おはようございます。
木曜日のCozyです!
昔,英語の授業で,以下の英文を使用したことがありました。
“The soldiers dropped their arms and ran away.”
これ,どういう意味だと思いますか?
ある生徒は,
「兵士たちは腕を…落として…逃げた」
と意味を捉えたんです。
まあ,そうなりますよね。
でも実はこの “arms”,複数にすることで
「腕」
という意味ではなくなるんです。
あなたはどういう意味だと思いますか?
― 「腕」と「武器」?―
“arm wrestling”(腕相撲)があるように
「腕」
という意味ですよね。
もちろん,複数形にすると
“arms”=「両腕」
という意味もあります。
でも,
“The soldiers dropped their arms and ran away.”
という文章を見てください。
“The soldiers” = 兵士たちは
“dropped” = 落とした
ですが,何を落としたのかが,
“their arms”
となります。
これを「両腕」と訳してしまうと大変!
みんなが腕を落としちゃったら,それはもう惨劇です。
実はこの “arms”は,
「武器」
という意味なんです。
だからこの文章は,
「兵士たちは自分たちの武器を捨てて,逃げた」
となるんです。
“arms” 「武器」と,“arm”「腕」という単語は,それぞれの語源は「別のラテン語」なのだそう。
「腕」の “arm”:ラテン語 armus(肩,前脚)
「武器」の “arms”:ラテン語 arma(武器,戦争の道具)
なんですって。
よく考えると,“armed”(武装した)や “firearms”(火器)も,この意味の延長線上なんですね。
体の一部が,戦いの道具になるとは…
英語って面白いですよね。
― “arms”と “weapon”の違い―
“arm”(腕)に “s”をつけて複数形にすることで,
“arms”(武器)
になることがわかりました。
でも,同じく「武器」と言えば
“weapon”「ウェポン」
という言葉も聞いたことがありませんか?
ちょっと昔になりますが,
“ Lethal Weapon”(リーサル・ウェポン)
という映画があったのをご存知ありませんか。
メル・ギブソン演じる命知らずの刑事コンビが暴れまくる,80年代を代表する刑事アクション映画です。
そのタイトルにもある “weapon”も「武器」という意味であり,
“Lethal Weapon”は,
「致命的な武器」
となります。
じゃあ,
「“arms”と “weapon”はどう違うの?」
って思いませんか?
実は明確な違いがあるんです。
“arms”とは,武器全般を指すのですが,特に軍事目的で使われる武器や兵器を指すことが多いんです。
一方, “weapons”は,
「攻撃や防御のために使う道具すべてを含む語」
なのです。
つまり,
“arms”は,主に軍事的な武器に使われる言葉ですが,”weapon”は
「軍事以外の武器も含む」
ということなんですね。
だから,一般人がナイフや銃,その他の危険なものを持っている場合も
“weapon”
と言えるんです。
この動画を見てください。
↓ ↓ ↓

アメリカに不法滞在していると思われる外国人の女性3名が,
ウォルマートで万引きをしたにもかかわらず,
「サングラスを盗むくらいは犯罪ではない」
と言い張る動画ですが(ちょっとすごい考え方ですが…(^_^;))
ここに出てくる男性警官が
“Can we bring them to our office, so we don’t know they have…”
(まずは署に連行しましょう,ここだと何を持っているのかわからない…)
と同僚に言います。(1:35頃)
そのあとに,女性警官が
“Yeah, well…let me make sure they don’t have any weapons.”
(そうね,でも,まず彼女らが武器を持っていないかを確認させて)
と返答します。(1:37頃)
この状況での「武器」って,軍事目的ではないですよね。
このように,軍事以外の「武器,凶器」という意味でも使われるのが
“weapon”
なのです。
でも,
「 “arms”と “weapon”…どっちがどっちか覚えられないよ…」
という方,ご安心を。
主に軍事目的で使用される武器は, “arms”ですが,
軍や陸軍のことを
“army”(アーミー)
って言うじゃないですか。
ほら, “arm”が入っていますよね。
だから, “arms”の方が「軍事目的の武器」となるわけです。
ちょっとだけ覚えやすくなったでしょ?
さて,今回は “arm”と “arms”の違いと, “arms”と “weapon”のニュアンスの違いに話を広げてきました。
同じ “武器” という意味でも,
“arms” は軍隊っぽい。組織的,政治的な背景もにおう感じです。
一方,“weapon” はもっとストレートで具体的。
個人で使う凶器のような響きもある。
──そんな感覚の違い,少し伝わったでしょうか?
英語って,ひとことで言えそうなものでも,背景や文脈で印象がガラッと変わることがあるんですね。
ただ単語の意味を覚えるだけじゃなく,こうした
「どんな場面で使われるのか」
ということも意識しておくと,英語との距離もぐっと縮まり,そのニュアンスも掴みやすくなると思いますよ。
それでは,今日も良い一日を!
See you next week~!
英語教材開発・制作者
米国留学から帰国後、幼児・児童英語教師を経て、中学・高校英語、受験英語、時事英語等多岐にわたる指導を行い英語教師経験を積む。また、ホテル勤務での実践英語経験を積んだり、カナダにて現地の子どもたちの英語教育にも携わりながら、CertTEYL(世界での児童英語講師認定コース)の認定を受ける。さらに、青山学院大学でTutoringの研究員としても活動。英語講師養成のeラーニングコースの日本での立ち上げメンバーとなる。「現場での経験を教材に活かしたい!」と、現在は英語教材開発会社にて日々教材開発に勤しむ。高校入試用のリスニングトレーニング教材(塾・学校向け)は累計10万部以上のベストセラーとなる。英語教材開発の傍ら、全国の英語教師への研修なども行う。また、土堂小学校(広島県尾道市)での英語指導や、初の民間校長として一躍時の人となった藤原校長(当時:杉並区立和田中学校)が手掛けた英語コースの指導に2年間携わるなど、英語教育に関する多様な分野で活躍。大の犬好きから、ホリスティックケア・カウンセラーなどペット関連の様々な資格を取得し、ペットライターとしても活動中。






