あなたは挨拶する人ですか?
それとも,挨拶なんて不要と考えるタイプですか?
なんて唐突な質問からスタートしましたが,最近感じることがあるのです。
暦の上では立秋も過ぎたといいますが,まだまだ暑い日が続く今日この頃。
この時期はすぐに暑くなるため,愛犬との散歩は朝5時くらいに出発です。
さすがにこの時間は道行く人も少ないのですが,それでも出勤のため,駅まで急ぐ人たち,ウォーキングをする年配の方々,同じようにワンコと散歩をしている人たちなど多くの人々に出会います。
暑くない時期は,朝8時,9時頃散歩するのですが,その時と比べると確実に「違う」と感じることがあるのです。
それは,
早朝の散歩では,「おはようございます!」と挨拶をされる方々が多いということ。
こちらも明るく,「おはようございます!」と返すのです。
最近の東京は,ちょっと挨拶すると「変な人」と思われる可能性もあるので,あまり知らない人と挨拶をすることは少ないのですが,この早朝散歩では,挨拶をする人がとても多いのに驚きです。
まだ暑くない爽やかな朝の空気。
そして,すれ違う知らない人たちとの「おはようございます」という挨拶。
なんだか空気だけではなく,心までもとても爽やかになるのです。
ああ,やっぱり挨拶って大切だなぁ。
―知らない人とも挨拶するアメリカ―
欧米では,挨拶は基本中の基本。
特にアメリカでは,すれ違った人と目が合っただけでも割と高い頻度で,笑顔で“Hi!”と言ってくれます。
それが異性であろうと同性であろうと,です。
その挨拶に対して, “Hi, how’re you doing?”などと返せば,それだけで小さなコミュニケーション。
決して嫌な気持ちになることもありません。
アメリカ人がこのように,目が合っただけでもフレンドリーに挨拶するのは何故だと思いますか?
アメリカ人の陽気な性格のせいでしょうか。
もちろん,それもあるのかもしれませんが大きな理由としては,
「私はあなたに危害を加えるような危険人物ではありません。」
とアピールするためだとか。
以前書いた,「スモールトークはお好き?(https://worldlife.jp/archives/1081)でも書きましたが,バス停で待っている時間など,「同じ空間」で「同じ時間」を共有している場合,アメリカ人は知らない人同士でもよく話をします。
それも,同じ時間と空間を共有しているのだから,相手に「危険な人」と思われたくない,ということからなんですね。
日本では,知らない人から挨拶されると,「え,なんで?」とか,「ちょっと怪しいんじゃないの?」と全く逆の意味に捉える人も多いとか。
ましてや,突然知らない人から世間話をもちかけられようものなら,すごく戸惑ってしまいそうです。
これは,アメリカに比べ日本が世界でも有数の「安全国」だからなのかもしれません。
だから相手にわざわざ,「私は危険な人ではありませんよ。」なんて自分からアピールしなくても良いのかもしれませんね。
ただ最近は,同じマンションでも「住民同士挨拶は禁止」をルールとしているところもあるそうで,それは自己防御もある反面,人間的な何かが失われているようで悲しい気持ちにもなってしまいます。
―挨拶の基本は…―
アメリカでは,挨拶は礼儀の一つとしてとても重要視されています。一人の成熟した大人として,とても大切なことだからです。
しかし,その際にとても大切なことがあります。
1.自分から挨拶するように心がけること
人と会った時,もじもじして相手の出方を待つのではなく,自分から積極的に挨拶をすることで相手にも好印象を持ってもらえます。
2.笑顔でスマイル~
アメリカでは,笑顔はとても大切。ブスッとした無表情では,いくら挨拶を自分からしたとしても相手は,「自分は受け入れられていないのだろうか。」と不安にも思うでしょうし,何よりも心象が悪くなってしまいます。
3.アイコンタクトが大事
挨拶するときに限らず,話をするときも「相手の目を見て話す」ことはとても重要です。
しっかりと笑顔で相手の目を見ることで,相手も「自分を真剣に受け入れてくれている」と思うものなのです。
これらは,多くの人にとっては「そんなの当たり前でしょ?」というような事かもしれませんが,国際ビジネスの間では,緊張のあまりか結構できていない日本人が多くいます。
上記の1~3を意識した上で,次に
“How was your flight?
(フライトはいかがでしたか?〔相手が飛行機で来た場合〕)
“It’s so hot outside, isn’t it?
(外は暑いでしょう?)
など,ちょっとした会話(スモールトーク)を挟むのが一般的です。
そうすることで,初対面の相手であっても緊張などのハードルが低くなり,次のステップに話を進めやすくなるのです。
―挨拶をしましょうよ。―
朝出会った人には,「おはようございます」
昼に出会った人には,「こんにちは」
アイコンタクトを忘れずに,笑顔で挨拶すれば,人間関係もこれまで以上に円滑になるかもしれません。
また,顔の見えない電話やメール,LINEなどは,特に挨拶が大切だと思うのです。
本件に入る前に,「おはよう!」「お疲れ様です」など,一言挨拶を入れるだけで印象は変わるもの。
私も仕事上,お国柄なのかそれともその方の性格なのかわかりませんが,絶対に挨拶をしない海外の人とメールのやりとりをすることがあります。
「いきなりお願いか・・・」と,やはりあまり気持ちはよくありません。
このように,たった一言なのにこの違いを生んでしまう挨拶は,やっぱりすごい威力があるような気がします。
もしも,「あまり意識してなかった」という方がいらっしゃったら,ぜひ,これから意識して挨拶をしてみてください。
きっと相手との距離ももっと近く,そして暖かく感じると思いますよ。
挨拶をしない人にはそれなりの対応しかしたくなるじゃないですか。
だってお互い…
…人間ですもの(笑)
英語教材開発・制作者
米国留学から帰国後、幼児・児童英語教師を経て、中学・高校英語、受験英語、時事英語等多岐にわたる指導を行い英語教師経験を積む。また、ホテル勤務での実践英語経験を積んだり、カナダにて現地の子どもたちの英語教育にも携わりながら、CertTEYL(世界での児童英語講師認定コース)の認定を受ける。さらに、青山学院大学でTutoringの研究員としても活動。英語講師養成のeラーニングコースの日本での立ち上げメンバーとなる。「現場での経験を教材に活かしたい!」と、現在は英語教材開発会社にて日々教材開発に勤しむ。高校入試用のリスニングトレーニング教材(塾・学校向け)は累計10万部以上のベストセラーとなる。英語教材開発の傍ら、全国の英語教師への研修なども行う。また、土堂小学校(広島県尾道市)での英語指導や、初の民間校長として一躍時の人となった藤原校長(当時:杉並区立和田中学校)が手掛けた英語コースの指導に2年間携わるなど、英語教育に関する多様な分野で活躍。大の犬好きから、ホリスティックケア・カウンセラーなどペット関連の様々な資格を取得し、ペットライターとしても活動中。