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米国の家庭の18歳ルールとは!?

World Lifeな生活
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古いお話で恐縮だが、Swatchが中学生のころ、海外文通が流行っていた。世界の国々の同年代と英語で文通をするのだ。今は、世界中でSNSでコミュニケーションしたり、友達になったりできる。

当時は、手紙を通じてのやり取りで友人を作っていた。大体、国際便が届くのに、アメリカでも2~3週間が必要だった。手紙が一往復するのに、3か月ぐらいかかった気がする。英文で手紙を作成するにも、辞書を片手に書いていくので、1か月かかることもある。アメリカのウイスコンシン州に住む、ペンパル(文通相手)とは2年ほどやり取りが続いた。

2年の終わりになり、そろそろ高校進学について真剣に考え、米国のペンパルの進学について聞いてみると、高校を卒業したら、親元を離れてニューヨークの大学に進学するつもりだという。

他州への大学進学を高校に入る前に考えていることに驚きをしめすと、アメリカじゃ普通だという。日本では、地元の大学に通うことがほとんどだと書くと思いもよらない質問が返ってきた。

「高校を卒業して自宅にいて、両親に嫌がられないの?」という質問だ。

<高校出たら早く出ていけ!「18歳ルール」>

アメリカ人は、自分の子供たちが高校を出たら、一人前だという考えを持っている。
一人の人間として自分の人生を歩んでいけると考えるからだ。

日本国憲法は、教育をうけさせる義務を国民に課しているが、義務教育を終えて、それで親の責任は終わりだと考える親は少ない。子供たちのために、その後もしっかりと面倒を見てくれる。世話をしてくれる。時には、ず~と親のすねをかじらせてくれる経済力があり、優しい親も多い。

アメリカ人は、どの親も高校卒業後、子供が独立することを望んでいる。幼い頃から、「高校を卒業したら家を出ていきなさい」と子供に教育する。「18歳ルール」である。

少年少女のバイトは大歓迎。バイトといえば雇用主が必要なので、正確ではないが、イベントでレモネードを売る、手作りのクッキーを売るなど、お金を稼ぐこと、ビジネスをすることを奨励する。

Swatchの文通相手も、大学進学への奨学金制度について話を聞かせてくれた。大学進学は、自分で準備する。そのためにやらなければならないことが、頭に入っていた。

同じ年齢とは思えないほど、しっかりと人生を見つめていたような感じだった。

一度だけ交換した顔写真は、カラー写真で、金髪が芸能人のように巻かれていた。考え方もルックスも、中学生の私には及ばないほど大人びていた。その考えが、親からもたらされたものであることは、十分理解できた。一つ勘違いしていたことがある。

それは、私のペンパルは、ある意味、経済的に恵まれていない家庭なのだと勘違いしたことだ。後年、アメリカ人の友人ができ、子供の話をした時に、みな同じことを言った。

「高校出たら、一人で生きていくのだから!」と。貧乏な家庭ではないのだ。

<アメリカ人の両親が子供に教えるコミュ力とは?>

文通は、2年ほどのやり取りで終わったが、就職後にアメリカ人とかかわることが多くなった。

Swatchの場合、職業柄米軍人との付き合いが多かったが、「18歳ルール」は、明確だった。

米軍人は、世界中に展開しており、危険な地域での勤務が多くある。軍人年金の受給資格ができれば、退役していくことが多い。ある意味、毎日生死について真剣に考えて、軍人生活を送っている。いつリタイアすべきかは、軍のキャリア・アドバイザーから詳細なアドバイスを真剣に受けている。

その考え方が、子供たちに影響するのである。子供は、軍人の子供として、近い将来、父母がいなくなる可能性を考え、自立する思いを強くするのである。

Swatchも米軍人の家庭に招かれ交際するのだが、その際も子供たちは必ず挨拶に顔を出す。私や日本に興味があれば、質問をしてくる。自分の将来のための情報収集なのだ。自分がどの方向に進むかを決め、そのために様々な方法で情報を収集し、人生計画に織り込んでいく。父親の友人ではなく、情報提供者としての客人なのである。

日本人的なお世辞で「立派な息子(娘)さんですね」と言葉をかけると、「来年は高校を卒業するのでね、と「18歳ルール」を強調する。

子供たちの進路は、大学進学が必ず含まれている。自分の行きたい大学へエントリーし、奨学金の手続きをする。または、軍に入隊し、軍で勤務しながら大学を卒業する。

そのほかにも、軍の指定する大学に予備士官候補生として入学し、大学のキャンパスで軍の教育を受けつつ、大学を卒業するなどのコースを選択する。そういった進路を、自分の言葉で家庭を訪れた客人に説明するのだ。自分のことを発信すること、自分の考えを言語化できる力が、素晴らしいと感じる瞬間である。

良く聞いてみると、軍人の父親の話し方に似ている。つまり、アメリカ人のコミュ力は親譲りなのである。そして何よりも、傾聴力がある。情報を聞き落とさない傾聴力があるのだ。

日本の親は、子供に対して簡単な言葉で話したりする。米国では、働いている父親が、社会で通用する話し方を子供相手に、家庭でレッスンをつけていると感じた。

それがアメリカの両親が子供に伝授するコミュ力である。

<自己主張しなければ、誤解されるだけ!>

日本では、自己中というとあまり良い意味では取られないことが多くあります。アメリカでは自己中心の考え方をしなければ、生きていくことが難しいのです。

そのために、自己主張することが非常に大切になってきます。

自己主張は、”Self-Assertion”といいます。これは、アメリカの大学の授業にもあります。

相手を批判するのではなく、自分がどう考えているのか、どう感じているのかを相手に伝えることです。これがなければアメリカの生活は成り立ちません。遠慮をして、自分のことを伝えることができなければ、相手から誤解されます。自己責任なのです。

アメリカ人の親は、子どもが言葉を話し始めると、why?と質問するようになります。
子どもが、「アイスクリームが好き」といえば、「何故」と問いかけます。
そして、”Because…….”と理由を言えるように教育します。

日本では、「アイスクリームが好き」と子供がいえば、「良かったわね。おいしいわね」というかもしれません。

これが自己主張の原点となります。子供の時から、大人の考え方を大人の言葉で教えられるのです。

日本人のように、相手の斟酌に期待するわけにはいかないのです。少なくとも日本人は、海外では少しばかり「自己中」で自己主張をしていく必要があります。それにより、自分のことを相手に伝えることができます。

相手が誤解してから、自分のことを説明しても、その誤解を解くことは難しいかもしれません。であれば、最初から、自分のことを相手にしっかりと伝えていきましょう。

自己中の社会でそういった経験をしているアメリカ人の両親は、子供たちにしっかりとした大人の言葉で、自己主張することを家庭で教えています。

「18歳ルール」とコミュ力の伝授。あなたの家庭でも、あなた自身も試してみてはいかがでしょうか。

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