音楽と自然の音がリンクした経験はありませんか?
私はあります。
ベートーベンの音楽と自然の音がかけ合いや合奏を。
来春、市民合唱で演奏される第九に加わるので、近所の低い~山へ登った時も、ずっと耳元で第九を流していたんです。ところが頂上について昼飯にしようと腰を下した途端
あれ?と。
頂上には、見上げるような樹々。枝葉の重なり合うレベルは、鳥たちの格好の餌場かも。そよ風プラス、時折枝が軋むような風も吹き通っていきます。
そんな中で、それまで聞き続けていた第九が、何だか急に違って聞え始めちゃって…
第九だけでなく、第九プラス自然音が、一体化して聞えて来たんです。
多くの鳥の鳴き声が、第九とハモったり。かけ合いをするみたい。
風のそよぎが、第九の音と柔らかく戯れるよう。
樹々の枝葉が風にサワサワザワザワ、その音が合唱と一緒に波打つよう。
何だか、キツネにつままれたよう。
でもこれっておかしい。第九と言えど人間の手になる作品。それが自然音と響き合う、掛け合う、なんて普通に考えればあり得ない気がします。
でも「音楽と自然の音の響き合い」の実感は実感。あなたにも一応信じてもらうしかありませんがw
それで、ベートーベンや彼の音楽ついて、書いた本はないかと探して見つけたのが
「La Vie de Beethoven」 フランスの小説家、Romain Rollandの書いた短い評論。
「Project Gutenberg」という著作権切れの古典等が各言語で無料で利用できるサイト。
この評論に何とベートーベンの音楽と自然との関係についての記述が…!ヤッター!
英語版から引用すると…
⓵(ベートーベンと自然の近さ)
He penetrated into regions where art melts away and unites with the wild and capricious elements.”
(彼は芸術が野生的で気まぐれな自然要素と融合一体化する領域へ分け入った)
②ベートーベンの音楽は自然現象。
..it exercises an unvarying power on us
(演奏されると、不変の力を我々に及ぼす),
like natural phenomena which fill us with awe and amazement every time they occur.
(まるで自然現象が我々を畏敬と驚嘆の念で我々をいつも満たすように)
③ベートーベンは自然の力。
Beethoven is a force of nature
(ベートーベンは自然の力);
and this battle of elemental power against the rest of nature is a spectacle of truly Homeric grandeur.”
(彼の風や雨や嵐との闘いはホメロスの叙事詩のスケールだ)
Romain Rolland. Beethoven translated by Bertha Constance
(Kindle 版.Kindle の位置No.770-775).
https://www.gutenberg.org/ebooks/55941 (英語版)
https://www.gutenberg.org/ebooks/66878 (フランス語版)
さてベートーベンが自然の力との接触点であったり、自然力そのものなら、彼の音楽の一つ第九が自然とマッチし溶けあって聞こえても不思議ではないなと思いました。
素人音楽評論家のマネゴトはこれぐらい。いずれにしても繰り返しになりますが目星の洋書を見つけた時はわくわくしました。しかも無料で安全そう。
ロマン=ロランにはベートーベンの伝記だと言われるジャン=クリストフと呼ばれる作品もあります。次はこれに挑戦する気も起きました。
あなたも英語を学び、洋書の楽しみが味わえるようになると良いですね。
See you next time,
Jiro
追記:
英語は、文法や単語等で、フランス語と良~く似ています。
引用③の「ベートーベンは自然の力」という文を元のフランス語で見てみましょう。
Beethoven est une force de la nature;
◯発音:フランス語の子音は英語にほぼある(b,f,v,n,t,d,l 等)
Beethoven est une force de la nature
ベート―ヴン エトュン フォルス ドゥラ ナトュ―ル
◯文型:英語とほぼ同じ
Beethoven est une force de la nature;
S V(=is) 冠詞 a C of the 英語のnature
◯単語:forceとnatureは綴りが全く
このように英語を学ぶと仏語との距離もぐんと縮まります。英語は他言語への扉かも。
↓ ↓ ↓
私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員