おはようございます。
木曜日のCozyです!
突然ですが,あなたは食事中に
「お代わりどうですか?」
と聞かれて,英語でなんて答えますか?
きっと多くの方が
“Yes, please.”
(はい,お願いします)
“I’m fine, thank you.”
(大丈夫です,ありがとう)
と答えるんじゃないでしょうか。
先日,ふとアメリカでのホストファミリーとの暮らしを思い出していたんです。
温かい食卓で,ホストマザーが私にこう尋ねてくれました。
“Would you like some more?”
(もっとどう?)
私は遠慮がちに
“Yes, please.”と答えました。
すると,お母さんが返してきた言葉,
どんな言葉だと思いますか?
そして,その一言から私は何を学んだと思いますか?
― 「自分でどうぞ!」まさかの返答 ―
私が
“Yes, please.”
と答えた瞬間,ホストマザーは笑顔でこう言いました。
“Help yourself!”
私は,心の中で
(え?自分で?)
と思ったんです。
だって,ここはホストファミリーの家。
勝手に台所の鍋からお代わりを自分でよそうなんて,失礼だと思ったんです。
だから私は,お母さんがお皿にパスタをよそってくれるものだと思っていました。
でも,お母さんが言ったのは
“Help yourself!”
直訳すれば
「自分でどうぞ=ご自由にどうぞ!」
という意味。
つまり,
「どうぞ,あなたが好きなだけ,自分で取ってね」
というメッセージだったのです。
その時,お母さんと話してハッとしました。
お母さんは,
“This is your home!
(ここはあなたの家よ!)
You’re not a guest, you’re family.
(あなたはお客様じゃなくて家族なの)
Go ahead and grab more whenever you want!”
( いつでも好きなときに,遠慮なくお代わりしてね!)
この言葉に,心から嬉しくなった私。
その日から私は,態度のデカい,本当に遠慮をしない息子になったのでした(笑)
― 衝撃!短すぎるパスタの秘密 ―
ところで,この日の夕食のパスタ,とても印象に残っているんです。
お母さんが作ってくれたトマトソースパスタなのですが,その調理法が斬新だったんです!
お母さんは,茹でたスパゲティの入った鍋にトマトソースを入れると,
な,な,なんと!
しゃもじのようなもので,スパゲティを何度も何度も切っていくんです。
鍋の中でザクザクと…まるでポテトサラダでも作るかのように。
そして,最終的にパスタの長さは3〜5cmくらいになりました。
よく,パスタはフォークにくるくる巻いて食べますが,このパスタはそんな心配は全く不要!
フォークでスプーンのようにすくって食べるんです。
「こんな作り方があるんだ!」と,私はとても驚きました(笑)。
カルチャーショック!と思ったのですが,こういう作り方って日本でもするんですかね?
まあ,味はとっても美味しいのでまったく無問題でしたが(笑)
― 遠慮はいらない,家族なんだから ―
“Help yourself!”という言葉と,あの「短いパスタ」。
この二つが,私に大切なことを教えてくれました。
お母さんは私を「お客様」としてではなく,「家族の一員」として見てくれていたんですね。
「家族なんだから,遠慮はいらないわ。好きなものを,好きなだけ取って食べていいのよ。」
そんなメッセージが,このシンプルな
“Help yourself!”
という言葉に込められていたのです。
日本でも誰かのお宅にお呼ばれした時など,
「どうぞどうぞ,遠慮しないで」
と,相手が気を遣ってくれることありますよね。
でも,たいていは相手がよそってくれたりします。
その感覚とは全く違い,
「どうぞご自由に!」
と,最初から自分に任せることで,より親密な関係を築くチャンスを与えてくれていたような気がします。
この “Help yourself.”で学んだのは,それだけではありません。
結局のところ,言葉も食文化も,その裏にある「心」を理解することが大切なんだということ。
この,たった一言の “Help yourself!” から,私はホストファミリーとの絆を強く感じたのです。
あの日の短いパスタ…
斬新な調理法のあのパスタ…
私にとって
「遠慮はいらない,家族なんだから」
という,温かいメッセージが込められた「特別な料理」になりました。
あなたも,海外で食事をする機会があって,もし
“Help yourself!”
と言われたら,それは
「さあ,遠慮なく!」
という,相手からの最高の「ウェルカムサイン」だと思って,笑顔でお皿に盛ってみてくださいね。
きっと美味しい食事になること間違いなしですよ!
さて,今日のお昼は何を食べますか?
トマトソースのパスタなんていかがですか?(笑)
それでは,今日も良い一日を!
See you next week~!
英語教材開発・制作者
米国留学から帰国後、幼児・児童英語教師を経て、中学・高校英語、受験英語、時事英語等多岐にわたる指導を行い英語教師経験を積む。また、ホテル勤務での実践英語経験を積んだり、カナダにて現地の子どもたちの英語教育にも携わりながら、CertTEYL(世界での児童英語講師認定コース)の認定を受ける。さらに、青山学院大学でTutoringの研究員としても活動。英語講師養成のeラーニングコースの日本での立ち上げメンバーとなる。「現場での経験を教材に活かしたい!」と、現在は英語教材開発会社にて日々教材開発に勤しむ。高校入試用のリスニングトレーニング教材(塾・学校向け)は累計10万部以上のベストセラーとなる。英語教材開発の傍ら、全国の英語教師への研修なども行う。また、土堂小学校(広島県尾道市)での英語指導や、初の民間校長として一躍時の人となった藤原校長(当時:杉並区立和田中学校)が手掛けた英語コースの指導に2年間携わるなど、英語教育に関する多様な分野で活躍。大の犬好きから、ホリスティックケア・カウンセラーなどペット関連の様々な資格を取得し、ペットライターとしても活動中。