おはようございます。
Cozyでございます。
よく「日本人が使いがちな失礼な英語」
のような書籍や動画がありますよね。
もちろん
「ためになる」ものも多くありますが,中には
「それは違うんじゃない?」
と思わず口にだしたくなるようなものも。
でも,
「それは同意!」
と,声を大にして言いたくなるような納得できるものもあるんです。
さて,それはどんなことなのでしょうか。
― “please”だから丁寧とは限らない―
私たちは, “please”をつけると
「丁寧な表現になる」
と教わってきたと思います。
確かに間違いではありません。
例えば,
(ファミレスなどで)
“Can I have a cheeseburger, please?”
“I’ll have spaghetti, please.”
と言えば,
「チーズバーガーをお願いします。」
「スパゲティをお願いします。」
のように
“Can I have a cheeseburger?”
“I’ll have spaghetti.”
だけ言うよりも少し丁寧になります。
でもこれは,普通の主語・動詞のある文章になっている場合。
動詞から始まる「命令形」になってしまうと,ちょっと注意が必要なんですね。
仕事のメールなどで,
“Please reply as soon as possible.”
(できるだけ早めにお返事お願いします。)
などのように書かれていると,
“Please”を使った丁寧さの中に,
ちょっと「上から的なニュアンス」や「冷たさ」を感じる事があります。
なので,そんな場合は文章の形にして,
“Could you reply as soon as possible?”
「できるだけ早めにお返事いただけますか?」
にするといいですよ。
また,この最後に “please”をつければより丁寧な感じになります。
―「座ってください」は “Sit down, please.”じゃない?―
「どうぞ座ってください」という表現って,
“Could you have a seat, please?”
とも言えますが,多くはもっと簡単に,
“Please have a seat.”
(どうぞ,お座りください。)
“Please be seated.”
(どうぞ,座ってください。)
のように,“Please + 命令形”でOKなんですよね。
なんだか矛盾していますが,ここが言語の枠にはまりきらないところ。
これはまるっと覚えてしまいましょう。
でも,1つ注意が必要な場合があるんです。
ここでようやく冒頭のお話に戻って…^^;
よく,
「日本人が使いがちな失礼な英語」
のように,いろいろな表現が紹介されている書籍や動画の中で,
「それは本当にそう!」
と思うものもあります。
それは,
“Sit down, please.”
という表現。
文字通り,
「座りなさい」
という意味です。
私が中学生だったころ,英語の授業のはじめに先生と生徒が,
“Good morning, everyone.”
(みなさん,おはようございます。)
“Good morning, Mr. Tanaka.”
(おはようございます,田中先生。)
のように挨拶し,次に先生が
“Sit down, please.”
という場面が毎回ありました。
“Sit down”とすると,「座りなさい」と命令口調になるから
“please” をつけて丁寧にして,
「どうぞ座ってください」
としているのだと思います。
でもこれはあまりおすすめできる表現ではありません。
先ほどもお伝えしたように,私たちは
「“please”をつければ丁寧になる」
と思ってしまいがち。
だけど, “Sit down”は “please”をつけたとしても結構直接的な表現に聞こえてしまいます。
言うなれば,
先生や親が子どもを叱るときに言うような感じ。
「いいから,ここに座りなさい。座ってく・だ・さ・い!!」
みたいな。
ですので,
“Sit down, please.”という表現はなるべく避けましょう。
“Please sit down.”のように,先に “Please” をつけるとちょーっとだけ柔らかい感じもしますが,やっぱり避けたほうが無難です。
“Please have a seat.”
“Please be seated.”
などの表現を覚えて使うようにしましょうね。
ということで,
また来週〜♬
英語教材開発・制作者
米国留学から帰国後、幼児・児童英語教師を経て、中学・高校英語、受験英語、時事英語等多岐にわたる指導を行い英語教師経験を積む。また、ホテル勤務での実践英語経験を積んだり、カナダにて現地の子どもたちの英語教育にも携わりながら、CertTEYL(世界での児童英語講師認定コース)の認定を受ける。さらに、青山学院大学でTutoringの研究員としても活動。英語講師養成のeラーニングコースの日本での立ち上げメンバーとなる。「現場での経験を教材に活かしたい!」と、現在は英語教材開発会社にて日々教材開発に勤しむ。高校入試用のリスニングトレーニング教材(塾・学校向け)は累計10万部以上のベストセラーとなる。英語教材開発の傍ら、全国の英語教師への研修なども行う。また、土堂小学校(広島県尾道市)での英語指導や、初の民間校長として一躍時の人となった藤原校長(当時:杉並区立和田中学校)が手掛けた英語コースの指導に2年間携わるなど、英語教育に関する多様な分野で活躍。大の犬好きから、ホリスティックケア・カウンセラーなどペット関連の様々な資格を取得し、ペットライターとしても活動中。