Cozyです!
受験シーズンですね!
受験といえば,私がいつも思い出すのが
“Have a break. Have a Kit Kat!”
というCMのフレーズ。
子どもの頃からおなじみのチョコレートで,
私も高校受験のときによくお世話になりました。
今でも売り場で見かけると,つい手が伸びそうになり…ますが,
体型を気にしてやめております。
さて,この “break” は
「休憩」
という意味。
「ちょっと一息つこう」
そんな優しい “break” ですよね。
ところが…
テレビを見ていると,
「今年ブレイクした芸人」
なんて言い方を,よく耳にしませんか?
同じ “break” なのに,片方は「休む」,
もう片方は「一躍有名になる」。
ずいぶん意味が飛んでいません?
これって,英語でも同じ感覚なのでしょうか。
それとも,実は日本語ならではの使い方なのでしょうか。
― “break”と「ブレイク」―
受験生にとって,「休憩」って,ちょっと特別な時間ですよね。
問題集を閉じて,深呼吸して,甘いものをひとかけら。
少し休んで,また続きを頑張ろう!
Kit Kat の
“Have a break. Have a Kit Kat!”も,
まさにその感覚をうまく言葉にしている気がします。
ところが,
同じ “break” を使っているのに,テレビではこんな言い方が使われているのをよく耳にします。
「今年ブレイクした芸人」
そう聞くと,ブレイクした人って休憩どころか忙しさは倍増ですよね。
同じ “break” なのに,意味は正反対に近い。
本当に同じ “break”?って感じですよね。
実はカタカナの「ブレイク」って,和製英語でもあり,ちゃんとした英語由来でもあったんです。
今日はそこをしっかりと覚えて,ドヤ顔で誰かに話しちゃいましょう!
― “break”の意味って…―
英語で “break” というと,まず思い浮かぶのは,
「壊す」
「割る」
「中断する」
といった意味です。
たとえば,
“Be careful with the glass, or you’ll break it.”
(そのグラスに気をつけてね,じゃないと割っちゃうよ)
のように「破る,割る」などです。
休憩も同じ。
休憩って,何か作業などをしていてそれを「中断」します。
つまり,その作業の時間を「破ってしまう」わけです。
“Take [Have] a break.”
(休憩を取る)
“Let’s break for lunch.”
(昼休憩にしよう)
どれも,
「続いていたものをいったん止める」
という感覚ですよね。
だから,Kit Kat の “Have a break”も
「勉強し続けた時間を(一旦)壊そう!」
という感じなんですね。
「張り詰めた時間を破る」
休憩ってそういうニュアンスなんですね。
また,朝食も同じなんです。
朝食は英語で, “breakfast”。
ここでなぜ “break”が使われているのでしょうか。
ちょっと考えてみましょう。
ちなみに “fast”は,「早い」ではなく「断食」という意味で使われていますよ。
例えば,あなたの1日の食事の時間が
7:00 朝食
12:00 昼食
18:00 夕食
だとします。
それぞれの食事の間隔をみてください。
朝食から昼食までが5時間。
昼食から夕食までが6時間なのに,
夕食から朝食までは,なんと「13時間」もあります。
長いですよね。
この時間を
「何も食べない時間=断食= “fast”」
と考えるんです。
その “fast”(断食)を破るから
“breakfast”
となったんです。
「“break”=破る」と言っても,いろんな「破る」があるんですね。
―「ブレイクする」の “break”って和製英語!?―
では,
「ブレイクした芸人」
これを英語にすると,
どうなるのでしょう。
「彼は今年,芸人としてブレイクした」
といいたい場合,
“He broke as a comedian this year.”
