Hey!guys. 月曜日のSwatchです。
日本人の言葉の感覚と英語の感覚が、「ずれていること」、良くあります。
今回は、I know について、日本語のずれ、考え方のずれを具体的にお話しします。
“I know~”は、日本語にすれば「私は~を知っている」という感じです。“I know him”と言えば、「私は、彼を良く知っている」です。実際、“I know!”とだけ言った場合には、相手の言ったことに対して、「分かる!」、「だよね!」と同意する意味のフレーズになります。
友達の言ったことに、「分かるよ、だよね~」と相槌をうつのは、日本人でも割合簡単にできそうです。会話の中にうまく取り込んで、英語のコミュニケーション能力をあげることができるかもしれません。そんな感じで、“I knew it!”と言ったら、「私は知っているよ」となるのでしょうか。ところがこのフレーズは、日本人の感覚とずれた英語表現なんです。
<“I knew it!”は、予想していたことが当たること>
“I knew it!”を直訳すれば、「私は、それを知っていた」となります。なんとなく、相手の言っていることを理解し、その情報を知っていたという感じがしますが、実際は、“I knew it”は、「やっぱりね!」という意味で、「私は、それを知っていました」ではありません。英語の直訳と大きく感覚と意味がずれています。
“I knew it”は、自分が予想していたことが、当たっていた、つまり「やっぱり、思った通りだ」という意味になります。“it”は相手が言った内容全般を意味しています。
相手の言ったことに対して、自分が予想していたことと一致しているということを主張しています。こなれた日本語では、「やっぱりね」です。
他のフレーズに置き換えるのならば、“I thought so”(そう考えていました)が近いですね。
<“I knew that!”は、その事実を知っていたこと>
同じような表現で“I knew that!”を使った場合は、意味は、「その事実を知っていた」となります。“it”と“that”で意味が大きく違うフレーズとなります。面白いですね。
knew(知っていた)と過去形になっていますので、過去のある時点でその情報をゲットし、知っていたということになります。“I knew it”との違いを比較すると次のようになります。
“I knew it”→ 思っていたことが、当たった
“I knew that” → ある時点でその事実を知っていた
“it”と“that”の違いで、英文全体の意味が違ってきます。これは日本人の英語の語感にはあまりないところで、誤解も非常に多いのです。
これら二つのフレーズに共通するのは、knowという単語が、
「知る」という動作を表すのではなく、「知っている」という脳の中の状態を表している
ことです。
この感覚は日本語の「知る」という感覚とずれたところです。話を聞いて、「今、それを知った」という動作を“I knew”で表現はできないということです。
“knew”は、あくまで、過去のある時点で、頭の中にその考えや情報があったということを表現するだけです。
<“I know that!”は、「そんなことわかっているよ」と乱暴な表現に!>
それでは、似たような英文をもう一つ紹介します。それは、“I know that!”です。直訳してみると、「私は、それを知っている」です。実際には、非常に乱暴な表現になります。
“I know that!”は、「そんなことわかっているよ」となります。少々乱暴なニュアンスが出てきます。英文法では、文末に置かれるthatは、その意味が強調されるのです。
文末に置かれたthatは、「そんなことぐらい」という形で強調されます。
“I know that!”は、「そんなことわかっているよ」という意味になります。
さらに、「だからどうしたっていうんだ」と畳みかけるような表現になってしますのです。
相手の感情を害するようなニュアンスの表現に変化してしまうのです。
それに気が付かず、「私はそれを知っています」という感じで、この表現を使えば、大変なことになるかもしれません。難しいい単語ではなく、誰でもが知っている単語で、ニュアンスが大きく違うのです。
<“I found out now”は、日本語の「今知った」こと>
では、冒頭でのベた「今知った」を表現するにはどうしたら良いのでしょうか。
“I knew it”でそれを表現できないことは分かりました。
日本語の「今知った」を伝える場合には、“I find”を使います。
“find”は、「発見する、見つける」と訳されますが、そのほかに「気が付いた、判断した」という意味が含まれています。
“I find ~”で、「情報を知った、その事実に気が付いた」という動作を表し、頭の中に“I know”(知っている)状況を作り出すのです。
誰かから情報を聞いた瞬間、“I found it”(その内容を知りました)となるのです。
さらに、findには、「判断する」という意味があります。
“I found this website so useful”
(このウエブサイトは、非常に有益だ)
と表現することができます。
知るという動作を表すために、もう一つ表現を付け加えれば、“learn”があります。通常「学習する」という意味で使われますが、「知る」という意味でも使われます。
“I learned about the car accident from the news”
(ニュースでその交通事故について知った)
この場合のlearnは、「誰か(何か)に教えてもらい知ることになった」を意味します。
Swatchが、防衛省の高官から米軍高官へのレターを起案したときに、“learn”を使って評価されたことがあります。
“I learned that~”で「防衛省の高官が、部下の報告を受け知った(知っている)」という表現で、英語らしい表現だと評価されたのです。
<“I know”は、相手のいっていることがわかること>
“I know!”とだけ、言った場合には、相手の言ったことに対して、「分かる!」、「だよね!」と同意する意味で使います。
これは、
“I know what you mean!”
