先日の記事で紹介したのは、ニューヨークの書店で行われている色々なイベント。
参加者が(アルコールも?)ドリンク片手に、本棚の脇で盛り上がるクイズ大会も、元の映像では流れていました。
そもそも、私は30年程前に訪れたカナダの書店で、飲食が普通に行われていたことが衝撃でした。
各階に広いドリンクコーナーがあり、まだ買ってない本をめくりながら、コーヒーとか飲んでいたんです。
(うっかり汚す心配はないのか?汚れたらどうするの?)日本の書店や図書館では飲食は、ほぼタブーなのでは。
実際、地元島田市の図書館は、もっと厳しそう。
「蓋なし飲み物の持ち込み禁止」とあります。
大らかな米だって、図書館なら厳しいのだろうか、館内飲食はどの位赦される….?頭の中が???で一杯にwそれで、ネットで米国図書館での飲食について調べ、日本と比べることにしました。
まず、ニューヨークの公共図書館。
ある棟にAmy’s Breadという店。営業が平日朝10時~夕方4時と。
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The Library Café by Amy’s Bread welcomes visitors and scholars alike to enjoy coffee, pastries,
(こちらの店は図書館を訪れる方誰でも歓迎します。コーヒーにパストリ)
and more during your visit to this building!
(などなど…この建物においでの際はぜひ。)
The menu at Amy’s Bread rotates daily and features an array of handmade pastries, unique sandwiches, healthy salads, decadent sweets, and more.
(メニューは日変わり、手作りペストリーに、特製サンドイッチ、健康志向のサラダ、蠱惑的スイーツ等ございます。)
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何だかおいしそうで、読書を忘れそう。
こんなの食べながら読んでいて、ページにベチャーッ…は起きないのでしょうか?それとも自己責任で、汚せば弁償になるのでしょうか?
とにかく日本みたいに、前もって一律飲食禁止とかは無縁のようです。
お次はボストンの公共図書館。
2棟の中にレストランや催事場等5,6はある様子。そのうちのBoylston Hall。
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New and novel, Boylston Hall is a bright, open and modern space perfect for a cosmopolitan wedding or stylish corporate event.
(斬新なボストンホールは明るく開放的な空間、国際結婚の場や、洒落た企業イベントなどに理想的な現代空間です。)
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図書館で結婚式?!何だか、飲食禁止へのこだわりが、スケールが小さく思われてきましたw。
最後に、私の50年近く前の留学先、Eau Claire(オークレア)市の図書館を覗きました。
片田舎だからでしょうか、カフェもレストランもなさそう。夏のイベントとかの告知がずらずら。
で、一枚の写真に目がとまりました。10代向けのイベントのよう。ずらっと開いた本の上に、女の子が座っている!。手にはコーヒー入りカップが!
そんな写真がのること自体、館内での飲料の、日本的な一律禁止はやはり縁遠い感じ。
よしそれなら!、とその図書館に直接メール。飲食制限の様子、汚れへの対応など質問しました。そしたらレフェレンスの方から、ほぼ次のような返事が。
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Our library does allow small snacks and lidded, non-alcoholic beverages…
(この図書館では確かに小型のスナックや蓋つきソフトドリンクを飲むのを認めています。)
We have two vending machines …
(それ用の自販機が2台あります。)
We do prohibit any larger food or beverages that could be considered a full meal, as well as anything that carries a strong odor.
(あくまで軽食で、大掛かりなディナーとか臭いの強いモノとかは禁止です。)
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(図書館からの返事の続き)
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If books are returned after checkout with food or drink stains, ….customers may be held accountable for replacement fees.
(もし本が食べ物や飲料のシミ入りで返却されたら買い替えの代金請求の可能性があります)
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日本に比べてルールは緩いみたい。
”larger food, full meal(大掛かりな、正式な食事)は禁止”は驚きです。
(それ図書館内でしょ?常識の範囲では?)とツッコミたくなりません?
逆に言うと、禁止範囲は狭く、緩いルールということでしょうね。
弁償に関しては、ある意味予想通り。最初からルールで縛る感じは少ないんですね。
さて図書館の方が最後に加えた自販機設置のワケは、意外でした。
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As the largest library in our system, we serve a diverse group of people,.
(我々地元最大の図書館サービスの受け手は多様な人々です)
…Some homeless individuals do not have anywhere else to go during the day,
(ホームレスの人々の中には日中行き場がない方も)
and our allowance of small snacks and beverages helps to make the library a more welcoming and friendly place for them.
(スナックや飲み物の自販機があることで、多様な人にとり、よりオープンで優しい図書館になっています。)
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小規模な図書館ではいざ知らず、地元図書館の中心なので、ホームレス等の方用の食事場所を確保する、という図書館の一般職員の言葉は、心に染みる気がしました。
日本の図書館の「飲食禁止」に社会的弱者/多様への配慮はあるでしょうか。一部の市民だけ締め出されるなら、「公共」図書館の名前倒れになりそう。
利用者だって同じです。私自身、図書館で多様な人々に会うと、心の中で顔をしかめていたと気づきハッとしました。そうした自分の反応が恥かしくなりました。
最後に大雑把なまとめです。
日:汚れ防止を優先。最初から飲食(ほぼ)一律禁止。
米:禁止は限定的。汚したら責任が発生。多様性へ配慮。
今回の調査、楽しかったし、考えさせられました。
その記事をお読みいただき有難うございます!
あなたもこんな風に、英語と文化の両方を学んで行けると良いですね。
See you next time,
Jiro
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私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員