初めてアメリカに来た時、ホテルで何か聞こうと思ってレセプションにいったら、これはあっちで聞いて、それはあっちで、って、あっちに行けこっちに行けって困ったのを思い出しました。
そこで、今回はホテルで働く人達がそれぞれどんな役目になっているかお伝えしてみようかと思います。
Reception / レセプション
または、Front Desk Clerk / フロント・クラーク
ホテルに入ってすぐ会話をしますので、ホテルの顔とも呼ばれるのではないでしょうか。いつも慇懃無礼な見事なスマイルで、とてもナイスに迎えてくれます。
ですが、時代の波とともに、ネットでのチェックインも最近はどんどん増えています。人と会話をしなくても、いちいち列に並ばなくても良いネット受付のマシンは、さっと、QRコードをかざせば、または予約番号を入力すれば、すぐにカードキーを出してくれます。クイックですが、ちょっと味気がないですね。
Concierge / コンシェルジュ
コンシェルジュは元来フランス語ですが、英語でも用いられています。
何か分からないことがあれば、ホテルやエリアに関しての情報などを、親切に教えてくれます。
ニューヨークなら、ブロードウェイ・ミュージカルの行きたい演目の名前を言えば、その劇場の名前や住所、行き方などを教えてくれたり、チケットを取ってもらうこともできます。
アメリカのホテルは、大概食事がついていませんから(日本で言う素泊まり)、夕食に良さそうなレストランを教えてもらったり、朝食に行くのに良い感じのカフェを聞いたりするのも、良いアイディアです。
レストランをきいたり、道を聞いたり、といった、簡単な質問の場合はチップはなしですが、高級車のタクシーとか、空港のシャトルとか、何か特別な手配等してもらった際にはチップを渡す、って感じかな。
Bell boy / ベルボーイ
スーツケースなど大きな荷物を運ぶのを手伝ってくれます。この方には、チップが必要です。チップの相場も以前よりかなり上がっていて、ずっと以前は荷物1つにつき大体1ドルくらいでしたが、現在は、大体5ドル位が相場かな。なので、長期滞在で荷物が多いと、結構な額になるかもしれません。
以前、小さなバッグをたくさんホテルに持ち込んでしまったことがあって、なにぶん荷物1つにつき、という計算なので、その時にはずいぶんお金がかかったって失敗したな、と思いました。大きいバッグに1つにまとめればよかったです。
まあ、それもこれも経験ですね。
ちなみに、なんで5ドルかというと、チップを紙幣で渡すのですが、1ドル札の次に大きいのが5ドル札だから。
House Keeper / ハウス・キーパー
いわゆる客室清掃です。最近は外国人の働き手も増えていますね。夏休みのリゾートなどでは、学生のバイトも多いです。いわゆる、リゾート・バイトって言うやつ。
連泊のときには、使った分のコーヒーなどのアメニティを補充してくれたりもします。キーパーさんには、毎日チップを置きます。やっぱり今は一晩5ドル位かな。
私が1度出会ったキーパーさんは、アメニティの小さなボトルのローションの匂いがとても良かったので、「私、これすごく気に入った!」と言ったところ、最後の日に山ほど置いていってくれました(大笑)。
もちろん、そのラスト・デーにまとめて、大きめの金額で御礼をしてきました。そんなことは、めったにありませんが、楽しい思い出の1つです。
Outdoor staff / アウトドア・スタッフ
エントランスの外側に立ち、お客様をお迎えしたり、駐車場への誘導や、大きな荷物を館内まで運んだり、ホテルの外での勤務がお仕事です。雨の日や風の強い日、寒い時期には大変なお仕事ですね。
基本的にチップはなく、車を動かす際なんかは、パーキングスタッフの方にチップを渡すのですが、すっごい重い荷物なんかを車から運んでもらった時とかは、渡したりもします。
GM(General Manager) / ジェネラルマネージャー
いわゆる総支配人のことですね。我々がお目にかかる事はまずないですが、ホテルはこの方がキーとなっていると思われます。
お客様の立場に立ってくださるのか、それとも営業側の、利益をまず第一に考える方なのか、ジェネラルマネージャーの性格次第で、そのホテルの色合いが変わってくるのだそうです。なかなか興味深いですね。
会うことはないけれど、そのホテルで働いている人をみると、その陰にいるマネージャーがどんな人かわかる気がします。
他におホテルスタッフさんのお仕事はいろいろありますが、今回は、私たちがゲストとして訪れた場合に直接関わるであろう職種の方々を取り上げてみました。
ホテルに泊まられる時は、お役立てくだされば嬉しいです。
それではまた来週♫
Kayo
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。