NYの平木かよです。
セントラル・パークの木々も
青々と夏真っ盛りのニューヨーク
春まだ浅い3月16日に始まったロックダウンが続く中、
6月22日より第2フェーズビジネス
(小売業、サービス業、レストランの屋外営業など、
ソーシャルディスタンスを約2メートルとり、
全員マスク着用、収容者数の50%までなどの制約付きで)
がオープンされました。
第1フェーズは農業、林業、森林業や卸売業など。
4月には連日800名近い死者を出していた
このニューヨークにも、少しずつ、
普段の生活が戻って来そうな感じです。
さて今日は、そんなコロナ禍でも
静かに各地域で行われている、
アメリカでの警察官による
黒人殺人に端を欲した抗議運動について、
お話しましょう。
アメリカでは、「ジューンティーンス」
と呼ばれる1965年6月19日まで、
奴隷制度がありました。
信じられないとお思いでしょうけれど、
つい65年前まで、黒人と言うだけで、
白人により牛馬のように
売り買いされていたのです。
白人の屋敷で働く黒人は肌の色によって、
仕事にも制約がありました。
色が薄ければ屋敷内でメイドの仕事ができますが、
肌の色が黒ければ外の農園でしか働けないなど、
いろいろ制約があったそうです。
今では考えられないことですが、、
さらには、奴隷黒人の命が所有者に
100%委ねられた法律が、
白人により作られ、実際に存在したのです。
「グリーンブック」という映画をご存知ですか?
この映画の中に登場する
素晴らしい芸術家でもありピアニストの主人公も、
黒人であるが故に、、建物内のトイレを
使うことが許されませんでした。
私たち日本人も同じ有色人種です。
日本に住んでいれば人種差別を受ける事は
ほとんどないかも知れませんが、
人間は皆平等でありたいと祈ります。
「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も、大切)」
今日も世界各地で静かに抗議集会や
デモが行われています。
日本のTVニュースでは暴徒化ばかりが
話題にされたかもしれませんが、
実際には、それらはごく一部であり、
国籍を問わず人種や年齢を問わず、
一般市民が、自分たちが素直に当然だと
思えることを社会に認めさせようと、
行動しています。
6月12日、ニューヨーク州知事の
クオモ氏が先陣を切って、
警察官が容疑者拘束時の首絞め禁止、
などの条例にサインをしました。
日本は世界でも珍しく、
歴史的に奴隷を一切使わなかった国です。
幸い奴隷にもならなくてすんだし、
奴隷を使ったこともない。
日本人は人類皆平等は当たり前だと
思っているでしょうけれど、
世界はそうでは無いのだという
ことも知って欲しい。
どんな肌の色でもお互いに
リスペクトできるような社会を、
これから皆で声を上げて
作っていきたいと思います。
Kayo
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。