先日、久しぶりに、マンハッタン徒歩圏内ですが、お出かけらしきお出かけをしてみました。コロナ禍では、ここニューヨーク1年7ヶ月の間、不要不急の外出(散歩以外)はしないようにしていたので、久々のお出かけです。
学校も始まったし、きっと平日は空いてるだろうと、アメリカ自然史博物館へ。博物館のプラネタリウムで上映されている、宇宙に関する最新の映画25分も観ようと。
この博物館は、2008年のアメリカのヒット映画「ナイト・ミュージアム」の舞台となったところなので、映画を観てご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。実物大の目を見張るほど大きな恐竜の骨が目玉で、数々の動物たちや、世界中の歴史的な標本などが、ところ狭しと並んでいます。
NY居住者は寄付金のみのはずが・・・
まずは博物館の入り口。セントラル・パーク側の正面玄関ではなく、プラネタリウム側の入り口から入ります。こちらはいつもガラガラなので、好きです。
そして料金所。パンデミック後の再開にあたって、ニューヨークでは、どこの建物内もそうですが、マスク着用やワクチン証明書提示はもちろんのこと、入場時間も、ネットで予約しておくこととなりました。
ある程度の収容人員までしか、入れないようにするためと思われます。私たちの予約は午後1時。時間ぴったりに料金所に到着。
ニューヨークに居住している人は、一般入場料18ドルでなくて良く、寄付金で済みます。そのつもりでいたのですが、プラネタリウムで最新の映画を見るとなると、追加料金がかかり、寄付金だけでは済まず・・・。
入場料も普通に、一般客と同じ料金 + プラネタリウム映画料金で、ひとり$28(約3,080円)を支払わねばいけないとの事。
観光客用に設定されている値段なのでちょっと高い気がしますが、せっかく来たので見ることに。
プラネタリウムの解説は英語のみ
そしてそのプラネタリウム。のんびりと、季節の星を眺めるのかなと思ったら、そうではなくて、最新のコンピューターグラフィックを駆使した、立体的な、オーケストラ音楽付きのナレーションで、銀河系の様子をフィルムビューイングでした。
ひとつ残念だったのが、Netflixのテレビドラマでも、世界各国の言語で見ることができる今のご時世、世界でも名だたるニューヨークの、これだけ有名な世界史博物館での、25分位の映画なら、ナレーションはもちろん外国語でも解説がついているのだとばかり思っていたところが、英語のみ…。
銀河系(天の川銀河)の学術用語、専門用語や固有名詞がたくさん出てくるので、うーん、よくわかりませんでした。もともと、宇宙の事などよく知らないので、もっとちゃんと勉強してから、もう一度見に行きたいと思います。
博物館本館へ
プラネタリウムを出て、本館に入ると、各階ごとのマップがあります。まずは恐竜たちの壮大な骨を見学。
初めにお伝えした映画「ナイトミュージアム」の主人公は博物館の警備員でしたが、いくら警備員のお仕事といっても、夜中に懐中電灯で博物館を1人で歩くのは、きっと薄気味悪いだろうなと思われます。(笑)
大きな恐竜の骨などを見学した後、南米の方を見に行こうと思ったら、残念ながらそちらは休館、リノベーション中。
代わりにアジアの展示を見に行ったところ、日本の展示物を発見。
昭和の初めのひな祭りの様子や、能面の数々。一般庶民の江戸時代の家屋の模型や、サムライ、日本の四季の風習、象牙細工などを興味深げに写真に収めてみました。
博物館観覧を終えて
いや、なかなか、良い刺激になりました。普段気付かず見過ごしていること、あまり詳しくないので、あまり深堀りしないこと、自分たちが生まれるもっともっと前のこと、もっとちゃんと知りたいと思いました。
今は、YouTubeとかで、以前よりも、もっと楽にいろんなことが勉強できますよね。良い時代になったと思います。知らない、ですませず、銀河系の事とか、自分でちゃんと調べてみよう。
訪れた当日は、やはり学校が始まっているので、就学前の幼児が多かったのですが、恐竜の標本を怖がってたりもしたので、もうちょっと大きくなってから、また再度親御さん達が連れてきてあげられたらいいなぁ、と思いました。
P.S.
[創始者セオドア・ルーズベルトの銅像]
博物館の正面のエントランスには、1940年より、立派な、第26代アメリカ大統領、及びニューヨーク州知事でもあった、セオドア・ルーズベルトの銅像があります。
この方のお父さんも、博物館を作るために多大なる働きをされたそうで、長年尊敬すべき人物だと思われていました。しかし、この馬に乗った彼の勇姿の両脇に、徒歩のアメリカ先住民とアフリカ黒人を従えていることが、人種差別として見られ始めました。そして、多くの人々の意見により、この銅像は撤廃されることとなったそうです。
いろいろな見方ができると思いますが、時代の流れとともに、人々は皆平等であるべき、と言う理想に近づいているのですね。ここアメリカではなかなか難しい事かも知れないけれど、素晴らしい動きだと思います。
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。