(あなたの意味していることが分かります)
の前半の“I know”だけを、短くして言っていると考えると、わかりやすいと思います。
相手の言った内容(情報)が頭の中に入ってきて、理解して記憶している。さらに、その内容について、納得できる、同意できるという状況を表しています。
コミュニケーションにおいて、一番大事なことは、相手の言っていることが理解できることです。自分の意見を述べることだけでは、コミュニケーションは取れません。
コミュニケーションの基本は、相手の意見を傾聴すること。相手の言っていることに、じっくりと耳を傾けることで、会話は成り立ち、さらに良いコミュニケーションが成り立ちます。
相手の言っていることを、最初から100%理解するという立場で話すのではなく、わからないことがあれば質問をし、疑問点を確かめるとうことが必要です。
言ってみれば、言葉のキャッチボールができるかどうかが、コミュニケーションの基本になります。
それを勘違いすると、お互いの言っていることが分からなくなってしまいます。
言葉のキャッチボールをしたうえで、“I know!”(だよね!)と言えるようになれば、英語のコミュニケーションも楽しくなります。
執筆家・英語教育・生涯教育実践者
大学から防衛庁・自衛隊に入隊。10年間のサバイバル訓練から人間の生について考え、平和的な生き方を模索し離職を決断する。時を同じくして米国国費留学候補者に選考され、留学を決意。米国陸軍大学機関留学後、平和を構築するのは、戦いを挑むことではなく、平和を希求することから始まると考えなおす。多くの人との交流から、「学習することによって人は成長し、新たなことにチャレンジする機会を与えられること」を実感する。
「人生に失敗はなく、すべてのことには意味があり導かれていく」を信念として、執筆活動を継続している。防衛省関連紙の英会話連載は、1994年1月から掲載を開始し、タモリのトリビアの泉に取り上げられ話題となる。月刊誌には英会話及び米軍情報を掲載し、今年で35年になる。学びによる成長を信念として、生涯学習を実践し、在隊中に放送大学大学院入学し、「防衛省・自衛隊の援護支援態勢についてー米・英・独・仏・韓国陸軍との比較―」で修士号を取得、優秀論文として認められ、それが縁で定年退官後、大規模大学本部キャリアセンターに再就職する。
修士論文で提案した教育の多様化と個人の尊重との考えから、選抜された学生に対してのキャリア教育、アカデミック・アドバイジングを通じて、キャリアセンターに新機軸の支援態勢を作り上げ、国家公務員総合職・地方上級職、公立学校教員合格率を引き上げ高く評価される。特に学生の個性を尊重した親身のアドバイスには、学部からの要求が高く、就職セミナーの講師、英語指導力を活かした公務員志望者TOEIC セミナーなどの講師を務めるなど、大学職員の域にとどまらぬ行動力と企画力で学生支援と教員と職員の協働に新たな方向性をしめした。
生涯教育の実践者として、2020年3月まで東京大学大学院教育研究科大学経営・政策コース博士課程後期に通学し、最年長学生として就学した。博士論文「米軍大学における高等教育制度について」(仮題)を鋭意執筆中である。
ワインをこよなく愛し、コレクターでもある。無農薬・有機栽培・天日干し玄米を中心に、アワ、ヒエ、キビ、黒米、ハト麦、そばを配合した玄米食を中心にした健康管理により、痛風及び高脂質血症を克服し、さらに米軍式のフィットネストレーニング(米陸軍のフィットネストレーナの有資格者)で筋力と体形を維持している。趣味はクラッシック音楽及びバレエ鑑賞。
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