最近はパンデミックの際の影響もあり、あちこちのグロッサリー・ストアで、デリバリーをしてくれるようになりました。そんな中でも、街中をしょっちゅう大きなトラックが走っているのを見る、グロッサリーで有名な『Fersh direct / フレッシュダイレクト』。
配達してくれる分、割高なのかなという思いと、以前はグロッサリー(食料品)は自分でお店に行き、新鮮さや、傷のあるなしなどを確かめたりしてから買うのが普通だと思っていたので、頼んだ事はありませんでした。
パンデミックで、人々が買い物に出たりするのを控えるようになったこの数年間を鑑みると、今となっては、この業界の走りだったんだな、と思います。
先日、地下鉄で1車両全部このフレッシュ・ダイレクトのコマーシャル!というのを見つけて、内容を見てたらとってもユニークで、いいな!と思ったので、今日はそのコピーをご紹介しますね。
まず1つ目、「”bun in the oven” bag / バン・イン・ザ・オーヴン・バッグ!」の買い物リスト。バンってパンの事なので、一瞬パンを焼くリストの事かな、きっと小麦粉とかイースト?と思って読み始めたら、パン、アイスクリーム、冷凍のカリフォルニアロール(巻き寿司)、カップケーキ、そしてアイスキャンデー。
そっか、そっか、思い出しました。「バン・イン・ザ・オーブン」って、ちょっと古めのイディオムですが、「おめでた中の女性」の事でした。お腹が空くそうですよね〜。確かに、もうちょっと待っていれば、オーブンから、待望の素晴らしいものが出てきそうですね(笑)!
と言うわけで、妊娠中の女性がオーダーする位、カロリーのちゃんと取れるものが山盛りだったわけですね。
さて次は、「“break-up” bag / ブレイク・アップ・バッグ」 ふられちゃった日の、今日のお買い物リストです。
アメリカでは、そういうときには、とにかく、食べます!、やけ食いです!日本ではどうかしら、おしとやかな日本女性は、夕暮れの、部屋の片隅でヨヨヨと泣き崩れる、ようなイメージがありますが。(笑)
でも平安時代じゃあるまいし、どちらかと言うとやけ食いに走るのは、日本人も同じなのでしょうか。
さて、このリスト。アメリカでは、まず、やけ食いといえば、大きなアイスクリームです。日本で言う、いわゆる「大き目のアイスクリーム」の、ここはアメリカですから、多分2〜3倍大きい、ファミリーサイズのアイスクリーム、チョコレートピーナツバター味。これに、ホイップクリームをたっぷりトッピングして☆
サイドには、アメリカ仕様の大きなケーキを。一切れではなく、ホールでオーダーします!チョコレートがたっぷりかかった、バニラ・スポンジが何段にも重なったケーキで。
後でお腹が空くといけないから、大きなピザも一緒に購入しておきましょうね。そして忘れちゃいけないのは箱ティッシュ。ぐいぐい食べながら、とにかくふられた悲しみを、今晩一晩、食べて泣いて忘れちゃいましょう!ってそんな感じです(大笑)
最後は、「“appy hour” bag / ハッピー・アワー・バッグ」。これはわかりやすい。
スティック野菜の詰め合わせ、フルーツとチーズのプラッター、フレンチ・オニオン味のボール(丸い)・パイ、それらは皆、ワイン等とバッチリ合うフィンガー・フードですね、パーティーにぴったり。
そして小瓶の液体は「ビター」、これは後ほど説明しますね、カクテルには欠かせない存在だそうです。それと、トニック・ウォーター。これにジンがあれば、暑い季節にはぴったりのジン&トニックが、出来上がります。
はてさて、突然登場した小瓶の「bitter / ビター(苦い)」ですが、私も名前しか知らなかったので、少し調べてみまた。これは、魔法の1滴でカクテルがぐんと美味しくなったりする、
「カクテル・バーのカウンターに、このビターがないなんて、塩のないキッチンと同じだ」
と言われるぐらいの物らしいです。(この会社の宣伝文曰く、笑)
製造方法はなんとシークレットで、各種の樹皮、スパイス、香草、精油等がアルコール(現在はラム酒)に漬けられたリキュール、だそうで、1滴でぐぅんと深みが出るので、小さなボトル(200ml)で販売されているみたいです。なんだかウキウキしちゃいますね。Sounds good!私も買いたい〜。
さて、今週は、フレッシュ・ダイレクトのコマーシャルを取り上げてみました。電車の中って暇ですから、こんなの読んでると、楽しいですよね。まだまだいろんなのがあるんですよ。
ニューヨークの地下鉄は、いまだに駅と駅との間はWi-Fiが途切れるところがありますし、また、安全のためには、ケータイに夢中にならない方が良いのは、当たり前。
危険回避のため、地下鉄の中で携帯は絶対に出すな、と言う人もいるぐらいです。ケータイのひったくりが、よくありますので。
ゆったりと周りのことに気を配りながら、地下鉄の中での時間を、過ごしたいものです。東京では、考えられないことかもしれませんが。
ではまた次回♫
Kayo
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。