おはようございます。
木曜日のCozyです!
最近、よく「○○ハラ」という言葉を聞きますよね。
そう、ハラスメントです。
パワハラ、セクハラ、カスハラ……。
最近では、「ホワイトハラスメント」略して「ホワハラ」という言葉まであるのだそう。
これは、上司がパワハラと思われることを恐れるあまり、部下を叱ったり指導したりしなくなることなどを指す言葉なのだとか。
いろいろな「ハラスメント」があるものです。
でも、この記事を読んでいて、私は別のことが気になりました。
「ハラスメント」って、そもそも英語ですよね。
英語では、
“harassment”
です。
だったら「パワーハラスメント」は“power harassment”
「カスタマーハラスメント」は“customer harassment”
で通じるのでしょうか。
実は、そう簡単ではないんです。
― “harassment” はちゃんと英語。でも…… ―
英語の “harassment” は、「嫌がらせ」「悩ませる行為」などを意味する、れっきとした英語です。
“sexual harassment”
いわゆる「セクシャルハラスメント」も英語で使われる表現です。
ところが、日本でおなじみの
“power harassment”
は、英語圏で一般的に使われる表現とは言えません。
日本語では、
「パワー+ハラスメント」=「パワハラ」
と、ごく自然に感じますよね。
だから英語でも、
“power harassment”
って言うと思うじゃないですか。
でも英語ではそうは言わないのです。
職場での立場を利用した「いじめ」であれば、
“workplace bullying”(職場でのいじめ)
権力や立場の乱用なら、
“abuse of power”(権力の乱用)
など、「何が行われているのか」によって表現が変わります。
つまり日本語の「パワハラ」という一つの言葉が、英語では一つの言葉に対応するとは限らないんですね。
― 「カスハラ」は英語で何という? ―
では、最近よく耳にする「カスタマーハラスメント」はどうでしょう。
“customer harassment”
と言いたくなりますが、英語圏では、日本の「カスハラ」に当たる一般的な言い方とは言えません。
英語では、
“customer abuse”(顧客による迷惑・加害行為)
“abusive behavior by customers”(顧客による理不尽な言動)
など、
「実際に何が起きているのかを具体的に表すこと」が多いんです。
日本語では、
「これは○○ハラスメントです」
と、まずその行為に「名前」を付けることが多いですよね。
でも英語では、日本語の「○○ハラ」を、そのまま「○○+harassment」にすればいいわけではないんですね。
「誰が、誰に、何をしているのか」
によって、“bullying”(いじめ) だったり、“abuse”(濫用) だったり、“harassment”(嫌がらせ)だったりするんです。
ここが、日本語の「◯◯ハラ」と英語での表現の違い、なんですね。
― 「○○ハラ」を英語にする時は… ―
日本には、ほかにも
「スメルハラスメント(スメハラ)」
「カラオケハラスメント(カラハラ)」
など、実にさまざまな「○○ハラ」があります。
そして冒頭でご紹介した「ホワイトハラスメント」もその一つ。
でも、これらを英語にするとき、
“smell harassment”,
“karaoke harassment”,
“white harassment”
とすれば、日本語の「スメハラ」「カラハラ」「ホワハラ」と同じように伝わるかというと、そうではないんですね。
英語の単語を使って作られた言葉なのに、そのまま英語に戻せない。
なんだか不思議ですよね。
たとえば「スメハラ」なら、
“strong body odor”(強い体臭)
“excessive perfume”(強すぎる香水)
など、何のにおいが問題なのかを具体的に言う方が自然なんです。
「カラハラ」なら、
“forcing someone to sing karaoke”(嫌がる人に無理やりカラオケを歌わせること)
のように、これも
“karaoke+harassment”
という名前ではなく、何をされたのかをそのまま説明することになります。
そして「ホワイトハラスメント」も、“white harassment” という英語があるわけではありません。
たとえば、
“managers being overly cautious about giving employees feedback or guidance”
(上司が部下へのフィードバックや指導に過度に慎重になること)
など、その状況自体を説明することになります。
このように日本で作られた「○○ハラ」を英語にするときは、そのまま
“○○ harassment”
とするのではなく、
「実際に何をしているのか」
を具体的に表すことが多いんですね。
なので、海外の人に
「会社でパワハラがあって……」
と話したいときは、
“power harassment”
と単純に置き換えるのではなく、
「実際にどんなことがあったのか」
を考えてみてください。
“workplace bullying”(職場でのいじめ)なのか。
“abuse of power”(力の濫用) なのか。
あるいは “harassment”(嫌がらせ)なのか。
日本語ではたった一言の「○○ハラ」でも、英語では具体的に「何をされたのか」を説明することが多い。
これも、日本語と英語の違いの面白さなのかもしれませんね。
でもやっぱりハラスメントなどない社会でいたいものです。
それでは、今日も良い一日を!
See you next week~!
英語教材開発・制作者
米国留学から帰国後、幼児・児童英語教師を経て、中学・高校英語、受験英語、時事英語等多岐にわたる指導を行い英語教師経験を積む。また、ホテル勤務での実践英語経験を積んだり、カナダにて現地の子どもたちの英語教育にも携わりながら、CertTEYL(世界での児童英語講師認定コース)の認定を受ける。さらに、青山学院大学でTutoringの研究員としても活動。英語講師養成のeラーニングコースの日本での立ち上げメンバーとなる。「現場での経験を教材に活かしたい!」と、現在は英語教材開発会社にて日々教材開発に勤しむ。高校入試用のリスニングトレーニング教材(塾・学校向け)は累計10万部以上のベストセラーとなる。英語教材開発の傍ら、全国の英語教師への研修なども行う。また、土堂小学校(広島県尾道市)での英語指導や、初の民間校長として一躍時の人となった藤原校長(当時:杉並区立和田中学校)が手掛けた英語コースの指導に2年間携わるなど、英語教育に関する多様な分野で活躍。大の犬好きから、ホリスティックケア・カウンセラーなどペット関連の様々な資格を取得し、ペットライターとしても活動中。






