今月、約1年ぶりに、ニューヨークのレストランやカフェの屋内営業再開です!
思い返せば、ニューヨーク州では、昨年2020年3月16日より、コロナ感染拡大防止のため、レストラン、カフェ、クラブ、バーなどの飲食店が一斉にクローズとなりました。
まず、デリバリーやテイクアウトはOKになりましたが、その際も、顧客はバスルーム(お手洗い)使用のためであっても、レストラン内に入る事は一切禁止でした。その後、サイドウォークに出した、屋外のテーブル席での飲食はOKになりました。
だんだんと気温も下がってきた秋には、それに囲いをしてもOKになり、冬になって、屋外に暖房機を入れることがOKになりましたが、その暖房機1つをとっても、最初は石油ストーブはOKで電気ヒーターはダメ、と言われていたのが、その逆になったり、また屋外の囲いは密閉はしないように等、いろいろと規制も変わりつつ、何しろ誰にとっても生まれてはじめての出来事ですから、試行錯誤の連続で、いろいろありました。
10月末には、クリスマスを当て込んで、収容人員の25%以内ならということで、一旦、屋内営業を再開してみたものの、エアコン使用の為か、1ヵ月も経たぬうちに、また感染確率がグーンと上がったので、また屋内営業は禁止となりました。
2020年、ニューヨークのクリスマスシーズンは、雪の中本当に静かに、アウトドアのレストランのみがオープン可、となったのでした・・・。
そして、パンデミックが始まってから約1年が経った2021年2月、バレンタインデーを目の前に、収容人員の25%までという制限つきで、レストランを始めとするカフェなどの屋内営業が再開となりました。
そんんな中、2月末から、私の長年の古巣である「Arturo’s 」でのピアノ演奏の仕事も始まりました!私は、このグリニッジ・ビレッジのジャズの老舗で、自分のバンドで週5日演奏しており、今年で28年目にななります。
以前ですと、通常夕方6時からの演奏で、会社や学校帰りの人たちで、いつもワイワイ賑わっている「Arturo’s」 。入りきれずに、お客様が外に溢れていたりしたものです。アメリカでは、寒くなってくると、焼きたてのピザをアチアチ言いながら食べるのがとっても習慣らしく、寒い日は特に混んでいました。
でも現在は、25%のお客さまのみ入店可能な為、4人がけのテーブルが4つあるうち、1つを使えば、あとの3つは空けておかなければなりません。アメリカではこういう規則は非常に厳しく、もし違反すると、店自体が簡単に営業許可を剥奪されたりします。
入店頂くお客様は、もちろん事前予約された方のみで、エントランスでは、お客様全員の体温測定と、そのお客様の連絡先を明記することが、義務付けられています。
ナイフやフォークのシルバー類も、ウェイターたちが直接手で触らなくて良いように、ナプキンでしっかりラッピングされていますし、メニューも使い捨てです。
スパイス類の瓶はお客様が入れ替わるごとに、消毒液できれいに拭きます。なかなか、厳しい感じがします。なんとなく、今日はパーっと飲んで食べて、酔っ払って楽しい時を過ごそう!と言う感じには、なりにくそうです。
しかしながら、やっと長かった冬が終わった、と言うような思いです。ロシアの人たちは、毎年こういう気分を味わっているのでしょうか。雪溶けまで、長い長い小説を読み、マグカップで昼夜問わずウォッカを煽り暖を取り。そのせいもあって体を壊す人々も多いそうですけれど、そう考えると太陽の恵みは、本当にありがたい。
ニューヨークでは、デイライトセービングタイムが始まり、なんと本日のサンセットは午後7時。この輝くサンシャイン、お日様に深く感謝です。
演奏開始の初日、4ステージの演奏終了後に、Arturo’s のオーナーが「やっぱり生のピアノ演奏あってのArturo’s だよね、店が生き返った!」って言ってくれたのは、久々のめっちゃ嬉しいコンプリメントでした。
今はまだ、ベースとドラムを入れることは出来ず、ソロピアノで、写真のように、ピアノの周りには仕切りがあり、スタッフ同様に、私もマスクをしての演奏です。
ほぼ1年ぶりのピアノ演奏が始まって4週目。グループで知り合いたちと集まってワイワイ会食、というお客さまはまだほとんど無く、多分ご夫婦か家族、という単位が1番多いように見受けますが、なかなか静かにちゃんとピアノを聞いてくれます。
こういう雰囲気も、高級店ぽくて(笑)良いものです。お客さまの評判も上々で、生演奏のないニューヨークがこれだけ長く約1年も続くと、本当に皆さまの心に、ライブ演奏を聴きながら、美味しい食事や歓談ができる気持ちの良さが、しみじみと蘇って来るのでしょう。
通常、6~8人ぐらいのグループで、たまに会う友人たちとのパーティーなどが何件か入っていると、もうとにかくしゃべることに夢中で、なぜあんなにでかい声で、大笑いしながら怒鳴りあってるのかと思う位、大騒ぎをしている大人たちがいっぱいいるニューヨーク(大笑) 。
そんな時がきっともうすぐ戻ってくるのでしょうね。乞うご期待です。この店にどんどん良いスピリッツ、吹き込んで行くよ!
Kayo
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。