日本で普通に使われている、集合住宅を意味する「マンション」。この「マンション」は、アメリカでは、一般人ではなく、ミリオネアなど、「大金持ちが住む住宅」のことを意味します。アメリカでは、数億円するものでも、集合住宅であれば、通常は「アパート」と呼びます。
で、今日のお話は、そのアパートで働く人々のこと。
日本のマンションでは、「管理人さん」がすべていろいろやってくれますが、アメリカの場合お仕事ごとに呼び方が変わります。私もこちらに来てすぐの時は、それがよく分からず迷いました。
Landlord / ランド・ロード
いわゆる大家さんです。
個人経営のアパートだと、この方に毎月の家賃を支払います。そしてこの方自身がアパートの管理やゴミの収集などしておられることが多いです。女性だと「Landlady / ランド・レディ」と呼ばれます。
私が今住んでいるのは大きなビルで、管理会社が管理をしています。なので、ランド・ロードは住んでいなくて、そのかわり、多くの人が雇われています。
Super / スーパー
いわゆる管理人さんですね。
スーパーバイザー、マネージャー、スーパーインテンダント、ジャニター等々、英語ではいろいろな言い方があります。
管理人さんは、いろんなことをやってくれます。というか、ここで働いている人たちをまとめている役です。
doorman / ドアマン
エントランス・ドアを開けてすぐのところにいる「ドアマン」。場所によっては、このドアマンさんがセキュリティを兼ねていることもあります。
security / セキュリティ
これは警備の方たちです。防犯カメラをチェックしたり、宅配便などを管理しています。
先日、自分の住む階でボヤ騒ぎがありました。非常ベルが鳴り止まず、おまけに煙の匂いがし始めて、ドアをちょっと開けたら廊下中に黒い煙が立ち込めていたので、焦りました。
アメリカでは、日本に住む人々のように防災対策が徹底していないので、日本のような非常時用の、ちゃんとした防災用リュックやヘルメットなどはありません。
とりあえずカード類が入ったパース(女性用のお財布)を握りしめ、外は寒いのでダウンジャケットを引っ掛け、階段を駆け降りてエントランスまで出ました。
なんとあの大きな真っ赤な消防車が、けたたましいサイレンとともに数台駆けつけ、映画で見るような、重装備に身を固めた消防士さんたちが10人ぐらい、ツルハシみたいのや、どでかいハンマー(ドアをぶち壊す道具)などを持って、我々の階にどかどかと上がって行きました。
その時に、このセキュリティさん達が大活躍していました。
結局、うちの斜め向かいの部屋のおばさんが、オーブンをつけたまま居眠りしてしまったらしい。あるあるですけど、怖いですよねぇ。
Handymen / ハンディメン
この方たちは、水道の栓が壊れたり、下水が詰まったり、壁が剥がれたり、窓枠が外れそうになったりした時など、専門のツールを運び込み、てきぱきと直してくれます。
Porter / ポーター
本来は荷物を運ぶのを手伝ってくれたりする人の事だと思いますが、このビルでは、アパート全体の住人の分別ゴミをまとめたり、廊下やエントランスをクリーニングしたりしています。
parking attendant / パーキング・アテンダント
これは駐車場付きの高級アパートに限られますが、パーキングするときに世話してくれる方たちのことです。まず私などは、あまりお目にかからないですけれど(笑)。
こんな感じで、アメリカでは仕事ごとに人が雇われています。
アメリカでアパート暮らしをする時があれば、もしこの記事がお役に立てれば幸いです。
ではまた来週♫
Kayo
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。