“Smoke-free”
“Smoking-free area”
これらを,あなたはどう日本語にしますか?
「喫煙自由」
「タバコが自由に吸える場所」
こう訳した方,要注意です。
何が要注意なのか。
それは意味が真反対だからなんです。
「え?」
と思われるかもしれませんね。
その気持ち,よーくわかります。
今回は,なぜそういう意味になるのか
ここでしっかりと覚えちゃいましょう!
―そもそも “free”って―
“free”といえば,よく知られている形容詞として大きくわけると
「無料の」
「自由な」
「暇な,時間のある」
の3つ。
“free paper”(フリーペーパー)
“free Wi-Fi”(フリーワイファイ)
と言えば,
「無料の新聞」や「無料のワイファイ」ですよね。
中には,
フリーダイヤル
という言葉も日本ではよく聞きます。
でもこれは要注意!
いわゆる「和製英語」…
というか,NTTコミュニケーションズが登録商標をもつ固有名詞なんです。
でもよく考えたなぁ,なんて思ってしまいませんか。
フリーダイヤルは,「無料のダイヤル」つまり「無料の通話」,
という意味で使っていますが英語では,
“toll-free number”,や
“toll-free call”,
“free call”, “free phone”のように呼ばれています。
アメリカで私が一番良く聞いていたのが
“toll-free [number]”という言い方。
1-800から始まる番号で,テレビショッピングのような番組では,
“Call one eight hundred…”
(1-800…に電話してね)
のような表現をよく耳にしていました。
日本では,
「0120」
ですよね。
(これを書いた途端,ジャパ◯ットの歌が脳内を駆け巡り始めましたw)
このように,
“free ◯◯”は基本的に,
「無料の〇〇」
を表すんですね。
ここをまず覚えて置いてくださいね!
― “free”「自由な,暇な,時間のある」―
“Are you free tomorrow?”
(あなたは明日,時間がありますか)
この質問を見ると “free”は,
「時間がある,自由な,暇な」
と言う意味で使われていることがよくわかりますよね。
“Yes, I am free tomorrow.”
(ええ,私は明日暇です)
のように答えることもできます。
また,
“I am a free person.”
と言うと,
「私は自由人だ」
のような意味で使うことができます。
よく,[彼氏・彼女,パートナーがいない]場合,
「私は今フリーです」
と言っているのを聞くことがあります。
でもこれはちょっとニュアンスが違ってきます。
そのパートナーが,すっごいヤキモチ焼きで束縛してくるような人だった場合,
やっと別れることができた,という場合は
“Now I am free!
(今,私は自由だ!)
のように言うことができると思いますが,
通常,「パートナーがいない」と言いたい場合は,
“I am single.”
“I’m not seeing anyone.”
“I’m not dating anyone.”
のような感じでOK!
その方が,意味的にもダイレクトですよね。
― “free”「開放された」―
「今,私はフリーです。」
のように言うことがありますよね。
つまり,
「私は今自由ですよ」
ということ。
だからなのでしょうか。
“Smoke free”
“Smoking-free area”
を「喫煙自由,自由にタバコを吸える場所」
と思ってしまう人が多いんです。
まず,基本的には
“free ◯◯”のように,先に “free”が来る場合は
「無料の◯◯」
「自由な[暇な]〇〇」
という意味となります。
“free Wi-Fi”(無料のWi-Fi)
“free time”(自由時間)
のような感じですね。
しかし,
“◯◯ free”
のように,後に “free”が来る場合は,
「〜から開放された」
という意味になるのです。
だから,
“Smoke free”は,
「喫煙から開放された(=タバコのない)=喫煙禁止」
となり,
“Smoking-free area”は,
「喫煙禁止エリア」
となるのです。
私たちに身近な例で言うと
バリアフリー
アルコールフリー
ジェンダーフリー
などがありますよね。
いずれも
「barrier(バリア)がない」
「アルコールがない」
「ジェンダー(性)によっての区別がない」
という意味。
なのに
“Smoke free”になると,「喫煙自由」と思ってしまうのはなぜなのでしょう。
もしかすると,バリアフリーやアルコールフリーと比較すると,
「タバコフリー」という言葉には馴染がないからなのかもしれませんね。
なので,
「◯◯フリー」のように,後ろにフリーがくると
「◯◯がない」
という意味になりますので,覚えておきましょうね。
―フリーはフリーでも…―
「フリーアナウンサー」
という言葉。
これを
“free announcer”
としてしまうと,
「無料のアナウンサー」
という意味になってしまいます。
この「フリー」は, “freelance”という単語を日本語では短くした形。
だから
“freelance announcer”
が「自由契約のアナウンサー」という意味となります。
ほら,
「私,失敗しないので!」
のあの方もいつも言ってましたよね。
「バイトじゃない,フリーランス!」って(笑)
そして最後に,「フリーマーケット」。
これ, “free market”(自由な市場)ではないんです。
この「フリー」は
“flea”(ノミ)。
日本語でも「蚤の市」って言うじゃないですか。
それと同じ意味の
“flea market”
です。
「知らなかった」
という方は,ぜひ覚えておいてくださいね。
ということで,そろそろ私も “free time”に入りたいと思います!
それでは,みなさままた来週〜!
See you next week!♬
英語教材開発・制作者
米国留学から帰国後、幼児・児童英語教師を経て、中学・高校英語、受験英語、時事英語等多岐にわたる指導を行い英語教師経験を積む。また、ホテル勤務での実践英語経験を積んだり、カナダにて現地の子どもたちの英語教育にも携わりながら、CertTEYL(世界での児童英語講師認定コース)の認定を受ける。さらに、青山学院大学でTutoringの研究員としても活動。英語講師養成のeラーニングコースの日本での立ち上げメンバーとなる。「現場での経験を教材に活かしたい!」と、現在は英語教材開発会社にて日々教材開発に勤しむ。高校入試用のリスニングトレーニング教材(塾・学校向け)は累計10万部以上のベストセラーとなる。英語教材開発の傍ら、全国の英語教師への研修なども行う。また、土堂小学校(広島県尾道市)での英語指導や、初の民間校長として一躍時の人となった藤原校長(当時:杉並区立和田中学校)が手掛けた英語コースの指導に2年間携わるなど、英語教育に関する多様な分野で活躍。大の犬好きから、ホリスティックケア・カウンセラーなどペット関連の様々な資格を取得し、ペットライターとしても活動中。