくる面白い副産物の一つ。
英単語も、人々の暮らしや感覚から少しずつ生み出されてきたもの。
その繋がりや広がりに目を向ければ、学びの時間もきっともっと楽しくなるはずです!
私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員