英語版の「ゴルゴ13」を見つけ、一冊取り寄せました。
でも冒頭から絵の連続でセリフがない。ただ色々アルファベットが並んでいるだけ。どうやら効果音のようです。場面は黒人青年がゴルゴとコンタクトする寸前。
今回あなたに伝えたかったのは、漫画以上に面白かった日本語との効果音の差。
そこで効果音にスポットを当ててみました。
(カッコ内が日本語)
<実況中継?:スナイパーとの接触>
深夜の場末。ブリキのゴミ缶に躓く一人の黒人青年TUNK KLNAGGG(ガラガラン)
札束がはみ出るほどのバッグが、彼の手から落下 WHUMP(ドサッ)
彼は慌ててバッグのチャックを絞め直すkkkrrrrrkkkkkk(ビー―――ッ)
そしてバッグを抱きしめるfmp (グ・・・)
響き渡るパトカーのサイレンWEEEEEEEN EEEEE EEE(ファオン フオン フオン・・・・)
サイレンが近く、大きくなる。
EEEEEEEEEEEEEEEN EEEEEE EEEEE(ファオン ファオン ファオン~~~~~~~~~~ッ)
(バッグを抱え座り込み隠れる黒人青年)。パトロールの警官の足音が通りすぎる
THMP THMP THMP THMP THMP(カツ―ン カツ―ン カツ―ン カツ―ン カツ―ン)
ゴルゴが黒人青年にTHMP THMPと接近。“Sammy Brown?”と問われ、青年がギクッ。
「ギクッ」は実際の音のない「擬態語」。なので対応する英語表現がないみたい。ゴルゴの足音THMP THMPで代用したのでしょう。その足音は逆に日本版には、なしでした。
擬音語と擬態語:ガンガン叩く(音の出る擬音語)、ぐんぐん進む (音の出ない擬態語)
さて表で見ても、日本語と英語と随分違う感じ。
日本語は音というよりセリフか言葉のよう。それに対し英語は純粋な音の感じ。
「音」を何とかアルファベットで表そうとしているみたい…以上が私の第一印象。
思い出すのは角田忠信氏による「音」を脳は左右の脳どちらで聞くかの調査。脳の情報処理半球が国民でどう違うか調査したもの。1980年代にはブームだったみたいです。
<角田理論がゴルゴを切る?>
まず基本的に人間は左が「ことば」脳、右が「音」脳(と以下角田氏の言葉)
西欧と日本で違うのが、言語音・感情を表す声(泣・笑等)・自然音(動物の声、風等)のグループ。
(図の )
西欧人はこれらを右脳で音として処理。一方日本人は左脳で言葉として処理。
ただ少し細かいが西欧人が右脳処理する言語音は母音単独の場合。子音と一緒だと左脳処理。(図の➡)
結局日本人は母音や感情の声だけでなく、風や川のせせらぎ、虫の声といった自然の音も言語のようにとらえている…が角田氏の研究の概要らしい。
関連して私が思いつく事件は、ある旅館に旧ソ連の交響楽団が宿泊。粋なおもてなしをと、店が庭に鈴虫を大量に放したところ”Stop that noise!”と苦情が来たとか。
西洋人は音楽家でも虫の音嫌い…これは機械的な「音」に感じる為か。角田理論ならスンナリ説明できそうです。
ゴルゴに戻ると、結局効果音の第一印象は正しかったかも。日本語では言葉的・セリフ的。
他方英語では純粋に雑音とか機械音的。物理的な音とも言えそう。hmpなんて発音に困るw。アル
ファベットを屈指、文字サイズも変えたり純粋な音を精一杯表そうとしてます。
(「ドサッ」みたいな英単語があれば、楽なのに~)と思いましたw。
英語や英語の文化・発想を学び、このような意外な差がもっと見つかると良いですね。
ただ脳の処理半球の違いは、もっと研究が進み新説が登場する気がするのですが…
See you soon,
Jiro
<英語版>
知ってる内容を英語ルートで理解する。洋画で字幕を読んで英語を聞くように。
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追記:
今回はゴルゴ13のお話でしたが、あなたはゴルゴ31の方がおなじみかも。ゴルゴ31とは漫画の批評サイトだそうです。
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◯日本人の脳―脳の働きと東西の文化
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私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員