とは,言えないんです。
これをそのまま言ってしまうと,
(彼は今年,芸人として壊れてしまった)
となってしまいます。
英語では,
「ブレイクした芸人」
を表すために,“break” は使いません。
では,英語ではどう言うのか。
たとえば,
“make it”(成功する)
“become famous”(有名になる)
“hit it big”(一気に成功する)
といった言い方をします。
どれも,
「壊す」
「割る」
「中断する」
とは,まったく関係ありませんね。
だから,「彼は今年,芸人としてブレイクした」と言う場合は,
“”He made it as a comedian this year.”
“He became famous as a comedian this year.”
“He hit it big as a comedian this year.”
のように表現します。
つまり,英語では「一躍有名になる」ことを”break” という動詞でまとめて言うことはしないんです。
ただ,ここで
「あれ?」
と思われた,するどい方もいらっしゃるかもしれません。
(英語には“break through” や “breakthrough” という表現があるじゃないか!)と。
そうなんです!
“break through” は動詞で,
「突き抜ける」
「壁を突破する」
という意味。
“I broke through after years of hard work.”
(私は何年も努力を重ねて,ようやく壁を突破した)
また,名詞の“breakthrough” は,
「大きな進展」
「転機」
という意味で
“This role was her breakthrough.”
(この役が,彼女にとっての転機だった)
のように使われます。
そう考えると,日本で使われている「ブレイク」という言葉は,
ここから来ている可能性が高いと思いませんか?
“break through”(突き抜ける,壁を突破する)
“breakthrough”(大きな進展,転機)
長い下積みや停滞を,ガンッと越える感じがしますよね。
―日本語の「ブレイク」は…―
英語では,
「成功した結果」そのものよりも,
「そこに至る突破」や「流れが変わった瞬間」
を,こうした言葉で表すことができるんですね。
それが日本語に入ると,
“break through”
“breakthrough”
といった表現の中から,
“break” だけが切り出され,
「一躍有名になる」
「売れる」
という意味をまとめて背負うようになった。
そして,
「ブレイクする」
という,日本語独自の言い方が生まれた。
と考えられるんですね。
だから,
Kit Kat の “break” と
芸人の「ブレイク」
同じカタカナでも,もともとの役割は別もの。
「止まる」ための “break” と,「突き抜けた結果」をまとめた「ブレイク」。
この違いに気づくと,
「カタカナ英語って変」
ではなく,
「日本語が英語をうまく省略した」
ということが見えてくる気がしませんか。
「カタカナ英語や和製英語は使っちゃダメ!」
というのをよく見聞きしますが,
このような背景をしっかりと知ることで,ちゃんと使い分けができると思うんです。
逆に言うと,
「カタカナ英語や和製英語を知っているからこそ,実際の英語の知識を知ることができる」
とも言えると思うのです。
だから,言語って面白いんですよね!
さあ,これからも一緒にいろいろと学んでいきましょう〜!
それでは,
今日も良い一日を。
See you next week〜♪
英語教材開発・制作者
米国留学から帰国後、幼児・児童英語教師を経て、中学・高校英語、受験英語、時事英語等多岐にわたる指導を行い英語教師経験を積む。また、ホテル勤務での実践英語経験を積んだり、カナダにて現地の子どもたちの英語教育にも携わりながら、CertTEYL(世界での児童英語講師認定コース)の認定を受ける。さらに、青山学院大学でTutoringの研究員としても活動。英語講師養成のeラーニングコースの日本での立ち上げメンバーとなる。「現場での経験を教材に活かしたい!」と、現在は英語教材開発会社にて日々教材開発に勤しむ。高校入試用のリスニングトレーニング教材(塾・学校向け)は累計10万部以上のベストセラーとなる。英語教材開発の傍ら、全国の英語教師への研修なども行う。また、土堂小学校(広島県尾道市)での英語指導や、初の民間校長として一躍時の人となった藤原校長(当時:杉並区立和田中学校)が手掛けた英語コースの指導に2年間携わるなど、英語教育に関する多様な分野で活躍。大の犬好きから、ホリスティックケア・カウンセラーなどペット関連の様々な資格を取得し、ペットライターとしても活動中。










