おはようございます。
木曜日のCozyです!
私と同年代の読者の方,きっと共感できると思うのですが…
ずっと昔,こんなことを言われたことありませんか?
私が中学生か高校生の頃だったと思います。
その頃,
「全然だいじょうぶ」
「全然OKだよ」
とか使っていると,
「『全然』という言葉に続くのは『〜ない』という否定だ!」と,よく注意されました。
そして大人になった今,
「『「ヤバい』という言葉も同じだな」
と,ふと思ったんです。
だって,「ヤバい」もネガティブなときに使う言葉だったのに,今では
「ヤバい,これすごく面白いよ!」
なんてポジティブでも使っているんですもの。
ほら,きっとあなたも使ったこと,あるんじゃないでしょうか?
今回はそんな「ヤバい」の英語表現を覚えちゃいましょう!!!
―間違った用法が正しく変わる?―
今では広辞苑にも載っているこの表現ですが,当時は学校の先生や大人から
「その使い方は間違っている!」
と結構注意されました。
同じような経験をされた方,いらっしゃるのではないでしょうか。
言葉って時代とともに変わっていくもの。
言語を仕事にしていると,よくそう思います。
「全然だいじょうぶ」だって,今は全然普通に使っているんですもの(笑)
他にも,
「的を射る」
という表現。
物事の核心や要点を的確にとらえることを指すのですが,これを
「的を得る」
という人が結構いるんですよね。
「的を得ていますね」なんて言っている人がいたら,
「ああ,この人間違っているな」
なんて思うこともありました。
しかし,なんと今では
「本来は『的を射る』だが,『的を得る』も慣用的に広く使われるようになり,誤用とはみなされなくなってきています」
とのこと。
えー,私,当時の先生や大人たちみたいになってた…
やっぱり言葉って変わっていくんですね。
さて,そんな変わっていく言葉ですが,その代表的なものの1つに
「やばい」
があると思うのです。
「ヤバい」は本来,
「危険や悪いことが起こりそうな形勢」
を表した表現。
でも,今は
「すごい!」
「楽しい!」
「最高!」
のような,とてもポジティブな状況にも使われるようになってきていますよね。
確かに私も,何かとっても美味しいものを食べた時に
「ヤバっ!うまっ!」
のように言ってしまうこともあります…(汗)
年齢は重ねても,時代の流れには逆らえないのかもしれません。
―「ヤバい」を英語で言うと?―
では,英語で「やばい」を言うならどうなるでしょうか。
実は「やばい」にピッタリ対応する単語ってないんです。
状況によってまったく違う表現を選ぶ必要があるからなのです。
「やばい」
の本来の意味は,
「危険・ネガティブな『やばい』」ですよね。
“The situation is serious.”
(この状況は深刻だ=この状況はヤバい)
“This is dangerous.”
(これは危険だ=これはヤバい)
“Things are getting bad.”
(自体は悪くなっている=自体はヤバくなっている)
“The storm is coming. It’s really bad. ”
(嵐が近づいてる。やばいぞ)
他にも
“Oh, my gosh…”
(ヤバい…)
“What the heck…
(なんてこった=やばい)
のように言うこともできます。
このように状況に応じて,いろいろな表現で表す必要があります。
では,今度はポジティブな「ヤバい」はどうでしょうか。
“That’s awesome! ”
(それ,すごい!)
“This is amazing! ”
(これは最高!)
“That’s insane! ”
(信じられないくらいすごい!)
“This pizza is insane! ”
(このピザ,やばっ!うますぎ!)
のように,直訳すると意味はことなりますがいずれも
「ヤバい」
と訳すことができます。
さらに,驚きや圧倒された際にも,「やばい」があてはまります。
例えば,
“That’s crazy! ”
(マジで!?=ヤバい)
“Oh my gosh, that’s unbelievable! ”
(なんてこと!信じられない=ヤバい)
“She finished the marathon in 2 hours! That’s crazy! ”
(彼女,2時間でマラソン完走したの!?やばいね!)
このように,英語ではその場の状況に合わせて
“dangerous”
“awesome”
“crazy”
などと言い分けなければなりません。
そう考えると,日本語の「やばい」はたった一言で多彩な感情を表せる便利な言葉なんですね。
―時代とともに言葉は変わる!?―
かつて「全然OK」が間違い扱いだったように,「やばい」も今ではポジティブな意味でごく普通に使われています。
そして英語でも,昔はスラングだった言葉が今では日常語として定着している例は数多くあります。
例えば “cool”。
もともとは「冷たい」という意味ですが,若者スラングで「かっこいい」「いいね」と使われるようになり,今では老若男女問わず,普通に使われています。
“OK” “okay”もそう。
19世紀のアメリカで “all correct” をわざと“oll korrect”と書いたジョークが始まりなのだとか。
最初はくだけた表現だったのに、今や世界中で使われている言葉となりましたよね。
このように,言葉は変わっていくもの。
つまり,言葉は生き物なんですね。
変わっていくからこそ,学んでいて面白いんです!
ということで,
今日が最高に素敵なヤバい一日となりますように!
それでは,今日も良い一日を!
See you next week~!
英語教材開発・制作者
米国留学から帰国後、幼児・児童英語教師を経て、中学・高校英語、受験英語、時事英語等多岐にわたる指導を行い英語教師経験を積む。また、ホテル勤務での実践英語経験を積んだり、カナダにて現地の子どもたちの英語教育にも携わりながら、CertTEYL(世界での児童英語講師認定コース)の認定を受ける。さらに、青山学院大学でTutoringの研究員としても活動。英語講師養成のeラーニングコースの日本での立ち上げメンバーとなる。「現場での経験を教材に活かしたい!」と、現在は英語教材開発会社にて日々教材開発に勤しむ。高校入試用のリスニングトレーニング教材(塾・学校向け)は累計10万部以上のベストセラーとなる。英語教材開発の傍ら、全国の英語教師への研修なども行う。また、土堂小学校(広島県尾道市)での英語指導や、初の民間校長として一躍時の人となった藤原校長(当時:杉並区立和田中学校)が手掛けた英語コースの指導に2年間携わるなど、英語教育に関する多様な分野で活躍。大の犬好きから、ホリスティックケア・カウンセラーなどペット関連の様々な資格を取得し、ペットライターとしても活動中。